仙台広瀬川ワイルド系ワーキングマザー社長

ビールと温泉と面白いものが好きな大学生男子の母。

木下斉「稼ぐまちが地方を変える」

補助金依存の地方創生にいつもtwitterその他でかみついている人。「補助金を当てにするな原理主義者」と呼ばれているそうな。 そのとんがった姿勢が面白くて、本を図書館で借りて読んだら思いの外良かったので、買った。

 

 

私はまちづくりには興味がないが、まちづくり事業をコワーキングスペース運営に置き換えて考え、読んでいる。共通点が多いのだ。

補助金助成金を貰うためのコンサル業者もたくさんいるのに、補助金に頼ってしまうと危険だというのが前半の主張。木下さんの体験もまじえて、ばっさばっさ切り捨てる。

言い方は悪いですが、補助金とは麻薬のようなもの。それまでまじめに生きてきても、一発チュッと打たれただけで一斉におかしくなってしまうものなのです。 (p.28)

補助金助成金を活用してうまくやっている人もたしかに、いる。

コワーキングスペースをつくるのでまずは使える補助金を申請します」と、当然のように言う人もいる。 はっきり言ってお金は常に欲しい。貰えるんなら下さい!だ。

私も補助金を申請しようとしたことがあった。でも、商工会議所の人に助言を受けにいくにつれ、私もおかしくなってしまった。補助金の出るのはこういう分野ですと言われると、それまで思いもしなかった設備の改修の検討をはじめてしまった。考えもしなかったチラシ作成も検討してしまった(これは実際に作ったのだけど)。結局、申請書類作成のために何度も商工会議所に行ってノラヤのオープン時間を減らし、睡眠時間を削り本来の業務に支障が出たりしたので、ばからしくなってやめてしまった。

でも、やめてよかったと思ってる。あのまま身の丈に合わないノラヤ改修をしていたらどうなってたか。

補助金がある間だけ人を雇って、期限が来たらポイ、って、良く聞く話だ。 コワーキングスペースだって、助成金が貰えるからと作って、続かなくてすぐ閉鎖しちゃったとこもあるし。

木下さんは、安易なクラウドファンディングの活用にも疑問を述べている。

逆にリスクが大きいのは、外部から積極的に資金を調達しようとすることです。夢を抱くのはいいですが、まずは身の丈を考える必要がある。(中略)
「地元にはお金を出してくれる人がいない」と言って、すぐにクラウド・ファンディングに飛びつく人がいまずが、自分も、地元の人も誰も一線も出さないような取り組みに不特定多数から資金を集めてやるというのは、少し疑問なのです。

(p.149-150)

 これは私もそう思う。コワーキングスペースって人と人との繋がりを重視したいからクラウドファンディングのような資金調達が一見向いていそうだけど。私自身クラウド・ファンディングで支援してちゃんと支援したかいがあったなと思えたのは半分以下。だからそもそも、クラウド・ファンディングを見る目がかなり冷めてる。実績もなにもないしお金もないのでクラウド・ファンディングで調達しようと思います、なんて、貧乏人救済装置じゃないんだよと思う。

 

また、すごく共感したのは「まちづくりワークショップ」の話。

この手のワークショップでよくある風景はこんな感じです。いくつかのグループに分かれた人たちがテーブルを囲み、大量のカラー付箋を活用して意見を出しあい、それをまとめて結果をプレゼンします。他のグループは「素晴らしい」と絶賛します。もしくは「これはこうしたほうがいい」と修正提案をしたりします。さかんに意見が出て、盛り上がった勢いで飲みに生き、地域の未来について熱く語り合います。それは楽しいし、いいことです。しかし、それでおわりなのです。 後日、「あのプランはどうなりました?」と訪ねても、誰も覚えてすらいない。実現の可能性もゼロ。要するに関係者が自己満足しているだけで、誰も真剣にまちづくりのことなど考えていないのです。 (p.112)

これ、笑ってしまった。私も経験がある。付箋をぺたぺた。意見出した。楽しかった。なんかりっぱなことをみんなでやった感があった。でも「これやろう!」「これはいい!」って言ったやつ、どれか実現したっけ。ほんとこれ、ただのエンターテイメント。

 

結局、多くの人が偉そうに集まって、イベント連発して、もらえるお金は外部からもらって、誰も身を傷めず、自分ごとにしない。そういうのは誰も本気にならないし、事業がうまくいかない。

ノラヤの場合は、なにもかも自己資金だし、運営者は一人だし、使ったお金が無駄になるのは嫌だから、儲けたい。本書の後半は成功のための10の鉄則で、非常に参考になる。それぞれについて詳しく説明すると長くなるのでタイトルだけ。

  1. 小さく始めよ
  2. 補助金を当てにするな
  3. 「一蓮托生」のパートナーを見つけよう
  4. 「全員の合意」は必要ない
  5. 「先回り営業」で確実に回収
  6. 「利益率」にとことんこだわれ
  7. 「稼ぎ」を流出させるな
  8. 「撤退ライン」は最初に決めておけ
  9. 最初から専従者を雇うな
  10. 「お金」のルールは厳格に

まちづくりの鉄則だから3と5はちょっと違うかなという気もするけど、たとえば地方でまちづくりの役割も持たせたコワーキングスペースを作りたいとしたら、全部参考になるだろう。力のない第一世代のコワーキングスペースをやろうとしているなら、特に。ノラヤの場合は、小さく始めましたよ。補助金当てにしてませんよ。パートナーはいない。全員の合意どころか個人の独断でやってる。先回り営業はしなかった。利益率はとことんこだわってる。稼ぎは流出するほどないなぁ。撤退ラインは最近決めた。専従者なんてもちろんいない。余談だけどスタッフ最初から雇うコワーキングスペースって持たない。お金のルールは厳格です。

 

身の丈を知ること。 おそらくそういうことだろう。 成功しているコワーキングスペースの先輩達は補助金などは貰ってない、という。一人または少人数で事業を行って、つぶれたらアカンというヒリヒリした気分を味わいながら、どうやって収益をあげていくか考えてる。よそからのお金を当てにしないでやってきてよかったと思えるよう、ノラヤでも徹底して考えていこうと思う。

前半の「コストの削減をした」という例でゴミ収集の値段を下げたエピソードがあって、はっとして、今までこだわっていなかった消耗品コストを見直してみた。削れるところは削り、新しく何かを買う時は「それでいくら儲かるのか?集客になるのか?」を徹底していかなければ、と思った。

うつ病サポート体感ゲーム研修「ウツ会議」を体験してきました

3/6(日)、東京の日本橋にあるコワーキングスペースClipニホンバシで開催された、「ウツ会議」研修を受けてきました。とても貴重な経験で、学びの多い時間でした。

 

  そもそも「ウツ会議」とはなにかというと。こちらが「ウツ会議」のサイトです。

www.mtg.blue

  こちらにも書いてあるとおり、

ウツ会議はうつ病を理解し周辺サポートするための研修用カードゲーム

なのです。

カードゲーム単体での一般販売ではなくトレーニングを受けた講師による研修がセットになっています。すでにNHKで紹介されたり、雑誌に掲載されたりして、見聞きした方もいらっしゃることでしょう。  

今回の研修の主催者であり、ウツ会議を開発されたのは、広瀬眞之介さん。4年ほど前、広瀬さんがコワーキングスペース「ネコワーキング」を運営していた時に、私が話を聞きに行ってからのご縁です。(当時のレポートはこちら

  広瀬さんはご自身が長年うつ病でした。その経験からうつ病の人をサポートする方法を周囲の人が楽しく学べる手段が必要だと考え、臨床心理士など複数の専門家とチームを組み「ウツ会議」を開発したのです。

広瀬さんはこの「ウツ会議」のバージョンアップ版の作成と、多くの人を対象にした研修の機会を設けるためにクラウドファンディングで支援を募り、見事達成されました。 私もささやかながら支援させていただきました。

readyfor.jp

  私自身も、母親をはじめ周囲の人がうつ病であったりうつ病経験者だったりと、うつ病は比較的身近な病気でありながら、どう対処したらいいのかよくわかっていません。当人を目の前にすると腫れ物に触れるように当たり障りのないことだけ言ってしまいます。 なので、誰でも気軽にゲーム形式でうつ病について学べるというのは、とても素晴らしいと思ったのです。心理学専攻出身なのでメンタルヘルス関係を学ぶ事にも興味ありましたし。

 

この日の研修には、私のようなクラウドファンディング支援者、なんらかの形でメンタルヘルスに興味がある人、Clipニホンバシに出入りしていて広瀬さんの取り組みを知っている人、などが集まりました。

研修では、まず広瀬さんからのお話しから始まります。うつ病について正しく理解しているか?対処方法を知っているか?の問いかけに、「はい」と答える人はゼロです。

うつ病の人がどういう症状になってどういう状態をたどるのか、広瀬さんの経験を語っていただきました。かなり壮絶です。 周囲にサポートできる人が増えれば、より多くのうつ病の人が助かる。その重要さを認識したところで、まずは一回目のプレイです。  

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実はこの日はじめてニューバージョンの「ウツ会議」が、お披露目されました。

前のバージョンを私は詳細に見た事はないのですが、ウェブに掲載されている写真と比べると統一感のあるイラストになりましたね。  

ぱっと見……いくつか種類がありますが、なかなかきつい言葉が並んでいるカードもありますね。これをどうやって使うのでしょう。

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ではプレイ開始。4人1グループとなり、最初に役割カードを引いて、対象者(うつ病当人)、医者、上司、バーのマスターのいずれかになります。(5、6人の場合は、これにカウンセラー、人事が加わります)

 

これから「症状カード」を引いていって、所定の方法で積み上げていきます。これを「ストレスタワー」と言います。次に山札にあるカードを一枚引きますがこのカードが対処に当たります。これを使って症状カードを取り除いていきます。タワーに積まれた症状カードを全部取り除くことができたら、寛解、ゲームは勝ち。途中でタワーが崩れてしまったり、山札を使い切ってしまったら負けです。(個人で勝ち負けがあるわけでなく、そのグループ全体で勝つか負けるか、です)

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ゲームのスタートは、当人が最初に症状カードを引き、その状況をあらわず言葉が書いてあるのでそれを3回読みます。「一方的な励ましがしんどい」などの言葉を3回読まれてそれを聞くと、グループ全員がけっこうどんよりとします。

次の人が症状カードを引き、3回読んで、積み上げます。カードが崩れると負けなので、積み上げる時も慎重になります。そのあと山札から一枚引きます。これを使って症状に対処するのですが……

まず、症状ごとに使えるカードが違います。例えば症状カードが「自責」なら「自信をつけさせる」「心理療法」のカードが効きますが、引いた対処のカードが「見守る」だったら使えません。使えないカードは手元に置いておきます。

さらに、役割ごとに可能な対処方法があるのです。たとえば「薬物療法」は医者でなければ処方できません。医者以外の人が「薬物療法」を引いたら、使わず手元に置いておくしかありません。

また別の例では、「自信をつけさせる」は上司、カウンセラー、バーのマスターができます。が、それも得意な人とそうでない人がいます。これを表すのが役割の横に書かれている数の値です。カードを使って取り除く症状カードを決めたら、サイコロを振ります。出た数が自分の役割のところにある値より大きければそのカードを使って症状カードを取り除けます。上司は「自信をつけさせる」のが得意。なので2以上の目がでたら使えます。しかしバーのマスターなら、4以上の目が出ないと使えない。残念ながらサイコロの目が自分の役割の値より低ければ、カードは捨てます。

そして次の人へ進みます。

 

では、自分の役割で使えないので手元に置いてあったカードはどうするの?

実は山札には万能なカードが紛れ込んでいます。それは「カンファランス」。このカードを使うと、お互いの手札を一枚だけ他のに渡すことができ、全員1回ずつカードを使う機会が与えられます。バーのマスターの手元にあった「薬物療法」を医者に渡して使ってもらうことができます。(あ、もちろんサイコロを振って使える値が出れば)このカンファランスカードも手元において、タイミングを見計らって使う事もできます。

カンファランスをうまく使うと、効率的に症状を取り除くことができます。メンバーで「この症状が上にあるから、こっち使おうか?」「数字が2だから私がやったほうがいいですね」などと話し合ってカードをやりとりします。

そうやってゲームを進行し、うまくいけばストレスタワーに積まれた症状が全部なくなります。一回目、私たちのグループは見事寛解まで持って行けました。ばんざい。

このゲームをしていると自然と会話が出てきます。症状カードの言葉は深刻だけど、うまくカードを取り除くとみんなで喜んで笑顔になるし、サイコロの数字が少なくて対処できないと「あーっ」とみんなで残念がる。役割カードに合わせてなりきって、演技が入ったりもしました。とっても楽しいし、盛り上がります。

 

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一回目のゲームのあと、振り返りがありました。  

このカード、どうしてこうなっているの?
どうしてこの役割の人がこの対処ができるの?
逆にどうしてこの役割の人はできないの?
どうしたら、効率的にストレスタワーを取り除くことができる?

などなど。広瀬さんが参加者に問いかけて、それに答えていくやりとりを繰り返ししながら、理解を深めていきました。なるほど!と思うことばかり。

もしゲームをしないで、単なる座学として「こういう症状のときはこういう人がこういう対処を」と聞いていたとしたら。ここまで興味を持って聞けないし、腑に落ちることもないでしょう。

なるほど、と思ったところで二回目のゲームをしました。 しかし残念ながら今回は、手札が尽きてしまって負けとなりました。  

ゲームと広瀬さんのお話を通して感じたのは、うつ病当人が一人でできることはとても少ないということ。周囲の人のサポートが大事なんだと感じました。そして、サポートする人がたった一人でも、やっぱりできることは限られている。自分の不得手なことはできない。お医者さんの役割をバーのマスターはできない。そして得意なこともいつもうまくいくわけじゃない。

だから、周囲にサポートする人が多ければ多いほど、対処できる可能性は広がる。

そしてゲームで最強だった「カンファランス」カードが象徴するように、周囲の人たちも情報をやりとりすることができれば一番いいですよね。

 

研修の最後にはタブーなしの元うつ病患者への質問コーナーもありました。 広瀬さんは「うつ病への対処は、自分ができないことは適切に対応できる人に頼むこと。これが大事なことです」と、研修を締めくくりました。

 

このゲーム研修は、メンタルヘルスに関わる企業向けということですが、個人向けにはClipニホンバシで体験会を行っています。Facebookで案内しています。 https://www.facebook.com/depression.mtg/    

 

この「ウツ会議」、これまでは企業の人事、薬剤師の団体、医学部の学生さんを対象に研修を行ったそうです。自分でなんとかするとか、個人でなんとかするためではなく、チームとなってうつ病の人をサポートする必要性を実感し考えるためにこのゲーム研修があります。

あらゆる組織、企業、団体でメンタルヘルスに関する知識は必要になってきているのではないでしょうか。そしてその重要性は今後ますます増していくと思います。重苦しくなりがちな内容を楽しく学んで納得できる「ウツ会議」、ぜひ多くの方々に知っていただき、導入していただきたいと改めて思いました。

支援してよかったです。

池井戸潤にはまる

半沢直樹ってスーツ着たおっさんの話じゃん興味ない、と思っていたけど、ふと息子が「半沢直樹見たい」と言ったのをきっかけに、DVD借りてきて見て、原作も図書館で借りてきて見て、そしてすっかりはまってしまった。

以来、池井戸潤の本を次々借りてきては読んでいる。

 

オレたちバブル入行組 (文春文庫)

オレたちバブル入行組 (文春文庫)

 

 

オレたち花のバブル組 (文春文庫)

オレたち花のバブル組 (文春文庫)

 

  テレビになったのは、ここまで。これ以降も、ドラマ化されないかなぁ。

ロスジェネの逆襲 (文春文庫)

ロスジェネの逆襲 (文春文庫)

 

 

銀翼のイカロス

銀翼のイカロス

 

 

正直、ドラマを見たあとだと、原作がちょっと物足りない。奥さんが小うるさくて嫌な存在だし。各キャラクターの人柄を表すサイドストーリーがあるのはドラマならではだ。

あと、ドラマも原作もだけど、働く女性がほとんど出てこないのが残念。作者自身がそういう人に出会ったことがないのかなぁ。まるっきり男の世界ってかんじ。

だが、エンタテイメントとして読むにはそれがいい。かっこいいおっさんたちが絶対無理と思われるような逆境を乗り越えていく。素晴らしく気分が良くて、読み終わったあとすっきりする。なんだかんだ言って私は、がんばるサラリーマンが好きなのかもね。バリバリ前線で働けることに、かすかに憧れもあるのだろう。

半沢直樹シリーズのおかげで、新聞の経済欄をじっくり読むようになった。銀行からの融資というものが自分には無縁なので全然興味がなかったのが、なんとなく理解できた。シャープの買収や日銀のマイナス金利などタイムリーなニュースにも、興味を持つことができた。

一応株もいくつか持っててほとんど放置なんだけど、これじゃーいかんと思ってIR資料ダウンロードして読んだりした。

楽しく経済に興味を持つには、とてもいい小説だと思う。半沢直樹のおかげで息子も経済に興味を持ったらしい。

それと、主人公たちがしょっちゅう飲みに行っているので、飲みに行きたくなってつらい。しかもいろんなタイプのお店行ってるの。居酒屋、バー、ほんと羨ましい。

一緒に仕事する仲間、一緒に戦う仲間、秘密を打ち明けられる仲間。そういう仲間たちと相談したり作戦考えたり、心配されたり悩んだり、しながら飲んでいる。それが羨ましいなぁと思った。

自分は長いこと個人事業でやってきたので、ずっと一人で、ともに戦う仲間も、相談できる仲間もいない状態だ。心が折れそうになることもしばしば。

半沢直樹シリーズを読んだら、会社員時代のことをちょっとだけ思い出した。

自分が会社組織の人間だったのは10年にも満たない。組織の一員でいるのは上下関係も理不尽さも煩わしかったけど、一緒にプロジェクトを達成するチームの一員として仕事して感じた一体感は、今思うと貴重であったし、楽しかった。サラリーマンだからこそ、味わえた。

それがちょっと懐かしくなった。

 

ドラマ化されたばっかりの「下町ロケット」は古本屋で買った。

下町ロケット (小学館文庫)

下町ロケット (小学館文庫)

 

下町ロケットWOWOW版を見たいなぁ。殿村さんが私の好きな小市慢太郎さんだから。

 

 こちらは今読んでます。 

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)

 

 

「リモートチームでうまくいく」倉貫義人

 

 ちょっとだけAmazonからお小遣いが入ったので買いました。

 

著者の倉貫義人さんが経営する株式会社ソニックガーデンは、納品のない開発というスタイルで話題。それは前著の「納品をなくせばうまくいく」に詳しい。

 仙台でもセミナーしに来られて、その際ノラヤにも寄っていただいたのだった。

 

今回は「リモートチーム」。「リモートワーク」と違うの?「リモートワーク」といえば、ここ1年ほどお知り合いになった東北芸術工科大学の松村茂先生を中心としたグループが取り上げているテーマであり、地方在住の人間として非常に興味深いテーマである。地方でどうやって仕事していくかの選択肢の一つとしてリモートワーク(またはテレワーク)がある。クラウドソーシングもやたら注目されている。私は個人的にワークライフバランスには非常に興味があるから、いろいろな働き方の選択肢は知っておきたいのである。

で、この「リモートチームでうまくいく」は、率直に言ってとってもわくわくする本だった。

楽しそう!これいいわ!私もやりたい!

そんなことを能天気に思ってしまうぐらい。

 

そもそも、リモートワークとか、クラウドソーシングとか、私は誰でもできるわけじゃねーだろと思っていた。ものすごいスキルを持った猛者、たった1人でもさぼったりせず誘惑にも負けず完璧に仕事ができ、スキルアップも怠らず、ただならぬ実力者。孤高の仙人。そういう人が、たまっったま、地方に住んでいるだけ。もし東京に行ったら間違いなく多くの企業から声がかかる。そういう人でないと、ライバルがたくさんいるクラウドソーシングで受注なんてきないし、リモートワークなんてできるわけないでしょーと。もうね、敷居高杉。そう思っていた。

 

この本で書かれていた「リモートチーム」のメンバーは、そんな仙人か超人みたいなリモートワークする人のイメージを変えてくれた。

リモートワークをする場合の様々な問題点を、チームとツールで解決していくのである。

リモートワーク用のツールRemottyをオンラインにして、一緒に仕事している感を出す。「ユニクロの暖パンが」「育児が」なんていう雑談をむしろ推奨。短文や絵文字でさくさくコミュニケーション。必要な時はすぐにビデオ会議に切り替え。1人で仕事していても孤独感を感じることがない。

会社にいる人も基本リモートと同じ状況で仕事する。会議も流して聞くだけ参加もできる。メンバーは各自、自分のペースで仕事したり家事したり用事足したりするが、仕事中かどうかはすぐ把握できる。セルフマネジメントも身に付く。

twitter廃人の私は「なにこれ楽しそう!」と感激した。ネット越しにチャットしながら、チームに入っている感を感じながら、仕事できるなんてすごいじゃない。

倉貫さんは毎朝朝礼がわりに5分の社長ラジオを流し、みんな都合のいい時にそれ聞いてコメントをつける。終業時は全員が日記を書き(日報でなく日記なのがポイント)それもみんな見てコメントしてくれる。これ、モチベーション上がるなぁ。

このような仕組みで仕事している結果、リモートワークの方が社員どうしお互いに関心を持つようになり、情報共有への意識が高くなるというのもうなずける。私もリアルに会ってる人より、twitterFacebookでしょっちゅうやりとりしてる人のほうがなんだか良く知ってる気がするし。

仕事のやり方として参考になったのは「タスクばらし」。一つの作業を30分〜1時間で終わるタスクに分けるのだそうだ。自分はtoodledoでタスクの時間を「2h」に設定してしまうと気が重くなってやりたくなくなるというのがよくあるので、早速、真似したい。

それからリモート飲み会をよくやっているそうで、人数は4人までがいい、というのも参考になった。

基本には「みんな超人じゃないんだから、知恵を出し合って、支え合わないと」という考えがあるように思った。そしてリモートチームであるからこそ、うまく支え合えができているし、それで高め合って仕事の成果も上げていける体制のようだ。

孤独な自営業を10年もやっていると、そりゃ慣れるけど、最近「チーム」とか「仲間」が妙に懐かしい。大昔の、誰かと一緒に仕事してる感、良かったよなぁ。そんな私の心に響いた本でした。

風邪が治らない

昨年のクリスマスごろ発症だから、もう3週間くらい治らないままなのか。

いや、治ったと思ったら完治の前にぶりかえし、今度こそ治ったとおもったらまたぶりかえし、の繰り返しだ。

 

息子からうつった。息子を病院に連れていった翌日、自分もよたよたと病院に行った。その晩、私は38.5度まで熱が上がってしまった。ひとばんで下がったけど。息子もずいぶん長引いたがもう元気だ。

咳も喉の痛みも治らない。正月は料理はあんまりしない方針でいた(……と思ったけど結局いろいろ作ったな)。元日義実家に無理矢理行った時がピークで具合悪かった。あとはふとんをしいてごろごろしていた。これで良くなるだろうと思ったが結局風邪は治らず太るだけだった。

正月あけにバイト帰りにまた病院に行き、薬を少し変えてもらった。そうしたら薬が効いたようで良くなった。しかし微妙な咳は続いていた。

寝入りばなや、急に外に行った時などにやたら連続して咳き込むようになった。家族からはうるさいと言われた。咳をするから悪化するんだと怒られた。怒られたって出る物は仕方がない。

マスクをすると楽なのでマスクをしてしのいでいた。今度こそ良くなったと思っていたら、今、また、喉が痛いのである。

 

自営業は健康でないと、かせげない。

年末の稼ぎイベントである忘年会が、私の体調不良でできなくて、それを取り返すためにも1月はいっぱいイベントやるぞーと思ったけどどうもちゃんと治らないので、考えていたカレーの会もやめてしまった。

 

とにかく仕事よりお金より(と言いつつ、バイトは休めないんだけど)、しっかりお風呂に入ってあったかい布団で寝る、それだけはちゃんとやろうと心に決めた。

そうすれば風邪も治るだろうと。

そう思ったのに、ぶりかえすんだよなぁ。

 

もうなんか、疲れたのかなぁ、いろいろ。

一週間くらい湯治したい。

 

SNSに愚痴を垂れ流すとうっとおしいのでブログに書きました。

別な病院、行ってみるかなぁ。

phaさんの出演したハートネットTVがすごく良かった

ハートネットTVにphaさんが出演するというので見た。
phaさんといえば大好きな「ニートの歩き方」を書いた日本一有名なニート
 
動いたり喋ったりするphaさんは初めてみたんだけど、ふわふわしていて全然芯が通ってない雰囲気がすごく良かった。
ニートの歩き方」はよく風呂で読む。その風呂読書みたいなゆるさが今回の放送でも感じられた。
 
phaさんの考え方にはとても共感する。と、同時に、自分とは逆の点もあることに、今回気づいた。
 
「普通に働いていると夕焼けも見れない」
「世界はもっと美しいのに」
 
と、phaさんは歩きながら言う。これには心の底から同意する。
 
普通に働いていると、天気のいい時にふとんも干せない。晴れ間に洗濯もできない。雨だから無理して外に出ないこともできない。鳥の声や虫の声の変化、咲く花、季節の移り変わりはとても美しいのに、それを味わうまもなく働く。
 
phaさんは、毎日決まったルーチンを入れないことで、好きな時間に本やネットでインプットして、寝たり宴会したりしながら、人生を味わえる自由をまとって生きているようだ。
 
一方、「世界はもっと美しいのに」と思って、「美しい夕焼けが見たい」と思って、バイクに乗って飛び出していきたくなるのが、私だ。
ギークハウスでPCに向かってFacebookやっているのが基本のphaさんだけど、私はもし自由だったら、ふらふら出歩いていると思う。面白いことがあるところを探して、美しい世界を求めて。
 
おそらくそれは、私が、体感することこそが大事、やってみなくちゃ体験しなくちゃわからないと思っているからだろう。あるいは欲張りだからか。
文字が好きな人は文字やネットから情報を仕入れてそれを自分の中でちゃんと理解できるからひきこもりでも豊かになれるんだけど、自分は本嫌いで文字によるインプットがどうも得意じゃないみたいなので。つくづく自分は体感型の人間だなと思う。そんなタイプがあるのかどうかわからないけど。
 
ただ、私のように「好きに動く」となると、どうしてもお金がかかる。
お金のためには、結局働かざるをえないんだよねぇ。
 
「自分が何をしたら幸せか」を考えて、それを得るためだと納得できるなら働くのもいい。また、働くことによって幸せを感じられるとしたらそれもいい。
 
もちろん「何が幸せか」の感覚は、いっぱいあっていい。夕焼けを見たいけど、仕事帰りの21時ごろのビールも素敵だ。朝寝坊も幸せだけど、早起きして何時間も散歩するのも惹かれる。
 
いろいろなスタイルを選択できるとしたら、フリーランスニートなのだろうけど、フリーランスは年中無休頭の片隅に仕事のことがあるような部分もあるし。難しいね。
 
私自身は、コワーキングスペース運営という時間的拘束はしっかりあって儲からない仕事をしている。好きにふとんを干せない日々に、いつまで耐えられるだろう。
 
余談だけど、phaさんのいるギークハウスの家財道具が、もらったものばかりで「ネットで欲しいと言っていたら手に入った」という状況が、ちょうど自分がノラヤで体験したところなので、にやりとしてしまった。
phaさんのテレビを見る直前、「ノラヤで使いたいのだけど誰かプロジェクター余っていないだろうか」とダメ元でFacebookに書いたら、あるという申し出があって、翌日ありがたく受け取りに行ったのだ。
ノラヤでは、かなりのものが「もらいもの」や「無期限レンタル」になっている。炊飯器、ストーブ、こたつ、だいたいノラヤの欲しいものは誰かの使わなくなったものや要らなくなったものを活用していて、買わずに済んでいる。
誰かの使わないものと欲しいもの、うまくマッチすればお金がなくても手に入るのは本当だ。

 

というわけでphaさんの本。

ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法

ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法

 

 

こちらは最近出た本。まだ立ち読みすらしていない。

しないことリスト

しないことリスト

 

 

放送で出てきた大原さんの本。これは読みたい。 

20代で隠居 週休5日の快適生活

20代で隠居 週休5日の快適生活

 

 

 

 

お母さんはもっと寝ましょう

日経DUAL等に執筆されている舞田敏彦先生のtwitterをよく見ているんだけど、そこから先日ショックなデータを見た。

 

www.newsweekjapan.jp

なにがショックって、30−40代女性が圧倒的に睡眠不足で、世界的に見ても睡眠不足………というのにプラスして、その平均より自分が全然寝ていないということだ!!

 

「データえっせい」にはさらに詳細が分析がなされていた。

データえっせい: 子育て期の父母の睡眠時間

 

高校生の子供のいるお母さんはさらに寝ていない。

息子が高校生になったらさらに寝られないのか!もうちょっとお母さんたちはちゃんと寝ることを意識したほうがいいのではないだろうか。睡眠時間を削るっていうのは、仕事や家事の時間がない時に一番楽な解決方法だ。でも工夫の余地はないだろうか。ときにはテクノロジーも駆使して。

私は、寝るのが大好きだ。睡眠はすべてに優先すると思っている。ちゃんと寝なければ健康にもなれないしまともに考えることもできないと思っている。家事より何より最優先したい。

寝よう。全力を尽くして全身全霊で寝よう。

まずは現状把握である。

私は5:30起き。(金曜日は6時からバイトなので4:30)

この前提条件で、7時間寝ることを目標とする。と、就寝時間は22:30。30分の余裕を設けるとして22:00にはふとんに入れる体制になる。

となると、21:30にはお風呂からあがりたいよね。

お風呂には40分くらい時間取りたい。あたま乾かすのとか風呂上がりのスキンケアも考えると、やっぱ1時間?

じゃ20:30にはお風呂はいらなくちゃ。

食後1時間はおきたいから19:30までにはごはんを終わらせる。

うん、そんなかんじ。いっけなーい、ブログなんて書いてる場合じゃない!

 

ところで目覚ましは普通の目覚まし時計とスマホのアラームなのですが、最近睡眠時間を把握するためにSleep Mister使ってます。 

Sleep Meister - 睡眠サイクルアラーム Lite

Sleep Meister - 睡眠サイクルアラーム Lite

  • Naoya Araki
  • ヘルスケア/フィットネス
  • 無料

 自分の睡眠サイクルの浅い深いもわかって、たいへん便利。

そして、わかったことがあります。

バイトの前日のほうが、早起きしなきゃいけないプレッシャーもあって、睡眠時間多めなんですね。そして翌日バイトないほうがよふかししがち。ビールも飲めるからね。だめじゃん。

それでも、平均して6時間も寝ていないんだな、いつも。

とにかく寝よう7時間。そしてめざせ8時間。