仙台広瀬川ワイルド系ワーキングマザー社長

ビールと温泉と面白いものが好きな大学生男子の母。

「発想する会社!」読んでるとなんだか元気になってくる本

これは3月に東京に行った時、コワーキングスペース茅場町 Co-Edoのオーナー田中さんから教えていただいた本。

楽しい内容だった。 

発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法

発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法

 

 これは何の本かというと、iPhoneをはじめマウスやパソコン、さまざまなイケてる素晴らしい製品の裏には必ず関わっているという会社IDEOの、仕事の仕方や発想の仕方を紹介した本。

豊富な実例とともに、そして楽しげな写真とともに、IDEOという会社に引きこまれた。

この本全体と通して実感したのは、「これがふつう」「当たり前」「そういうものだ」という考え方にとらわれていると柔軟な発想はできないということ。しかしその脳みそを支配する枠組みをぶっこわすのは、容易ではない。

だから、IDEOでは様々な仕組みがある。ブレスト。オフィスの作り。いろんなヒントになるものが突っ込まれてる引き出し付きのボックス。アイデアの出し方の工夫。そして好奇心旺盛で遊び心に満ちた仲間の存在。おふざけも許される社風。なにもかも魅力的だ。

この本を紹介してもらった時田中さんも言ってたのだが、IDEOでは何かモノを開発・改良するとき、それがどう使われるか観察することを、重要視する。普通はユーザの声を聞いて改良するだろう。でも、ここが不満だとか、これを希望するとか、人々は聞かれたって必ずしもちゃんと答えられるわけじゃない。本人すら自覚してない本音がある。だからアンケートやヒアリングより、そこで人がどう行動するか、それをどう使うか、ひたすら観察する。そこから「あ!じゃぁこうすればいい」を導き出すのだ。

これはすごく勇気付けられることだった。だって、観察だったら、いつでも一人でもはじめられることだから。

それから、あるモノを使う時、面倒くさい、使いづらい、おかしい、無駄、でもそういうものだと思って我慢してしまうことがよくある。そんな時に生じる違和感を無視せず、それを解消する方向に考えるのだ。それがイノベーションにつながる。

この本を読んでいると、私も発想したくなってくる。どうすればよくできるか。思い込みを捨て、観察し、日常のもやっとした違和感を見逃さない。

ばしばし付箋を貼って、風呂で読みたい。図書館で借りてるんだけど、買おうかなぁ。

【追記あり】あすけんのお姉さんにdisられる日々からの逃避

※2018.8追記:いまだにこの記事見られてるんですけど、私は運動による体型維持ができるようになり、もうダイエットはしていません。コメントでアドバイスされても不要です。

 

ダイエットしているんですよ。もう何回目かってかんじですけど。

2/13から記録開始したので、もうかれこれ2ヶ月か。

レコーディングダイエットでうまくいったことがあるんで、ちゃんとカロリー制限すれば減らせるという楽観的なところはあります。

いつまでもデブと思うなよ (新潮新書)

いつまでもデブと思うなよ (新潮新書)

 

 しかし「いつデブ」を読んだ時と現在と違うのは、カロリー制限や体の記録にスマホ活用ができるということ。当時はExcelでちまちま書いてましたからね。

というわけで私のダイエットアプリ体験記を書いてみます。

 

最初はこのアプリを入れて使っていました。「カロリーノート」です。

カロリーノート/ダイエット管理(体重・食事・運動・生活習慣)

カロリーノート/ダイエット管理(体重・食事・運動・生活習慣)

  • Yasuo Shiohata
  • ヘルスケア/フィットネス
  • 無料

食事のカロリー、体重、体脂肪率を記録していくシンプルなやつです。

検索でコンビニのお菓子等も出てくるんですが、新商品がばんばん出るからおっつかないですね。これは自分で似たようなカロリーの物を選べばいい。 

1300kcalを目標にし、記録スタート。

最初は心が折れそうでした。だってどんなに減らしたつもりでも、目標カロリーを軽々と越えてしまう。カレー2杯食べたらもう1食でアウト。自分で設定した目標だけにもう悔しくて悔しくてたまらない。押さえて押さえて空腹に耐えて、それでも1300にはおさまんないんすよね。

そのうち、なんとか2000kcalは越えなくなってきたんですが、そうなるとちょっと不満が。

カロリー記録する画面で100g単位なのか、1単位(1杯、1切れ、1カップ、1本等)なのかわかりづらいんです。自作の料理で材料を入れる時に悩みました。

なやみつつも、記録を続けるというのはやはり効果がありまして、体重は減りました。

 

そんな時、別のアプリの存在を知りました。「あすけん」です。

 これは「ペライチ」で有名な株式会社ホットスタートアップの取締役山下さんに教えていただきました。

教えてもらったその場で入れて「これはいい!」と思いました。

最初、いくつかの質問に答えて(年齢、現在の体重とか)目標カロリーが設定されます。私の場合1610kcalに設定されました。意外と高い値。

そして食べた食事を記録していくのは同じです。あすけんはコンビニメニューだけでなくファミレスなどの外食メニューも網羅してます。残念なことに、自作メニューは有料オプションを契約しないとダメなので、材料をちまちま入れるしかありません。

でも画面が見やすく、入力もしやすい。

そしてカロリーだけでなく、栄養素ごとの摂取量も表示してくれる。私はどうしてもカルシウムと鉄とビタミンが不足気味。普段野菜摂ってるつもりでも全然だめなんですね。そこが機能性食品や栄養ドリンクのたぐいを飲むと「ぱーん」とグラフが伸びます。いいのかなとおもいつつ、面白いので、よくC1000とかウイダーインとか一日分のビタミンとか買いました。

これもいいと思ったのが、運動も記録できる点。iPhoneの歩数と連動して消費カロリーとして記録してくれます。

そして、一日分の食事の記録が終わると、今日の内容が採点されます。点数は、食事と運動を合わせて総合的に判断されているっぽい。

そしてこれがあすけんのキモだと思うのですが、「お姉さん」がアドバイスをしてくれるんです!

カロリーが多くなってしまいましたね。明日以降の食事はちょっと控えめにしてみましょう。

とか

ちょっとオーバーしてしまいましたが、しっかり体を動かしているので問題ないですね。

 とか。さらに栄養素ごとにも言及するのです。

脂質が多いですね。

とか、

今日はビタミンAがしっかり摂れていますね!

とか。
こういう食品だとこの栄養素が摂れますよ、とか、こういう工夫をしてみましょう、とか、tipsも紹介してくれます。

そして翌日、最初に起動してまたデータを入れていない状態の時は

こんにちは!また来てくれましたね。最近の食事は◯◯なので……

と、今日の食事のアドバイスをしてくれます。

これはひとりぼっちのダイエットの強力な味方だなと思いました。なんか反応がある、って、モチベーションになりますわ。

 

………それで、がんばっていたんですけどね。

やっぱり辛くなりました。

だって。全然いい点取れません。
「30点」「33点」「40点」。日々の点数は、私の高校時代の物理と数学のようです。たまーに70点の時もあります。でもほとんど、赤点のような数値しかでません。

それでまた、あすけんのお姉さんが、点数が低いと嫌そうな顔するんですよ。

カロリーオーバーが続いていますね……

なんて眉根を寄せながら!

ここで私の特殊なライフスタイルにも言及しておきますと、週に3日、早朝からアルバイトしていて、その日は朝食が5:15〜6:15なんです。それで10時にはもうへろへろでお腹が空くんです。そんで食べるでしょ。バイト終わった後ノラヤに出勤して、そこでまたお腹空くから食べる。バイトある日って実質1日4食なんです。

普段はデスクワークだけど、バイトの時は立ちっぱなしで走り回ってるのです。

週3は肉体労働なんでその日だけ摂取カロリー目標を上げて欲しいとか思うのは私の甘えでしょうか。

そんでもお姉さんに怒られるの嫌なので制限しますし、食べ過ぎた時は運動を、と思って2万歩くらい歩く時もある。でも、あまり運動の成果って点数を上げてくれない。ジムに通ったりハードなスポーツをすれば違うのかもしれないけど。歩く程度じゃ赤点は脱出できない。

そして、がんばって目標カロリーを大幅に下回る時もある。そんときはそんときで文句言われるんですよ。

このような食事が続くと逆に太りやすくなってしまいます。

はー?あんたが減らせって……カロリーオーバーが続くから他の日で調整を、って言ったくせに!前日出したメッセージちゃんと参照してくれよ!

 

毎日あすけんのお姉さんにdisられ、低い点を見せつけられ。時々励ましてもくれますよ。あまりにdisりすぎだと思うのか(思ってるわけがなくてランダムだと思うが)

カロリーオーバーですが、◯◯さんは制限がちゃんとできる人ですから安心していますよ!

でもその定型文、何度も見てしまうと、別に嬉しくもない。

成績の上がらない息子にいくら現状を認識させようと、いくらやり方を改めるよう言っても、聞く耳持たない、その気持ちがよくわかりました。あなたはこんなにだめだからがんばりなさい。そう言われたって、やる気出るもんじゃないんですね。

 

ふと思ったんですけど、私が嫌なのって「お姉さん」だからじゃないっすかね。これがイケメン男性キャラだったらちょっとは嬉しいかな。私のように無駄にプライドが高い女性は、同性に上から目線で物言われている感がだんだんつらくなってきますよ。

「あすけん」さん、ぜひ男性キャラの導入をお願いします。

 

お姉さんにdisられ続けた私は。ついに。

食事の記録をやめてしまいました。

はっはっは。ダメですねぇ。
なにをやっても成功しない人間はここがダメ!っていう例として使ってください。
最近は体重と体脂肪率の記録だけにしています。それだと別に「あすけん」じゃなくてもいいんですけどね。

あすけんのお姉さんは、食事の記録をしていないと文句言うと思ったら、起動したときは

こんにちは◯◯さん。ここのところ脂質が多いですね

と、けなげに挨拶してきます。ちょっとかわいそうになってきました。いつのデータ見てるの?それは先週なのよ、お姉さん。

 

で、実際どうなのさ。痩せたんでしょうか?

痩せましたよ!

体重は4kg、体脂肪率は2%減りました。

まぁまだまだ上下すると思いますけどね。 

 

ここからはアプリとちょっと関係ないですが、今までのダイエットでは、運動を意識して取り入れてなかったんですよね。運動嫌いだし苦手。

でも、今回は、毎日10分間のスクワットを続けています。

食事を減らすとお腹はすぐ凹むんですけど、おしりと太ももだけは、どうしても減らないんですよね。あと、そろそろ老後を視野に入れて、筋肉つけておかないといけないと思ったのもあって。スクワットが良いらしいと聞きやっております。

この手の筋トレ、今回頑張れてる理由は、1. 音楽を聞きながらやっているから、2. ストレス解消を兼ねていること。

お気に入りの音楽をYoutubeで再生しつつやってると、曲の流れで何分経過してるかわかるので目安になります。そして前辛かったサビのあたりがあっさりクリア出来たりして、成果が実感できるんです。ストレス解消は、家庭にいるとイライラすることたくさんあって、ちくしょう細くなってやる、私は筋肉つけて体力つけて綺麗になって生き延びられるようになるんだ!と思いながら、怒りをぶつけていると、終わるころには汗ばんで、よしやったまた野望に近づいたぞ!と思えるんです。

太ももが細くなったかどうかは、わかりません。ただ触った感じ、確実に筋肉ついてます。10分スクワットが軽く感じるようになったら、さらに何か増やさないといけませんね……その日が来るのが楽しみです。

あとはノラヤに出勤する時にバイクや自転車ではなく、歩くようにもしています。iPhone歩数計が便利です。前は近所の買い物も自転車かバイクでした。今は用足しもなるべく歩きです。

 

結局は、「いつデブ」にも書いてたことなんですけど、自分の体をこうすれば増えてこうすれば痩せてこうすれば体調がいい、てのを、把握できる状態になるのが最終地点なんですよね。

またつまづいたら、あすけんに記録し始めるもよし。

 がんばるぞー。

コワーキングスペースのイベント告知を考える

イベント開催時は、いつも悩んでる。

情報を欲しい人に、有効な人に、興味ある人に、うまく届けられたらいい。だがそのためにはどうしたらいいのか。

ノラヤのイベントはクローズドなコミュニティ内だけが対象ではないので、できるだけいろんな人に届けたい。

メインはFacebookだ。Facebookにかなり依存している。でもそうなると「クローズドなコミュニティ内だけが対象ではない」のと矛盾してしまうのよね。 *1

 

私は、こんなのを、3年ほど前に書いていた。

monyakata.hatenadiary.jp

このブログを書いた時と状況はさして変わらず、私自身はイベントの招待は貰ってもほとんど行けない状態だ。限られている自分のリソースは自分とノラヤのために使いたい。

以前はノラヤのイベントも招待を送っていなかった。でも、イベント招待が嬉しい人も世間には多いらしい。

それに、Facebookページやtwitter、ウェブに載せるだけでは、イベントの存在に気づかない人が多い。それで、非常に心苦しいが、招待を送るようにした。

一括で私の友人全員に送るようなことはしていない。まず「ノラヤ常連ズ」という、ノラヤに二回以上きたことがある人を対象にし、仙台エリアの友人、もしかすると可能かもしれないと思って山形エリアの知人に送る。もちろん、イベントに興味を持ちそうにない人には送らない。

そういうのを毎回目視でチェックしつつやっているので非常にめんどくさいし、漏れも間違いもきっとたくさんある。だからせめて招待を送った後に「興味のない方はごめんなさい、どうかスルーしてください」とイベントページに書いている。

 

しかし、イベント招待をするとまた別な問題が持ち上がる。

「ごめんなさい、行けません」と、都合がつかない時に謝る人が出てくる。謝る必要全然ないのに。こっちが招待かけたことをますます申し訳なく思ってしまう。

小泉さんが度々言ってるけど、イベントページに「行けません」のコメントが並ぶのはイベントのイメージがネガティブに染まってしまう問題もある。

そして、自分が参加できない時間に開催するイベントについて、招待だけでなくSNS上で告知されることに対して、怒る人も出てきた……。まさに私が前ブログで書いた状況と同じである。行けないのに送ってくんな!ってね。

 

そもそも、Facebookのイベント機能は不十分だ。

まず、自分の友達しか招待できない。主催するのがノラヤであるからノラヤに「いいね!」してくれた人を選ぶことができればいいのに。ノラヤに「いいね!」した人と全員と友達になる気もないし。

定員の設定もできないし締切りの設定もできない。参加者が増えても通知してくれないしイベントページにコメントがついても通知がこない。

そして、参加不参加の選択肢に「未定」がなくなり「興味あり」が出来たことによって、イベントに参加できない人も気軽に「興味あり」を押すようになった。これはまったくもって嬉しくない。

いろいろいまいちな点がありながらもFacebookイベントに依存してしまうのは、Facebookのいろんなサービス・機能と地続きで使えて手軽で便利というのと、どんな人が参加するのかが見える安心感。そしてあわよくばシェアして貰える、そのシェア文化への期待というか。

 

そろそろ、Facebook以外の、イベント運営に特化したサービスも試す時期かもしれない。いろいろあるようだし。

最近ノラヤに来る人は、Facebookをやっていない人が増えた。たしかにFacebookリア充感が辛いような人に、ノラヤはあっている。

イベント特化サービスだけでなく、Facebookイベントと両方立てているケースをよく見る。やっぱりFacebook利用の可能性は捨てきれない。ただそうすると、イベント申し込みページではくFacebookイベントの方に参加申し込みして申し込んだ気になってしまう可能性もあるし(注釈に書いても見ない人は見ない)、イベントに対する質問等が両方に寄せられてしまう可能性もある。運営者の負担が増えそうなんだよなー。まぁしょうがないか。

 

そんなことを最近つらつら考えてます。ノラヤというものが多くの人に知られるようになるにつれ、イベント運営の方法も工夫しなきゃいけないんだなーと。

 

最後に、知らない人もいるかもしれないので、見たくないイベント招待やシェアを見ない方法。 とにかく、目に入ってしまう環境から抜ける。宣伝メインのグループやMLからは抜ける。いいね!したページのフォローはやめる。(いいね!を取り消さなくてもよい) 知り合いにのべつまくなしイベント招待を送ってくる友人は友人から外す。友人から外すのは嫌だと思うなら、イベント招待をブロック。設定→ブロック→イベント招待をブロック。招待だけでなくイベントをシェアしてくるのがうっとおしいなら、フォローを外す。

明らかな有害な情報を流すケースを除けば「私にとって嬉しくないことをSNSに載せないで欲しい」ってのは勝手だと思うので自衛することをおすすめします。

時間は有限だから他人に邪魔されず自分のために使おう。

*1:以前は、きてけさin仙台にも載せていたけれど、キラキラ自己啓発コーチングやあやしい癒し系イベントに混ざってうちのイベントが載ると浮きまくるのでやめた。実績もゼロだし。

木下斉「稼ぐまちが地方を変える」

補助金依存の地方創生にいつもtwitterその他でかみついている人。「補助金を当てにするな原理主義者」と呼ばれているそうな。 そのとんがった姿勢が面白くて、本を図書館で借りて読んだら思いの外良かったので、買った。

 

 

私はまちづくりには興味がないが、まちづくり事業をコワーキングスペース運営に置き換えて考え、読んでいる。共通点が多いのだ。

補助金助成金を貰うためのコンサル業者もたくさんいるのに、補助金に頼ってしまうと危険だというのが前半の主張。木下さんの体験もまじえて、ばっさばっさ切り捨てる。

言い方は悪いですが、補助金とは麻薬のようなもの。それまでまじめに生きてきても、一発チュッと打たれただけで一斉におかしくなってしまうものなのです。 (p.28)

補助金助成金を活用してうまくやっている人もたしかに、いる。

コワーキングスペースをつくるのでまずは使える補助金を申請します」と、当然のように言う人もいる。 はっきり言ってお金は常に欲しい。貰えるんなら下さい!だ。

私も補助金を申請しようとしたことがあった。でも、商工会議所の人に助言を受けにいくにつれ、私もおかしくなってしまった。補助金の出るのはこういう分野ですと言われると、それまで思いもしなかった設備の改修の検討をはじめてしまった。考えもしなかったチラシ作成も検討してしまった(これは実際に作ったのだけど)。結局、申請書類作成のために何度も商工会議所に行ってノラヤのオープン時間を減らし、睡眠時間を削り本来の業務に支障が出たりしたので、ばからしくなってやめてしまった。

でも、やめてよかったと思ってる。あのまま身の丈に合わないノラヤ改修をしていたらどうなってたか。

補助金がある間だけ人を雇って、期限が来たらポイ、って、良く聞く話だ。 コワーキングスペースだって、助成金が貰えるからと作って、続かなくてすぐ閉鎖しちゃったとこもあるし。

木下さんは、安易なクラウドファンディングの活用にも疑問を述べている。

逆にリスクが大きいのは、外部から積極的に資金を調達しようとすることです。夢を抱くのはいいですが、まずは身の丈を考える必要がある。(中略)
「地元にはお金を出してくれる人がいない」と言って、すぐにクラウド・ファンディングに飛びつく人がいまずが、自分も、地元の人も誰も一線も出さないような取り組みに不特定多数から資金を集めてやるというのは、少し疑問なのです。

(p.149-150)

 これは私もそう思う。コワーキングスペースって人と人との繋がりを重視したいからクラウドファンディングのような資金調達が一見向いていそうだけど。私自身クラウド・ファンディングで支援してちゃんと支援したかいがあったなと思えたのは半分以下。だからそもそも、クラウド・ファンディングを見る目がかなり冷めてる。実績もなにもないしお金もないのでクラウド・ファンディングで調達しようと思います、なんて、貧乏人救済装置じゃないんだよと思う。

 

また、すごく共感したのは「まちづくりワークショップ」の話。

この手のワークショップでよくある風景はこんな感じです。いくつかのグループに分かれた人たちがテーブルを囲み、大量のカラー付箋を活用して意見を出しあい、それをまとめて結果をプレゼンします。他のグループは「素晴らしい」と絶賛します。もしくは「これはこうしたほうがいい」と修正提案をしたりします。さかんに意見が出て、盛り上がった勢いで飲みに生き、地域の未来について熱く語り合います。それは楽しいし、いいことです。しかし、それでおわりなのです。 後日、「あのプランはどうなりました?」と訪ねても、誰も覚えてすらいない。実現の可能性もゼロ。要するに関係者が自己満足しているだけで、誰も真剣にまちづくりのことなど考えていないのです。 (p.112)

これ、笑ってしまった。私も経験がある。付箋をぺたぺた。意見出した。楽しかった。なんかりっぱなことをみんなでやった感があった。でも「これやろう!」「これはいい!」って言ったやつ、どれか実現したっけ。ほんとこれ、ただのエンターテイメント。

 

結局、多くの人が偉そうに集まって、イベント連発して、もらえるお金は外部からもらって、誰も身を傷めず、自分ごとにしない。そういうのは誰も本気にならないし、事業がうまくいかない。

ノラヤの場合は、なにもかも自己資金だし、運営者は一人だし、使ったお金が無駄になるのは嫌だから、儲けたい。本書の後半は成功のための10の鉄則で、非常に参考になる。それぞれについて詳しく説明すると長くなるのでタイトルだけ。

  1. 小さく始めよ
  2. 補助金を当てにするな
  3. 「一蓮托生」のパートナーを見つけよう
  4. 「全員の合意」は必要ない
  5. 「先回り営業」で確実に回収
  6. 「利益率」にとことんこだわれ
  7. 「稼ぎ」を流出させるな
  8. 「撤退ライン」は最初に決めておけ
  9. 最初から専従者を雇うな
  10. 「お金」のルールは厳格に

まちづくりの鉄則だから3と5はちょっと違うかなという気もするけど、たとえば地方でまちづくりの役割も持たせたコワーキングスペースを作りたいとしたら、全部参考になるだろう。力のない第一世代のコワーキングスペースをやろうとしているなら、特に。ノラヤの場合は、小さく始めましたよ。補助金当てにしてませんよ。パートナーはいない。全員の合意どころか個人の独断でやってる。先回り営業はしなかった。利益率はとことんこだわってる。稼ぎは流出するほどないなぁ。撤退ラインは最近決めた。専従者なんてもちろんいない。余談だけどスタッフ最初から雇うコワーキングスペースって持たない。お金のルールは厳格です。

 

身の丈を知ること。 おそらくそういうことだろう。 成功しているコワーキングスペースの先輩達は補助金などは貰ってない、という。一人または少人数で事業を行って、つぶれたらアカンというヒリヒリした気分を味わいながら、どうやって収益をあげていくか考えてる。よそからのお金を当てにしないでやってきてよかったと思えるよう、ノラヤでも徹底して考えていこうと思う。

前半の「コストの削減をした」という例でゴミ収集の値段を下げたエピソードがあって、はっとして、今までこだわっていなかった消耗品コストを見直してみた。削れるところは削り、新しく何かを買う時は「それでいくら儲かるのか?集客になるのか?」を徹底していかなければ、と思った。

うつ病サポート体感ゲーム研修「ウツ会議」を体験してきました

3/6(日)、東京の日本橋にあるコワーキングスペースClipニホンバシで開催された、「ウツ会議」研修を受けてきました。とても貴重な経験で、学びの多い時間でした。

 

  そもそも「ウツ会議」とはなにかというと。こちらが「ウツ会議」のサイトです。

www.mtg.blue

  こちらにも書いてあるとおり、

ウツ会議はうつ病を理解し周辺サポートするための研修用カードゲーム

なのです。

カードゲーム単体での一般販売ではなくトレーニングを受けた講師による研修がセットになっています。すでにNHKで紹介されたり、雑誌に掲載されたりして、見聞きした方もいらっしゃることでしょう。  

今回の研修の主催者であり、ウツ会議を開発されたのは、広瀬眞之介さん。4年ほど前、広瀬さんがコワーキングスペース「ネコワーキング」を運営していた時に、私が話を聞きに行ってからのご縁です。(当時のレポートはこちら

  広瀬さんはご自身が長年うつ病でした。その経験からうつ病の人をサポートする方法を周囲の人が楽しく学べる手段が必要だと考え、臨床心理士など複数の専門家とチームを組み「ウツ会議」を開発したのです。

広瀬さんはこの「ウツ会議」のバージョンアップ版の作成と、多くの人を対象にした研修の機会を設けるためにクラウドファンディングで支援を募り、見事達成されました。 私もささやかながら支援させていただきました。

readyfor.jp

  私自身も、母親をはじめ周囲の人がうつ病であったりうつ病経験者だったりと、うつ病は比較的身近な病気でありながら、どう対処したらいいのかよくわかっていません。当人を目の前にすると腫れ物に触れるように当たり障りのないことだけ言ってしまいます。 なので、誰でも気軽にゲーム形式でうつ病について学べるというのは、とても素晴らしいと思ったのです。心理学専攻出身なのでメンタルヘルス関係を学ぶ事にも興味ありましたし。

 

この日の研修には、私のようなクラウドファンディング支援者、なんらかの形でメンタルヘルスに興味がある人、Clipニホンバシに出入りしていて広瀬さんの取り組みを知っている人、などが集まりました。

研修では、まず広瀬さんからのお話しから始まります。うつ病について正しく理解しているか?対処方法を知っているか?の問いかけに、「はい」と答える人はゼロです。

うつ病の人がどういう症状になってどういう状態をたどるのか、広瀬さんの経験を語っていただきました。かなり壮絶です。 周囲にサポートできる人が増えれば、より多くのうつ病の人が助かる。その重要さを認識したところで、まずは一回目のプレイです。  

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実はこの日はじめてニューバージョンの「ウツ会議」が、お披露目されました。

前のバージョンを私は詳細に見た事はないのですが、ウェブに掲載されている写真と比べると統一感のあるイラストになりましたね。  

ぱっと見……いくつか種類がありますが、なかなかきつい言葉が並んでいるカードもありますね。これをどうやって使うのでしょう。

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ではプレイ開始。4人1グループとなり、最初に役割カードを引いて、対象者(うつ病当人)、医者、上司、バーのマスターのいずれかになります。(5、6人の場合は、これにカウンセラー、人事が加わります)

 

これから「症状カード」を引いていって、所定の方法で積み上げていきます。これを「ストレスタワー」と言います。次に山札にあるカードを一枚引きますがこのカードが対処に当たります。これを使って症状カードを取り除いていきます。タワーに積まれた症状カードを全部取り除くことができたら、寛解、ゲームは勝ち。途中でタワーが崩れてしまったり、山札を使い切ってしまったら負けです。(個人で勝ち負けがあるわけでなく、そのグループ全体で勝つか負けるか、です)

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ゲームのスタートは、当人が最初に症状カードを引き、その状況をあらわず言葉が書いてあるのでそれを3回読みます。「一方的な励ましがしんどい」などの言葉を3回読まれてそれを聞くと、グループ全員がけっこうどんよりとします。

次の人が症状カードを引き、3回読んで、積み上げます。カードが崩れると負けなので、積み上げる時も慎重になります。そのあと山札から一枚引きます。これを使って症状に対処するのですが……

まず、症状ごとに使えるカードが違います。例えば症状カードが「自責」なら「自信をつけさせる」「心理療法」のカードが効きますが、引いた対処のカードが「見守る」だったら使えません。使えないカードは手元に置いておきます。

さらに、役割ごとに可能な対処方法があるのです。たとえば「薬物療法」は医者でなければ処方できません。医者以外の人が「薬物療法」を引いたら、使わず手元に置いておくしかありません。

また別の例では、「自信をつけさせる」は上司、カウンセラー、バーのマスターができます。が、それも得意な人とそうでない人がいます。これを表すのが役割の横に書かれている数の値です。カードを使って取り除く症状カードを決めたら、サイコロを振ります。出た数が自分の役割のところにある値より大きければそのカードを使って症状カードを取り除けます。上司は「自信をつけさせる」のが得意。なので2以上の目がでたら使えます。しかしバーのマスターなら、4以上の目が出ないと使えない。残念ながらサイコロの目が自分の役割の値より低ければ、カードは捨てます。

そして次の人へ進みます。

 

では、自分の役割で使えないので手元に置いてあったカードはどうするの?

実は山札には万能なカードが紛れ込んでいます。それは「カンファランス」。このカードを使うと、お互いの手札を一枚だけ他のに渡すことができ、全員1回ずつカードを使う機会が与えられます。バーのマスターの手元にあった「薬物療法」を医者に渡して使ってもらうことができます。(あ、もちろんサイコロを振って使える値が出れば)このカンファランスカードも手元において、タイミングを見計らって使う事もできます。

カンファランスをうまく使うと、効率的に症状を取り除くことができます。メンバーで「この症状が上にあるから、こっち使おうか?」「数字が2だから私がやったほうがいいですね」などと話し合ってカードをやりとりします。

そうやってゲームを進行し、うまくいけばストレスタワーに積まれた症状が全部なくなります。一回目、私たちのグループは見事寛解まで持って行けました。ばんざい。

このゲームをしていると自然と会話が出てきます。症状カードの言葉は深刻だけど、うまくカードを取り除くとみんなで喜んで笑顔になるし、サイコロの数字が少なくて対処できないと「あーっ」とみんなで残念がる。役割カードに合わせてなりきって、演技が入ったりもしました。とっても楽しいし、盛り上がります。

 

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一回目のゲームのあと、振り返りがありました。  

このカード、どうしてこうなっているの?
どうしてこの役割の人がこの対処ができるの?
逆にどうしてこの役割の人はできないの?
どうしたら、効率的にストレスタワーを取り除くことができる?

などなど。広瀬さんが参加者に問いかけて、それに答えていくやりとりを繰り返ししながら、理解を深めていきました。なるほど!と思うことばかり。

もしゲームをしないで、単なる座学として「こういう症状のときはこういう人がこういう対処を」と聞いていたとしたら。ここまで興味を持って聞けないし、腑に落ちることもないでしょう。

なるほど、と思ったところで二回目のゲームをしました。 しかし残念ながら今回は、手札が尽きてしまって負けとなりました。  

ゲームと広瀬さんのお話を通して感じたのは、うつ病当人が一人でできることはとても少ないということ。周囲の人のサポートが大事なんだと感じました。そして、サポートする人がたった一人でも、やっぱりできることは限られている。自分の不得手なことはできない。お医者さんの役割をバーのマスターはできない。そして得意なこともいつもうまくいくわけじゃない。

だから、周囲にサポートする人が多ければ多いほど、対処できる可能性は広がる。

そしてゲームで最強だった「カンファランス」カードが象徴するように、周囲の人たちも情報をやりとりすることができれば一番いいですよね。

 

研修の最後にはタブーなしの元うつ病患者への質問コーナーもありました。 広瀬さんは「うつ病への対処は、自分ができないことは適切に対応できる人に頼むこと。これが大事なことです」と、研修を締めくくりました。

 

このゲーム研修は、メンタルヘルスに関わる企業向けということですが、個人向けにはClipニホンバシで体験会を行っています。Facebookで案内しています。 https://www.facebook.com/depression.mtg/    

 

この「ウツ会議」、これまでは企業の人事、薬剤師の団体、医学部の学生さんを対象に研修を行ったそうです。自分でなんとかするとか、個人でなんとかするためではなく、チームとなってうつ病の人をサポートする必要性を実感し考えるためにこのゲーム研修があります。

あらゆる組織、企業、団体でメンタルヘルスに関する知識は必要になってきているのではないでしょうか。そしてその重要性は今後ますます増していくと思います。重苦しくなりがちな内容を楽しく学んで納得できる「ウツ会議」、ぜひ多くの方々に知っていただき、導入していただきたいと改めて思いました。

支援してよかったです。

池井戸潤にはまる

半沢直樹ってスーツ着たおっさんの話じゃん興味ない、と思っていたけど、ふと息子が「半沢直樹見たい」と言ったのをきっかけに、DVD借りてきて見て、原作も図書館で借りてきて見て、そしてすっかりはまってしまった。

以来、池井戸潤の本を次々借りてきては読んでいる。

 

オレたちバブル入行組 (文春文庫)

オレたちバブル入行組 (文春文庫)

 

 

オレたち花のバブル組 (文春文庫)

オレたち花のバブル組 (文春文庫)

 

  テレビになったのは、ここまで。これ以降も、ドラマ化されないかなぁ。

ロスジェネの逆襲 (文春文庫)

ロスジェネの逆襲 (文春文庫)

 

 

銀翼のイカロス

銀翼のイカロス

 

 

正直、ドラマを見たあとだと、原作がちょっと物足りない。奥さんが小うるさくて嫌な存在だし。各キャラクターの人柄を表すサイドストーリーがあるのはドラマならではだ。

あと、ドラマも原作もだけど、働く女性がほとんど出てこないのが残念。作者自身がそういう人に出会ったことがないのかなぁ。まるっきり男の世界ってかんじ。

だが、エンタテイメントとして読むにはそれがいい。かっこいいおっさんたちが絶対無理と思われるような逆境を乗り越えていく。素晴らしく気分が良くて、読み終わったあとすっきりする。なんだかんだ言って私は、がんばるサラリーマンが好きなのかもね。バリバリ前線で働けることに、かすかに憧れもあるのだろう。

半沢直樹シリーズのおかげで、新聞の経済欄をじっくり読むようになった。銀行からの融資というものが自分には無縁なので全然興味がなかったのが、なんとなく理解できた。シャープの買収や日銀のマイナス金利などタイムリーなニュースにも、興味を持つことができた。

一応株もいくつか持っててほとんど放置なんだけど、これじゃーいかんと思ってIR資料ダウンロードして読んだりした。

楽しく経済に興味を持つには、とてもいい小説だと思う。半沢直樹のおかげで息子も経済に興味を持ったらしい。

それと、主人公たちがしょっちゅう飲みに行っているので、飲みに行きたくなってつらい。しかもいろんなタイプのお店行ってるの。居酒屋、バー、ほんと羨ましい。

一緒に仕事する仲間、一緒に戦う仲間、秘密を打ち明けられる仲間。そういう仲間たちと相談したり作戦考えたり、心配されたり悩んだり、しながら飲んでいる。それが羨ましいなぁと思った。

自分は長いこと個人事業でやってきたので、ずっと一人で、ともに戦う仲間も、相談できる仲間もいない状態だ。心が折れそうになることもしばしば。

半沢直樹シリーズを読んだら、会社員時代のことをちょっとだけ思い出した。

自分が会社組織の人間だったのは10年にも満たない。組織の一員でいるのは上下関係も理不尽さも煩わしかったけど、一緒にプロジェクトを達成するチームの一員として仕事して感じた一体感は、今思うと貴重であったし、楽しかった。サラリーマンだからこそ、味わえた。

それがちょっと懐かしくなった。

 

ドラマ化されたばっかりの「下町ロケット」は古本屋で買った。

下町ロケット (小学館文庫)

下町ロケット (小学館文庫)

 

下町ロケットWOWOW版を見たいなぁ。殿村さんが私の好きな小市慢太郎さんだから。

 

 こちらは今読んでます。 

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)

 

 

「リモートチームでうまくいく」倉貫義人

 

 ちょっとだけAmazonからお小遣いが入ったので買いました。

 

著者の倉貫義人さんが経営する株式会社ソニックガーデンは、納品のない開発というスタイルで話題。それは前著の「納品をなくせばうまくいく」に詳しい。

 仙台でもセミナーしに来られて、その際ノラヤにも寄っていただいたのだった。

 

今回は「リモートチーム」。「リモートワーク」と違うの?「リモートワーク」といえば、ここ1年ほどお知り合いになった東北芸術工科大学の松村茂先生を中心としたグループが取り上げているテーマであり、地方在住の人間として非常に興味深いテーマである。地方でどうやって仕事していくかの選択肢の一つとしてリモートワーク(またはテレワーク)がある。クラウドソーシングもやたら注目されている。私は個人的にワークライフバランスには非常に興味があるから、いろいろな働き方の選択肢は知っておきたいのである。

で、この「リモートチームでうまくいく」は、率直に言ってとってもわくわくする本だった。

楽しそう!これいいわ!私もやりたい!

そんなことを能天気に思ってしまうぐらい。

 

そもそも、リモートワークとか、クラウドソーシングとか、私は誰でもできるわけじゃねーだろと思っていた。ものすごいスキルを持った猛者、たった1人でもさぼったりせず誘惑にも負けず完璧に仕事ができ、スキルアップも怠らず、ただならぬ実力者。孤高の仙人。そういう人が、たまっったま、地方に住んでいるだけ。もし東京に行ったら間違いなく多くの企業から声がかかる。そういう人でないと、ライバルがたくさんいるクラウドソーシングで受注なんてきないし、リモートワークなんてできるわけないでしょーと。もうね、敷居高杉。そう思っていた。

 

この本で書かれていた「リモートチーム」のメンバーは、そんな仙人か超人みたいなリモートワークする人のイメージを変えてくれた。

リモートワークをする場合の様々な問題点を、チームとツールで解決していくのである。

リモートワーク用のツールRemottyをオンラインにして、一緒に仕事している感を出す。「ユニクロの暖パンが」「育児が」なんていう雑談をむしろ推奨。短文や絵文字でさくさくコミュニケーション。必要な時はすぐにビデオ会議に切り替え。1人で仕事していても孤独感を感じることがない。

会社にいる人も基本リモートと同じ状況で仕事する。会議も流して聞くだけ参加もできる。メンバーは各自、自分のペースで仕事したり家事したり用事足したりするが、仕事中かどうかはすぐ把握できる。セルフマネジメントも身に付く。

twitter廃人の私は「なにこれ楽しそう!」と感激した。ネット越しにチャットしながら、チームに入っている感を感じながら、仕事できるなんてすごいじゃない。

倉貫さんは毎朝朝礼がわりに5分の社長ラジオを流し、みんな都合のいい時にそれ聞いてコメントをつける。終業時は全員が日記を書き(日報でなく日記なのがポイント)それもみんな見てコメントしてくれる。これ、モチベーション上がるなぁ。

このような仕組みで仕事している結果、リモートワークの方が社員どうしお互いに関心を持つようになり、情報共有への意識が高くなるというのもうなずける。私もリアルに会ってる人より、twitterFacebookでしょっちゅうやりとりしてる人のほうがなんだか良く知ってる気がするし。

仕事のやり方として参考になったのは「タスクばらし」。一つの作業を30分〜1時間で終わるタスクに分けるのだそうだ。自分はtoodledoでタスクの時間を「2h」に設定してしまうと気が重くなってやりたくなくなるというのがよくあるので、早速、真似したい。

それからリモート飲み会をよくやっているそうで、人数は4人までがいい、というのも参考になった。

基本には「みんな超人じゃないんだから、知恵を出し合って、支え合わないと」という考えがあるように思った。そしてリモートチームであるからこそ、うまく支え合えができているし、それで高め合って仕事の成果も上げていける体制のようだ。

孤独な自営業を10年もやっていると、そりゃ慣れるけど、最近「チーム」とか「仲間」が妙に懐かしい。大昔の、誰かと一緒に仕事してる感、良かったよなぁ。そんな私の心に響いた本でした。