仙台広瀬川ワイルド系ワーキングマザー社長

ビールと温泉と面白いものが好きな大学生男子の母。

柳美里「命」「魂」「生」「声」

奇妙なきっかけなんだけど、柳美里さんの本を読んでみようと思ったのは、昨年の岡村靖幸ちゃんの仙台ライブ。柳美里さんがお子さんとともに相馬にいらっしゃることはtwitterや新聞を通じて知っていた。そして仙台での靖幸ちゃんライブに、柳さんは相馬からいらっしゃっていたのだ。私は偶然コンビニでお見かけした。とても綺麗で素敵な方だと思った。

なんとなくお子さんを持つ経緯など書評などで見かけてはいたし映画化されていたのも何かでみかけてはいたのだけど、詳細には知らなかった。お見かけしてからなんとなく気になり、本を読んでみようと思ったのだ。

文庫版も出ているけど敢えてこちらを貼らせてもらった。だって親子の写真がすごくいいんだもの。

図書館で借りて読み始めると重くて、でも夢中で読んでしまって、次のを借りるまでちょっと期間を要する。そんなかんじでやっと4冊読み終えた。

柳さんが17歳のときから、かけがえのない関係を築き続けたのは、東京キッドブラザーズを率いる東由多加さん。東さんがガンに蝕まれ、そして死んで葬儀を終えるまで、と同時進行に柳さんは恋人に捨てられ子供を産み、育て、仕事をする。その日々の記録だ。
自分も一人息子を妊娠し産んでいるので、その時を思い出した。私は当時ただの主婦で何も考えてなかったけど産後の育児が辛くて仕方なくて、でも、もっともっと壮絶な運命を抱えて苦悩と重なりながらも妊娠出産産後を過ごした柳さんの日々が、綴られる苦しさが、本当に重かった。


柳さんと東さん、親子ほど年の離れた二人は恋人であったこともあり、友人でもあり、同居していた時もあり、喧嘩して別れてを繰り返し、でも離れなかった。作家としての柳美里さんを見出したのが東さんだった。多くの周囲の人の助けを借りつつ、柳さんは育児と看病と仕事を同時進行に行う。

人は死に向かうとこうなるんだ、ということがリアルに描かれていて、不謹慎かもしれないけど興味深かった。
書く言葉も喋る言葉も、文字化けしていくかのように不明瞭になって、かと思えば「セリフ飛ばしたッ」など部分的に明瞭になったり。
体の変化、動きの変化、思考の変化。
じわじわと体にガンが広がって行くにつれ、いろいろ機能がうしなわれていく。
ああ、こうなっていくんだなぁと、いろいろショックだけど、純粋に興味深かった。



柳さんと東さんはあらゆる治療法を試そうとする。無謀とも思えるその行為の数々は、もし何も知らない他人なら眉をひそめるだろう。だがこうして時系列を追って読むと、そういう代替療法にすがりつきたくなる心境が、真に迫ってきて、責められないなと思ってしまう。私が同じ立場ならやはり、ふらふらとすがりたくなるだろうか。なりたくないけど。

後半の2冊では、時折、ふたりで温泉宿に何ヶ月も滞在していたときの会話が挟まれる。死と戦っている日々の合間に、夢のように、ふっと。
幻と現実を行き来するかのように、安らぎと苦しさが交互にやって来る。生きるってこういうことなんだと思う。どうってことない日々も辛かった日々も、それが後から、まぶしい日々として蘇る。

東さんを見送り、
東由多加の声が聞きたい」
という柳さんの叫びで、この4部作は終わる。

東さんと柳さんの関係はなんだろうか。
親子よりも深く、恋人よりも夫婦よりも強く。
おそらく多くの一般人には、恐怖され嫌悪されるようなその関係は、私には福音と思えた。
ごくふつうの人が当たり前に目指し築くような、まっとうな家族とか夫婦とか親子とか、そういう綺麗などこに出しても恥ずかしくないような関係を、どうしても持てない人って、ある程度いるわけで。
叫び出したい寂しさの中、捻られるような苦悩の中、表面は平静をつくろって生きているわけで。
でも、そういう人たちにとって、こういう関係もあって、それはたとえ死で離れ離れになっても、脈々と自分の魂の中に生き続けるような、そういうことがある。
誰よりも、強く残っている。
そんな関係の存在を信じられることは、やっぱり救いだと、私は思う。


柳さんは今、相馬で新しいことをはじめようとしている。書店ができたら、私も行ってみたい。
今年もライブにいらっしゃるだろうか?岡村靖幸ちゃんの仙台公演まで、もうすぐ。

「孤独なバッタが群れるとき」

若手生物研究者の本、フィールドの生物学シリーズの一冊。このシリーズ、若手研究者が書いているからか、生物研究者が変わったひとばっかりなせいか、読んでて楽しいものが多い。
前野さんのことはクマムシ博士こと堀川大樹さんのブログで知った。ここの悟空のコスプレのイメージだけが残っていた。
そうしたらノラヤ蔵書(=弟の本)にこの本があった。弟に「なんで未読なんだ、読め。著者は秋田出身だぞ」と言われて読み始めたら面白くて面白くて止まらなくなった。

内容は前野さんの研究の軌跡、研究者人生の記録。研究のあいまにクラブ通いにはまり(しかも新木場のAgehaってけっこう名前聞くからすごいとこじゃないの)バッタではなく夜の蝶たちに翻弄されるとか、学会のツアーでインディアンと一人だけ民族衣装を来て踊ったとか、ユニークな人柄がエピソードや文面の端々から伝わってくる。
ユニークなひとだけど、研究に対する熱意は半端ではなく、「ウルド」のミドルネームをもらった経緯はちょっとじーんと来る。あと実はけっこうイケメンだと思う。

それからちょっとびっくりしたんだけど、カマキリの卵の高さが積雪の高さを予言しているっていう有名な研究ありますよね。え?別に有名じゃない?これ素人の人がちゃんと調べたっていうんで日高敏隆さんの「春の数え方」にも載っていた。しかしあれに疑問を持った研究者が調べて、間違いであると発表したのだそうだ。研究手法にもいろいろ問題があった。これは全然知らなかった。しかし前野さんも書いているとおり「カマキリの卵の高さで積雪がわかるなんてすごい!」っていうインパクトの強さで、そっちばかりいまだに信じられていて、それは実は間違いというプロの研究成果は全然拡散されていない。これはよろしくない。ので、ささやかながら当ブログに書いておく。
科学というものは、原因と結果がシンプルにわかるもんではない。ある現象の元がこれだ、と証明するためにはあらゆる影響要素をつぶしていかなければならない。前野さんも、名の知られた先行研究に疑問を持ち、検証を重ね、反論する。その手間たるや、たとえ文章では一行くらいでも、ものすごい労力なのだろう。
こういう男の汗が臭ってくるような「生の研究の実態」が書かれている本を読むと、「◎◎を飲んだら効きました!」「☓☓(症状)にはこれをやれば治る!」を数人の体験だけで主張するような、綺麗過ぎる連中がいかに信用できないかが、わかるよ。

真昼間にビール飲みながら花見そぞろ歩き、失敗に終わる

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昨日は前からやりたかった「真昼間にビール飲みながら花見そぞろ歩き」を決行、いまいちな結果に終わりました。

バイトのあと、ノラヤ発、青葉神社→子平町→八幡→河原、というコースを想定していた。

とにかく風が冷たくて寒くて、雨も時折ぱらつく天気。でも、他の日にはできないんだもの。やまやに行きビール、ファミマに行きチキン、パン屋さんバーニャでお惣菜パンを買い、桜のきれいな座れるところに、たどりつけるものと信じてあるいた。
真っぴるま、普通の住宅地をビールを飲みながら歩くのはさすがに恥ずかしい。
しかし、全然公園がない!青葉神社の公園を過ぎたらあのへん、寺ばっかりで全然座ってビール飲めるとこないんだよ。そして、綺麗な桜が咲いているのは民家の中か、お寺。
お寺……山沿いにあっておそらく眺めもよいけど……お寺でビール……
夜、こっそり来て、夜桜ビールが正しいかもしれない。バチ当たるかもね。

悔しくて我慢できなくて人気のない狭い道でビールに口付けたけど、なんだろ、こんなはずじゃなかった。風が吹くたび首すじから冷気が入り込む。
工事中の道路を通過するときはコンビニ袋にビールを隠した。

だってさあ、私はみなさんが寝ている頃に起きて、息子の弁当も作って、みなさんが寝ている間に出勤して、6時間働いたんですよ。ビール飲んだっていいじゃない。なのにこの後ろめたさは何。

もうあそこしかない!と、懐かしの女子寮裏の三条町へ。東北大学の敷地内なので桜も座る所も、あるよね?
と、思ったら、ここも綺麗に整備されて、なんもないです。
まあいいよね、と、座ったのは木の根っこ。ようやく見つけた、三分咲き桜を見上げ、震えつつ残りのビールを飲み、冷えたチキンをかじりパンを食べました。

ちょっとだけ火照った体で坂を下り、ちょっとだけ酔った頭であれこれ考えた。ここで、地域密着居酒屋のくちあけの客になれたら、最高ですねぇ。行きたい店はいっぱいあるんですよねぇ。そうしたい気分。それが正解。もし独身なら。
でも私には家庭があるわけで、帰って夕食作らなきゃいけないわけですね。

そう思ったら河原に行く気分でもなくなって、スーパーで買い物してうちに帰りました。酔いのせいか気が大きくなり余計なのも買ってしまった。アイスとか生ハムとか。
水曜日の午後は、バイトの後自由時間が3時間ほどできるが、たいてい他の用足しにつぶれる。
たまにはあえて、時間を取って、寝ている間から仕事している人の特権をちゃんと行使しよう。


花見ができるのはあと何日だろう。
今日も仙台は、天気はいいけど強風が吹き荒れている。

畑、お世話になりました

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今年の3月で、長いこと借りていた三本塚の畑を引き上げました。
一人で維持するのが大変になってしまったためです。残念です……
週一または週二、片道40分はちょっと厳しい。最初は遊び感覚で手伝ってくれ、穴に埋まって喜んでいた息子も、もう高校生。一切手伝ってくれません。それに車を持っていないんで、大きい荷物を運ぶ必要があるときは車を借りなきゃいけないし。
せっかく身についた野菜スキルがもう生かせないのは、正直、悲しい。
せめてもう少し近い所に貸し農園があれば……と思っているのですが、なかなか見つかりません。牛越橋そばの広瀬川河原には不法占拠の畑がいっぱいあるけど、お仲間になる気はさらさら、ない。
仙台にある貸し農園は一年単位が多く、冬越しの野菜が作れないのがつらいですね。秋から冬の野菜が一番おいしい気がするのに。


ここの畑で得たものは大きかったです。
津波をかぶった粘土質の土で、何年もかけて堆肥を入れ野菜を作り続けると、年々土の中の生き物が増えていくのがわかりました。土もふかふかしていいかんじになってきました。
ローテーションを考え、常に半年先を考えて(もちろん一年先を考えなきゃいけないこともある)いろいろ試し、本も読み、そして雑草と闘い、徐々に野菜づくりスキルを向上させていきました。長いスパンで学ばなきゃいけないものって、普段そんなにないんですよねぇ。失敗するとすぐやりなおせない野菜づくり。慣れている野菜でも今年はダメとか。芽が出なくて失敗したことも、何度も。天候に翻弄されたことも。思うようにならないことってあるんだなと思いました。そして思うようにならなくてもまあいいかという気分にだんだんなっていきました。


畑のある場所は海が近く、周囲は田または畑で(津波をかぶったものの今は復活してます)眺めが良く、夏は涼しくて、農作業しにいくのがとても楽しみでした。居ると気持ちのいい場所なんです。夕暮れが空いっぱい広がるのを見るのも、好きでした。


そうそう、ReRootsスタッフの皆さんにもお世話になりました。ReRootsの学生さんたち&OBの皆さんは本当にいい人ばっかです。体使って太陽浴びて土に触れている人たちは、根性が座ってます。息子がまだ小学生の頃触れ合った、かっこいいおにいちゃんおねえちゃんの記憶、ずっと残っているといいなぁ。三年後大学生になったらReRoots入ればいいのに。

ところでこれまで畑で作った作物。

……他にもあったかな。
やっぱニンジンがいちばん得意です。でかくておいしいニンジンに育ってくれました、毎年。他の野菜も、びっくりするくらいおいしいものもあり(らっかせい、えだまめ、春菊)、失敗したものもあり。美味しくて楽しい日々を過ごしました。

畑とお別れは悲しいけど、これからは週末が空きます。
ノラヤでがんばってイベントしたり、いろんなところに学びにいったりしたいものです。SNSのおかげでReRootsスタッフのみなさんともつながってますし。皆さんお世話になりました。

勉強会の開き方 in 仙台

「◯◯の勉強会ってないですか」
「誰か、◯◯について勉強したい人いませんかねぇ」
「◯◯について教えたいんですよ」

コワーキングスペースを運営していると、しばしば、こういう質問を受けます。
「勉強会をやってみたいけど、勉強会に出たことがないしどういうものかもわからないので、よくわからない」という方が、ぽつぽつと、いますね。



かつて勉強会を主催するひとたちは、「二人集まれば勉強会」と言っていました。(三人バージョンもあり)東北でも2007年ごろから勉強会黎明期がありました。当時山のようにあった勉強会はどんどんすたれていきました。そして、当時を知らない若い人たちがまた「勉強会したいけどやり方わからない」と言っているのです。


勉強会黎明期とSNSが発展した今とは、やり方が違うし、東京と仙台もまた違うので、現時点での仙台での勉強会の開き方をまとめてみたいと思い、このエントリを書くことにしました。
今は、思った以上に格段に勉強会開きやすいと思います。勉強会黎明期に困った場所の問題もないし、告知募集手段も昔はせいぜい掲示板やメーリングリストだったのが、今やSNSやイベント告知サイトで勝手に拡散されます、すばらしい世の中なので、みなさん勉強会やりましょう。
で、コワーキングスペースを使うとなにかと素敵なのでその理由は後で書きます。

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3ヶ月で体重5kg減らして体脂肪率6%落とした自分にご褒美の週末

ダイエットネタばかりですまん。
私、貧乏人のくせに今日は豪遊したのでございます。

まず、いきつけの高級ヘアサロンにてカット。ウエストきゅっと締まったスカートを履いていったら褒められたので、「実はカロリー制限とランニングで痩せたんです」という話をしたらすっごい美容師さんに褒めらた。むふふ、いい気分。
昼食は元ダイエーのイオンへ。食品売り場でしゅうまいでも買おうと思ったら小さいわりに高カロリー。にしんの塩焼きがうまそうなんで買い、フードコートでタピオカドリンク買って、持参したキャベツせんぎりと切り干し大根、とともに食べる。

次に藤崎の高級ランジェリーショップへ。手持ちの下着がみんなよれよれなのと、痩せてサイズが変わったので、二度と太らないよう思い切っていいのを買うことにした。理想的な素敵なのがみつかり、購入。うふふふふ、銭湯の鏡でこれ見たら自分でうっとりしそう。ああ、銭湯行きたい。今度銭湯ランだな。
サイズデータを記入したカードを渡されるが、ウエストのサイズに信じられない値があった。夢のようだ。私も普通の女性の腹回りになったんだ。嬉しくて仕方がない。

そのあとツルハでビタミンCと愛用おやつ玄米ブランが激安だったので購入。

タリーズでコーヒー。隣の席が婚活パーティー帰りの女性バツイチ二人組。ろくな男がいないトークしてて、あーってかんじ。一生婚活してろ。

仙台駅に行ってSuicaチャージ。寄った「みやぎ食材王国」にぎばさが売っていたので大喜びして買う。バスで帰宅。

夜は息子のリクエストに答えて揚げ物。ちょっとだけ食べた。今日はランニングおやすみ。明日からまたがんばろう。

幸せな日であった。
街中に行くと、ショーウィンドウに自分が映る。いつもより上を向いて歩く。痩せても人は気付かないし、太ってても人は気付かない。結局、データと、自分の評価。

二週間に一度、夢グルメ

ダイエット、開始から164日なので経過報告です。
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1/25は節目の日。無事目標体重になったので、その日は我慢していたものを食べまくりました。ふははははは!

自作お好み焼き。キムチとチーズのせ。マヨネーズもかけまくり。
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