仙台広瀬川ワイルド系ワーキングマザー社長

ビールと温泉と面白いものが好きな大学生男子の母。

「未来職安」柞刈湯葉

 ポッドキャストの「いんよう!」で紹介されていて柞刈湯葉さんの本を読みたくなった。お正月帰省の前に書店で買ってみた。

未来職安

未来職安

 

 なお柞刈湯葉さんは本業が研究者。たまにRTで回ってくる。

twitter.com

未来の職安のお話だ。(そのまんま。)

未来は働かなければならない人がほとんどいない。ほとんどの人が「消費者」となって支給される生活基本金で暮らしている。ほんの2%の人が「生産者」となり、仕事をしている。世界はいろいろと自動化・機械化され人の代わりにAIが考えロボットが働いてくれるからだ。現金もほとんど使われない。いい世界だ。そんな未来になって欲しい。

そんな状態でもなぜか「働きたい」という人が、ごくたまにいる。学生の時から優秀でその才能を世のため人のために活かすべく当然のように生産者になった人。そして優秀でもないけど事情により生産者になりたい人。後者のふわふわした人が、舞台となる職安にやってくる。所長(レアな、生猫)と経営者の大塚さん、主人公の目黒の3人(?)のもとにやってくる依頼人をはじめさまざまな人が繰り広げる騒動。騒動は起きるけれど、妙にのんびりした空気感とともに平和に日々が進む。

なんでもネットで情報が手に入るのは今と同じ。消費者と生産者の生活格差は存在してて、消費者の行かないいい店の写真をシェアしていいものかどうか悩んだり、生産者なのに消費者クラスの服を選んで波風が立たないようにしたり。こまごましたエピソードが妙にリアル。

働いてもお金が稼げず、家族を持つのがしんどい今の世界と逆に、「消費者」として生きるのに家族を持つと都合がよくなるようにできているのも、面白い。

未来職安の生産者たちは、全然働いている感がない。必死感も使命感もない。職安の人間2人はいつも暇を持て余している。唯一目黒の友人のフユちゃんがITの仕事をしているが、激務というわけでもなさそう。どうやら未来では働きすぎて死ぬとか精神を病むということは存在しないのだ。今ではごくごく限られた優秀な人だけが勝ち取れる、精神と生活の両方の安定。それが未来では生きているだけで得られる。ん?ちょっとまって本来はそうであるべきではないのか…。

早く消費者だらけの世界が来て欲しい。働かずに暮らしたい。働きたくない。……誰にも必要とされなくても、誰にも認められなくても、世界にひとつだけの花じゃなくありふれた草でも砂みたいな存在でも、生きていける世界が来て欲しい。

ということを、風呂やトイレでこの本を読みながら思う。

 

実家でこの本を読んでいたら弟が「その人の横浜駅SFがおもしろいぞ」と言ってた。こちらのほうが有名らしい。読まなければ。

横浜駅SF (カドカワBOOKS)

横浜駅SF (カドカワBOOKS)

 

この「横浜駅SF」は未読なのだけど、柞刈湯葉さんは椎名誠の「アド・バード」に影響を受けて「横浜駅SF」を書いたそうなので、手元にあった(というか弟の本がノラヤにある)アド・バードを先に読んだらすげー面白かった。 

アド・バード (集英社文庫)

アド・バード (集英社文庫)

 

 

「どもる体」伊藤亜紗

どもる、吃音、という現象になんとなく興味があって図書館で借りて読んだ。この本についてはtwitterかなにかに流れていて知ってた。先日、ふと町中でこの本を持っていた人をみかけて(メガネをかけた若い研究者っぽい男性でした、ええ)、「あ」とピンときて図書館で予約してみた次第。

どもる体 (シリーズ ケアをひらく)

どもる体 (シリーズ ケアをひらく)

 

「どもる原因はなにか」「どうすればどもらなくなるのか」といった内容だと思っていたら、まったく違った。

どもるという現象そのものに、たくさんの当事者へのインタビューを通して、丹念に迫った内容だ。

自分と吃音は無関係だと思っていたけど意外と思い当たることがたくさんあり、「しゃべる」行為を考えることになった。

 

どもる現象の種類にも「連発」「難発」「言い換え」の主に3種類がある。
それぞれの現象の発生のしかたが違い、「言い換え」など傍から見たらまったくどもっていないようになるテクニックを無意識に使うようになると「どもり」の自覚がなくなるし、他人にも気づかれなくなる。

そして、どもりの発生しやすい条件が、人によってまったく違う。端に音(た行とか、「かんだ」「かただ」という組み合わせ)が理由だったり、シチュエーションだったり。

そして、驚いたのが、どもらない状況になる話。

リズムにあわせるとどもらない。俳優で、セリフを言って演じている時はまったくどもらない。朗読も。詩を読むとどもらない。そしてある人はプレゼンでどもりがひどくなるけど、また別な人はプレゼンの場合はどもらない……

そして、そうやってスラスラ普通に話せている状況は、決して本人にとって心地がよくないのだそうだ。本音がぱっと出ているのが「連発」でどもっている状態。演じたり、リズムに乗ったりすると、本音ではなくそれは演技であり、工夫を重ねてなんとか言えている状態で、体が乗っ取られているように感じることもあるという。自分が自分でないという。(そう感じない人もいる)

そういえば、知人の吃音がある人は、英語が流暢だった。脳内で英語に翻訳するという作業を通じていたからなのだろう。

すらすら言えると「どもりが治った」ように見られるけど、本人はどもらない工夫を常に強いられて、自分が自分じゃない状態になってしまう。それで、どもらない工夫をして吃音を周囲にも気づかれなかった人が、どもる自分を取り戻すというエピソードもあった。正直驚いた。どもってるのってつらそうだなと思ったし、流暢に喋れるのをみんな目指していて、そうなれたらハッピーなのかと思ったけど、そうじゃないんだあ。へぇー、と思った。

私もろくにしゃべれない人間で、人前で緊張せずに堂々と話せたら、というのは何十年も思っていることだけど(もちろんそれは小学校から社会人までずっと「声が小さい!」「きこえませーん」といつも言われていたからだ)そのスラスラ言える世界は思いのほか、居心地は良くないのだろうか。そういえば自分でうまくコントロールできなかったイベントが評判良かったりしても全然うれしくないので、それに似てるかもしれない。

 改めて、しゃべるって高度なことなんだな、と思った。こんな高度なことなんだから、うまくしゃべれない人がいたって当たり前じゃないか。

 

私がこの本を実家で読んでいたら、母が表紙を見て、近所の吃音の人の噂話をはじめた。

「吃音の人って、どもれる時は辛くないっていう感覚もあるらしいよ」

と言うと

「そんなことないでしょう!いかにも、顔を歪めて、苦しそうに、してるじゃない」

というので

「この本によれば、そうとは限らないらしいよ」

と言うと、母は言った。

「でも、そういうの、見ているこっちが辛くなるじゃない」

なるほど。そういうことか。

吃音にしろ、私の声が小さくて喋れない件にしろ、他の人が不快だから、不便だから、なんとかしろ、というあくまで他者からの視点で指摘されるだけなのだ。そしてときおり、「かわいそう」というレッテルを貼られて。

 

そういえば前述の英語が得意な知人とは長い間一緒にいたので彼の吃音が当たり前に感じるようになり、打ち合わせで会った人に「あの人の喋り方(笑)」とこっそり言われて、むかっときた。別に彼はそういう人なだけだ、と思うようになっていた。

喋り方でもなんでも、いろんな人と一緒にいる経験は大事なんだよな。

 

おかあさん一人でカーシェアで

体がすごく疲れてしまった。どうしても温泉に行きたくなった。

この季節にバイクで温泉に行くと、帰る時には凍えてしまう。おそらく帰宅する頃は行く前より冷えきっている。行くんだったら車を借りていこう。でもそうするとカーシェアのお金がかかる。だったら温泉じゃなくて銭湯に行けばいいんじゃないのか。でも銭湯も結局バスや自転車使っても15分くらいかかって、冷えてしまうんだよね。

行くんだったら風呂がいっぱいあってゆっくりできて、マッサージ椅子がある場所に行きたい。うむ。やっぱ車を借りてちょっと大きめのところに行こう。レンタカー代を考えると1人でいくのは申し訳ない。そこで息子に声をかけた。

「温泉行かない?」

あいまいな返事が帰って来た。だいたい息子は家にいるとゲームをしているのだ。

しばらくして再度声をかけると、自分は勉強するから行かない、という。勉強するからってさっきまであんなにゲームしてたのに? すると

「俺は温泉行きたくないんだよ!!」

と、切れた。

あーそうですか、なんだよ、じゃぁ私一人で行くわ。私は1人でカーシェアを予約して、ベガロポリスの「やまびこの湯」に行った。

 

日曜日の午後。1人のレジャーは、お母さん業を長年やっていると、どうしても後ろめたい気持ちがある。

だから同意してくれなかった(口実になってくれなかった)息子に腹立たしかったし、1人で楽しむのが申し訳ないと思った。
なぜだろう。なぜ申し訳ないと思うのだろう。 

まぁお風呂は大変気持ちよく、マッサージ椅子も2回堪能し、うたたねどころで寝たりもした。ただ、私は車の運転にいまだに自信がなく、夜に恐怖の青葉山を越える最短距離を選んだので、めちゃくちゃ不安だった。

幸い、八木山橋や青葉橋から落下することもなく、帰宅できた。

 

この日の日帰り温泉は、

  • やまびこの湯 750
  • ソフトクリーム 350
  • マッサージ椅子 400
  • カーシェア 1648

合計、3,148円。

3,148円のレジャー。

ああ、こんなにお金を使ってしまった。申し訳ない。

 

しかし後になって考えると、この値段って一回飲みに行くのとあまりかわらないじゃん。なくなるお金は同じなのに、この気分の違いはなんだ?

飲みに行くのは、息子を伴えないから堂々と1人で行って楽しめるのに、息子を伴える場所に1人で行くのは後ろめたい。そういうことだろうか。

 

あと、自分が養われている存在なので、他人の稼いだ金で楽しんでいるのがうしろめたいというのもあるかも。

首に鎖がついている気分はどうしてもとれない。自分でちゃんと稼いでいたら、自分の稼いだ分だ、楽しむ資格あるだろう?って言えるのにねぇ。

 

しかし、と思い直す。

そういえば1人でレンタカー借りてキャンプ行ったりするのも1人でバイクに乗ってキャンプに行くのも後ろめたくない。1人で東京に2泊ぐらいするのもうしろめたくないし、なんだろうな、後ろめたさの基準が不明だ。

「それは家族と一緒でもいいんじゃないか」

という要素が含まれていたら、うしろめたいのか。

 

よくわからない。

よくわからないが、もっと自分1人で楽しめるよう認知のしかたを変えていきたいと思った。

11月から2月に読んだ本

 いっぱい本を読んで、レビュー書きたいんだけど書く時間がない。まとめ。

地元がヤバい…と思ったら読む 凡人のための地域再生入門

地元がヤバい…と思ったら読む 凡人のための地域再生入門

 

「ノラヤ」をたたむに至った私をちくちくと刺す本だった。 

仙台市の創業支援の方々はこれを読んでいるのだろうか。

 

薬物依存症 (ちくま新書)

薬物依存症 (ちくま新書)

 

薬物依存に対するイメージががらりと変わる。罪をひたすら責めて追い込んで気がすむという現在の状況はよろしくないよね。 

 

面白かった。知らなかったことがたくさん。

 

世界史を大きく動かした植物

世界史を大きく動かした植物

 

面白かった。 

 

未来職安

未来職安

 

私にしては珍しく買った本。

monyakata.hatenadiary.jp

 

わたしのウチには、なんにもない。 「物を捨てたい病」を発症し、今現在に至ります

わたしのウチには、なんにもない。 「物を捨てたい病」を発症し、今現在に至ります

 

 くそつまんなかった。この著者で何冊も本が出て信者もいてドラマ化もされたなんて信じられん。だってこの人、捨てることの根拠が「自分がいらない」だけ、なんだもんな。

その勢いで家族のものも片付けてしまうので、正直不快感しか残らなかった。
仙台の人だそうだが、そこそこ中心地にそこそこ大きい家を持っていて、震災で壊れたので新築してというあたり、あまりお金に困ったことがない人とみた。進路に対する親の寛大な感じも、貧乏人にはありえない余裕を感じる。お金がふつうにあって、好きなものが買えるからこそ、ものを捨てるのに抵抗がないし、自分が苦労して稼いだお金でものを買ったらそれは捨てがたいという気持ちもないんだろう。

 

すべてがFになる (講談社文庫)

すべてがFになる (講談社文庫)

 

くっそおもしろかった!!

 

重力アルケミック (星海社FICTIONS)

重力アルケミック (星海社FICTIONS)

 

 さくっと読めて気分がいい本だった。出て来る人がみんないい人だ。あー大学生ってこういうことやらかすよねぇ、大学ってこういうことあるあるだよねぇ、うんうん。文系の私もわかる世界。

理系の大学院生がみんなこんなに羽ばたける未来あれと思う。爽やかな青春小説。表紙のように、風が通っていった感。

 

鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。

鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。

 

帰省中に散歩していたらブックオフがあって、新春セールをしていたので買った。

ちりばめられたネタをすべて拾える人はいるんだろうか?いるとしたら私と同じおっさん世代だろう。

すごく面白かった。知らない鳥類学者の研究に触れることができたし、なにより文章が楽しい。くっそ楽しい。

 

火口のふたり

火口のふたり

 

 つまんなかった。映画化するというから借りてみたんだけど。表紙がエロい。多少のことでは動じない私もこれは息子の目が届かないようにしてしまった。

 

アド・バード (集英社文庫)

アド・バード (集英社文庫)

 

面白かったー!

柞刈湯葉さんつながりで読んだ。これ、今じゃん。まんま。

ネットの世界じゃないかー。 蛇口を開いて水を流すように我々はブラウザの広告に流されている。

 

どもる体 (シリーズ ケアをひらく)

どもる体 (シリーズ ケアをひらく)

 

面白かったのでレビュー書きました。

monyakata.hatenadiary.jp

 

気がむいたら個別にレビュー書きたいです。

化粧をしなくなってしまった

私は中年女性ですので、人前では化粧をしなければならないらしいです。

でも最近、ノラヤ出勤時に化粧をやめてしまった。

 

正直、徒労感があるのですよ。

メイクするのも落とすのも、めんどくさい、そのために睡眠時間が削られる、食べると落ちる、こすると落ちる、なにもしなくても落ちる、手も汚れる。あんな面倒な思いをして、なんか得られるものがあるのかなぁと。

 

メイクしてきれいになったら、嬉しいでしょ?

鏡の中の自分に見とれて、心がウキウキして、前向きになって、笑顔になって素敵な自分になれちゃう♪

 

……うーん。

そう、思い込もうとして数十年。

どうしても、心理的効果より、めんどくさいほうが大きい。

おそらく綺麗になりたい、綺麗になると嬉しいという気持ちが普通の女性に比べて極端に低いのだと思います。メイクだけでなく、スカートも履きたくないし、ヒールも履きたくない。

 

もともと、休日は化粧していなかったです。

コンビニ行くときもスーパー行くときも銀行行く時も化粧しないです。

 

うちの母なんかは、昔から

「みっともない」「しないのは恥」「失礼」

って言うんですけど。

そういうネガティブな理由で仕方なくするもんなんですかね。

女性が素顔で外に出ていたら「失礼だ!」「迷惑だ!」「損害を与えた!」って指さされて非難され裁判を起こされるとでもいうんだろうか。

男性はなにもしてなくても失礼にならないのに。

 

バイトに行くときは化粧します。まぁしなきゃいけないようだし。

飲みに行くときや、まちなかに買い物行くときは、化粧するしスカートも履きますよ。

でも、そういうときってモードチェンジ、加工を施した自分になっている。

化粧して自分の顔がちょっと変わるのは確かに、楽しいです。シミとか薄くなるしキメが細かく見えます。でもその楽しさって「メイクして綺麗になって嬉しい」というより、加工で変化するのが面白い実験的な楽しさ。別に毎日しなくてもいいよめんどくさいし、と思う。

 

そりゃー若い頃は、化粧したりオシャレしたりすると褒めてもらったりかわいいと言われたりして嬉しかったけど、もうそういう見返りもない。

30代の半ばぐらいだろうか。何年も前から知り合いで、何度も会っているとある男性と、たまたまちょっと濃い口紅を塗っている時に会って、こう言われた。

「あれー。sato_kawaさんが化粧しているの初めて見た」

驚いた。その人に会うときはそれまでも100%化粧していたのに。

男性の女性のメイクに対する認識ってそんなもんなのだろうか。

違う。その方の周囲にはたくさんの美しい人たちがいた。とほほ。私のような地味な女が化粧したところで、化粧していると認識されないということだ。めんどくさい思いをして化粧するのが、ばからしくなった。

顔面偏差値が30から40になるくらい?劣等生が「勉強したって無駄だ」と言う気分が、よくわかった。

たとえ他人から美しく見られてなくても、化粧して気分が上がって自己肯定感が得られるなら価値はあるだろう。

でも、私はそんなんでもないかな。

化粧品、金もかかるしさー。

 

だったらいつだって汗だくになれて、いつだって温泉に行けて顔が洗えるほうがいい。顔がかゆけりゃ掻いて、ラーメンも骨付き肉もかぶりつける。

あー、そうそう。バイク乗りだから、ファンデーションでヘルメットの内側やゴーグルが汚れるんだよ!!

化粧した顔を鏡で見るより、銭湯で風呂上がりに全身見るほうが自己肯定感があがりますね。

 

あ、それから、夏は紫外線を防ぐために顔も体も塗ります。これもめんどくさいけど、紫外線による人体への影響は明らかなので、しかたない。

copytrackでブログの画像を無断利用していたサイトに利用料を徴収できた話

copytrack、ご存知でしょうか。

www.copytrack.com

 

このたびちょっと困ったことが起きたため、このサービスを利用しました。その体験談を少しご紹介しようと思います。

とあるサイトで無断利用を発見

いろいろ経緯はしょりますけと……ある日エゴサーチしてたら、私のブログの画像が無断使用されているサイトを見つけました。他にも問題はあったんで、その点とともに抗議することにしました。問題のサイトの魚拓をとり、問い合わせフォームから問い合わせ文を送りました。

以前、ノラヤのチラシのデザインをパクられるという事件がありまして、こういう問い合わせを出すのは2回目となります。その時にこの手のメールの書き方を多くの方に教えてもらったので、その記録を掘り起こし、書きました。何月何日まで回答してください、と期限も入れて。

期限が来ましたがいっこうに返事は来ません。どうやら、無視されてしまったようです。

copytrackを利用してみることに

次の段階は、内容証明郵便でしょう。

でも、ここで、copytrackを利用してみることにしました。

copytrackを利用するにあたって、一番参考になるのはこちらのオオスキトモコさんのnoteです。

note.mu

この記事がなければ、私は利用に踏み切ることができなかったと思います。本当にありがたい!

なにより安心感が得られたのが、日本語での問い合わせにも対応してくれるという情報でした。

copytrackはちゃんと日本語化されているし、日本人スタッフもいます。問い合わせ用のチャットもあります。私もちょっと不安に思ったことがあったので、質問してみました。丁寧な返事をいただきました。

画像登録、ヒット

まずは画像を登録します。

左のメニューから「コレクション」を選び、必要に応じてフォルダを作って、そこに自分の調べて欲しい画像をアップします。タグ付けもできます。このとき、600×600より小さいと、受け付けてもらえません。

登録して、待ちました。

1日1回くらいcopytrackのdashboadを確認しました。

するとすぐに、例の無断使用のサイトがヒットしました。この段階では、まだなにも手続きは進みません。自分が運営している別サイトの可能性もありますからね。

でも、もう見込み金額まで出ています。見込み金額が出ると、なんかこう、まえのめりになりますね……

ユーロの送金を受け取れる外貨口座が必要

よし、copytrackさん、お願いします!という前に。

copytrackはドイツの会社です。copytrackが徴収した利用料は、手数料を引かれたあとユーロで支払われるのです。だからユーロで送金を受け付けることができる銀行口座が必要です。

そこで口座のある住信SBIで外貨口座を開設することにしました。 前述のオオスキトモコさんは新生銀行の例でしたね。私は新生銀行の口座がなかったので。

あとで考えるともっといろんな銀行を調べればよかったのですがこの時は早くお金が欲しくて焦ってたw

contents.netbk.co.jp

じっくり読んで、いろいろ調べたんですが、外貨をとりあえず買わないと口座が開設できないようです。そこで500円分だけユーロを買い付けしました。

翌日、無事外貨口座が開設されたのを確認。

銀行の情報を登録

支払先の情報その他を登録します。

copytrackの左側のメニュー「管理」から「お支払い先住所」を選んで、情報を入れます。

「担当者名」は英語じゃないとダメですが、住所は日本語でok。

そしてちょっと不安になってくるのが、下の方の「銀行口座情報」。

"第三者中継銀行を介してのお振込には対応しておりません"などの注意書きがあって、本当に大丈夫かな?と心配になりましたが、住信SBIは大丈夫だったようです。

口座名義はローマ字。swiftコードや銀行名などは、住信SBIの場合書き方がこちらにあるのでその通り(というかコピペして)入れます。

contents.netbk.co.jp

口座番号の入れ方がちょっとわかりづらいです。「住信SBIネット銀行のお受取人さまの支店番号・口座番号」とあるのですが、単に、支店番号口座番号を繋げた数字の文字列を入れればOKでした。

ちなみにこの情報は、ケース提出時に入力もできます。(というか私はそうやった)

ケースを提出

「ヒット」のリストから、無断利用している項目の「ケースを提出」のボタンをクリックして、いくつかの項目を入力していきます。このあたり迷うのですが、よく読み、またオオスキトモコさんのサイトを見ながら、入力していきます。

最後のボタンを押すのに、だいぶためらいましたが(というか、実は2日くらい迷った…やめといたほうがいいのか、おおごとになったらどうしよう、刺されたらどうしよう、とか)、おもいきって押しました。

進行状況

提出されたケースは左メニューの「ケース」に入り、進行状況を確認することができます。わかりにくいですが、ケースのリストの右端の「目」のマークをクリックすると、詳細を確認できる画面が出て来ます。その画面の右上のドロップダウンリストで「通知をオン」にすると、状況が変わった時メールで教えてくれます。

状況が「新規」から「レビュー」に変わり、多分このあとはしばらく時間がかかるな…数ヶ月かな…と思っていました。

獲得

数日後アクセスしたら状況が変わり「獲得」になっていました!詳細がメールでPDFで送られてきました。

ケース提出してから3日後に、相手にライセンス提案が行われ、その日のうちに承諾され、さらに3日後に支払いが行われ、翌日に私への送金処理が行われました。なんと7日で…このスピードには驚きました。

相手の対応も早かったんですね。問い合わせフォームは無視されたのに。

受け取り口座側の処理

ところが、今度は送金を受け取る銀行側で手続きが必要となります。

要は、この送金はあやしくないよ、というのを銀行に伝えなければいけないのです。住信SBIからメッセージで手続きの指示が来ました。テンプレートの通り、日本語で書いて送ればOKです。それが確認されたあとで、ようやくユーロが入金されます。

外貨送金手数料……

しかし、ここで外貨送金手数料というものがかかってしまうんですね。住信SBIの場合、1万円以上は無料ですが、少額の場合は25.00ユーロかかっていました。

copytrack社の手数料、外貨送金手数料とで、支払ってもらった額からだいたい半分くらいになってしまいました。

さらにこれを円にするとまた為替コストがかかるのです。なので……まだユーロのままです。

おわりに

copytrackの事例は、イラストレータさんや写真家の方など、その画像でお仕事をしている方が多かったので、ただの一般人のブログの画像でもお願いしていいのかなぁ、無謀じゃないかなあ、とためらいがありました。でも、こうして利用料を徴収できました。

名もない一般人であっても、そのブログの内容は立派な著作物です。勝手に使っていいわけがありません。利用料は少額でも、その会社が無断利用を認めたというところに意義があったと思います。

みなさん、copytrack使いましょう!

 

灯油がない!

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灯油でちょっと……どたばた騒動があった。恥ずかしいけど反省と今後のために書いておく。

 

我が家の暖房は石油ストーブだ。2台稼働している。息子の部屋に1台、居間(6畳×二間のふすまを開け放している、居間と食卓と私の寝室を兼用)に1台。

灯油は生協に週一で配達してもらっている。ところが年末年始で配達スケジュールが少し変わり、一週間飛ばすことになってしまった。それでも、年末最後の配達で満タンにしていたので持つと思っていたのだ。

正月、私は実家に帰省し、自宅には息子と夫が二人。夫と息子はインドア派で、室内で過ごす時間が長い。灯油の消費は予想より多かった。

月曜日、ついに最後の灯油タンクが残りわずかになった。配達は木曜日の朝。これは、間に合わないかもしれない。

 

うちには車がない。自転車で重い灯油を運べる自信がないし、配達を別の業者に電話して頼むのもめんどくさい。

そうだノラヤの灯油を借りよう、と思った。

月曜日、ノラヤの営業が終わったあと、ノラヤの灯油を一部空きタンクに入れ、運ぶことにした。1/3だけ入れて、蓋をきっちりしめ、ビニール袋で包んでバイクのうしろにくくりつけた。なんとか運べそうだった。

しかし、途中で買い物のために生協に寄って驚いた。灯油が漏れている。なんてこった!

慌てて袋を外し、持っていたタオルで拭きまくった。危ない。もうすこし時間が経っていたら、バイクに灯油が垂れて、どうなっていたかわからない。

どうしよう。ここから歩いて灯油を運ぶ?いや、もう近くだし、また乗せて運んでみよう。

生協でゴミ袋も買って、栓を力いっぱい締めた。ゴミ袋で全体を包み、またバイクの後ろにくくりつける。

やっと自宅に着いた。今度は漏れてなかった。ほっとして玄関先に灯油タンクを置くと、息子が「灯油くせえ」と言った。

ストーブ2台に給油し、ちょっと余った。

あとはこれでしのごう。多分あと2日持つ、もう休みは終わりだから家にいる時間も少ないし。

 

火曜日。

いつものように朝バイトに行く。息子は私が出勤してから起きてごはんを食べて学校へ行ったはずだ。

14時ごろ、バイトから帰宅すると、家が暖かい。ぎょっとした。まさか。

なんと、二間続きの部屋で、ストーブがつけっぱなしではないか。

このストーブは上に鍋が置ける電気を使わないタイプなので、3時間タイマーなどついていないのだ。

誰もいない部屋で、5時間も燃え盛っていたストーブ。

「なんてことしてくれたんだ………」

速攻でストーブを消し、うなだれた。灯油がだいぶ減ってしまった。

 私が、あんなに大変な思いをして運んだ灯油を……

火事にならなかったのは、本当に良かった。一歩間違っていたら、住む家がなくなるところだった。

 

帰宅した息子を責めたが、「謝ったんだからもういいでしょ」と怒って自室に籠もってしまった。仕方がない。私がどんなに苦労して灯油を運んだかなんて、どうでもいい情報だ。

頭にきて、灯油タンクの残り灯油を全部、二間続きの部屋の方のタンクに入れた。

息子の部屋のストーブはやがて灯油切れになった。仕方がないので息子はエアコンをつけた。

 

水曜日も私はバイト、息子は学校。灯油を節約するために夜は駅前のケンタッキーに行くことにした。息子と前に約束して、行けてなかったのだ。

この日、仙台の気温は恐ろしく低く、強い風が吹き荒れた。路面の日陰はつるつるに凍結し、自転車は強風であおられた。

ケンタッキーの帰り、滑る道におののき震えながら自転車で帰宅して、これで暖房なしはやっぱり厳しいと判断した。昨夜満タンにした居間のストーブから、半分、息子のストーブに給油した。

ちなみに普段は電動の灯油ポンプを使っているが、この作業は手動ポンプでないとできない。灯油タンクに逆流防止の弁がついてるからだ。

「うおー!やっぱりストーブはあったけえなぁ。エアコン、全然あったまらないよ」

息子は顔をほころばせた。

 

木曜日の朝まで、なんとか2台のストーブの灯油は持った。もう安心だ。

灯油の宅配が来て、もう安心。

 

しかしこうして、騒動を書き出してみると、私って本当にばかだなーと思う。

そもそも、灯油がないからってノラヤから運ぶの、余計めんどくさい。買えばいい。

あとから入れた灯油を手動ポンプで分けたりして、それもめんどくさかった。

思想の根本に「金を使いたくない」があるから、こういう選択をしてしまうんだろうなぁ。貧すれば鈍す。

バイクにくくりつけるみたいな危険なことするより、自転車にタンクを乗っけて、押して買いにいけばよかった。多少はこぼすかもしれないけど、バイクの後ろでこぼれるよりまだいい。

これ、買おうかな。灯油がないと生活できないのに、灯油を入手する手段が週一の宅配のみというのはいかん…別の手段もあるほうがいい。

 

そして、居間のストーブがタイマーなしなのはちょっと心配だ。タイマーと連動して消化ボタンを押すやつを自作できないだろうか?

まー、タイマーで消えるストーブを買えっていう話だよな!