仙台広瀬川ワイルド系ワーキングマザー社長

ビールと温泉と面白いものが好きな47歳、高校生男子の母。

しみじみとしてます〜「西の魔女が死んだ」

子供向けなのだそうですが、これは大人にも読んで欲しい。本当に素敵なお話です。
映画化されたらしいです。予告編を見るだけでじわっときてしまう…


主人公のまいは、ちょっと人付き合いに難がある子なのだろう。私もよく孤立していたっけ。学校に行くのをやめてしまった彼女を預かり、甘やかすでなく、おばあちゃんは「魔女の教え」を施す。
前に「異質な他者」への視点という点で梨木香歩はいいという感想を書いたけれども、この作品でも「ゲンジさん」というおじさんがそういう立場で登場する。
「ゲンジさん」がどうしても気に入らず、別に彼はなにもしていない(私は大人だから分かる、本人が何も悪気がなく、悪いこともしていないのに人を確実に嫌な気分にさせる類いの人は、多く存在する)のに悪者に仕立てようとするまいに、おばあちゃんは容赦ない。納得しないまま、まいはおばあちゃんと別れる。…2年後、その日がやってくる。まいとゲンジさんの和解の場面が印象的だ。これはやっぱりおばあちゃんの「魔法」だと思う。


「死」ってなんだろう。
私は人が死ぬと「何で死んだんだろう」と思いその意味を考えようとしてしまう。「なんで理由を探るのか。所詮他人が勝手に意味をつけるしかないじゃないか。無意味だ」と言う人もいたけど。どうかな、私は人の「死」は何かを教える存在に思えてならない。人の死から何かを学ぼうとして、その「教え」がいつまでも自分の中に生きている状態、それが死んでも「魂」が存在する状態なんじゃないかと思う。もちろん本人が何を考えてなんで死んだのかは本人しかわからないし、勝手に「教え」なんて解釈されても迷惑かもしれない(もう死んでいるけど)。だけど自分が死んだことによって誰かが何かを考えて学ぶことができるなら、それを嬉しいと思う人(もう死んでるけど)もいるかも。ま、とにかく死んだ後他人が何を感じ取ってくれるかは普通はコントロールできない。ところがおばあちゃんはできたのだ。魔女だから。


この本が「ロハス」とか「スピリチュアル」とかいう奴と同類に見られるのが残念。それっぽい要素が多いけど、本質は違うことだと思うので。
長くないので何度も読み返してしみじみとしてます。

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

西の魔女が死んだ (新潮文庫)