仙台広瀬川ワイルド系ワーキングマザー社長

ビールと温泉と面白いものが好きな大学生男子の母。

「麗しき果実」にはまり中

朝日新聞の朝刊でまず最初に読むのが、連載小説「麗しき果実」。新聞小説を読んだ事などなかったのに、なんだかはまってしまった。作者は、乙川優三郎氏。

江戸時代、女性蒔絵師である理野が、女の幸せと蒔絵を極めたい気持ちとの間で揺れ動く。妾が当然であったり、仕事や男女のありかたが今とは異なるとはいえ、理野には共感する部分が多い。がんばれ、と応援したくなる。
文体が美しいのも気に入っている。声に出して読むと、すらすらっとなじんでなんとも心地よい。知らない単語もたくさん出て来て、新鮮。
挿絵の中一弥氏は、なんと98歳。連載小説の絵は激務なのだろうが、それを感じさせない優しげな絵。これも毎日楽しみ。


今日の「麗しき果実」で印象的だった言葉。
妻子も妾もある男と別れ、自分の蒔絵を追求する決意をした理野。男は彼女の目指す道を批判した。そんな理野に、長年妾であったが男の元を離れ芸に生きる女性が、こともなげに言う。
「たいていの男は、自分のできないことをやろうとする女を嫌うものよ。」
…ははぁー。そうかもな。