「29歳」
図書館でなにげなく見つけて借りたもの。
39歳でありながら29歳というタイトルの本に惹かれた。よく見たら、私の嫌いな日経Womanの連載ぢゃないかっ。うー。でも、そこそこおもしろかったから、いいか。
29歳というのはやっぱり微妙というか、不思議な年齢なんだろうな。作家のみなさんが扱いあぐねているような感じがする。私は自分の29歳の時と比較して、「あーやっぱり」と自分の特殊性を再認識しなければならなかった。小説でも、ドラマでも、女性というのは電話したりお茶したり飲んだりする同性の友人が、必須なのだ。(「29歳」の中でそんな女性が出てこないのは柳美里だけだった)私はそういう女友達が29歳当時もそして今も、まったくいないので。ママになってからはママ友がいないというのは社会不適合者みたいでちょっと悲しいんだけど、なんかこう、つるんでいるのを見るとおっかなくって緊張して駄目だ。お父さん達だとすごくリラックスして話しかけられるんだけどな。なんで女性相手だとあんなに緊張するんだろ。
しかしこの、「29歳」のひとたちもあと7,8年もすれば糸山秋子の小説に出て来るように一人で酒を飲んだりするようになるんだろう。結婚したって一人は一人だ。
宇佐美游の短編が一番違和感があった。「〜だわ」「〜なのよ」なんて、今の女性絶対言わない。男性も変にマッチョだし。逆に一番読んでて楽しく痛快だったのが宮木あや子。この人の小説、もっと読んでみよう。