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仙台広瀬川ワイルド系ワーキングマザー社長

ビールと温泉と面白いものが好きな46歳、高校生男子の母。

見知らぬ土地での迷い方を忘れた

技術的事項 日々雑感

ITなんかに頼るもんかとちょーっとだけ意地を張ってみた体験談です。

東京に行ってきた。単身赴任中の夫が、年末年始を含め当分戻って来れないというので、息子と会いにいってきたわけです。
夫のところに泊まる際は銭湯に行くことになってる。アパートの風呂が狭いからだ。駅から夫のアパートに向かう途中にある古びた銭湯が気になっていた。夫は「あそこは熱すぎるから行かない」という。いつも行く銭湯も悪くないがビルの中なので、いまいち雰囲気が。あっちの銭湯も行ってみたいなぁ。「行くんなら1人で行って来たら。バスに乗れば近いよ」うずうずしていた私の表情を夫はすぐさま察してくれた。そこで、準備してアパートを飛び出した。


しかし。バスに乗れば近いと聞いたがどこで降りればいいかは聞き忘れた。銭湯の住所は町名まで覚えている。場所は…駅から来る途中のちょっとさびしげな道路沿いだったよなぁ。あと「銭湯から駅までは歩いて10分くらい」という夫の言葉がてがかり。駅から夫のうちにくるまでは、近道するため細かい道をくねくね歩いてきたからまったく覚えていない。

PHSを取り出してブラウザ開いて検索すれば瞬時にわかるだろう。でも、敢えて、ITに頼らず探し出してみようか。なんとなくそんな気分になった。あと、夫に電話して聞くのもなんか悔しいから最後の手段にしようと思った。

まず、来たバスに乗った。多分駅から10分くらいならこのバス停だろうという所で降りた。
すると、すぐそばに見覚えのある中華料理屋があった。やった、まずは近づいたんじゃないかな。
そこから…30分ほど、迷ってしまった。東京の町の細かさを甘く見ていた。その中華料理屋から、駅方面だろうなとおもってそっちに歩くが、どうもそれっぽい道がない。ん?こっちか?と脇道に入ると迷路上にぐねぐねと歩き回る。そして見たことがない商店街に出てしまった。町名も違う。思わずPHSに手を伸ばしたくなるが、ぐっと我慢。いい人そうで暇そうなお店に入り、道を訊いてみた。
「たしか、まっすぐ行って2つ目の信号を左よ。近くにいったらまた聞いてみて」
やった、けっこう近いぞ。しかし指示通りに行くと、さっきバスで通った所に戻ってしまった。
おかしい、こんな通りじゃない筈だ。またぐるぐると歩くと、見覚えがあるようなないような、商店街に出た。確信が持てない。また親切そうな人のいるお店で訊く。
「おや、こっちじゃないよ。そこの路地を右に行って、△の道を左にいくとあるから」
しかし今度は△の道というのがなかった。首をかしげながら歩くと、またもさっきのバス通り沿いに出てしまった。
実は、永遠に迷っていられるわけではなく、時間を決めて夫と駅で待ち合わせをしているのだった。タイムリミットは近い。うーん、しょうがない!PHSのブラウザを開いて検索。住所は出たが地図がでない。くそー。でも、住所は自分が今いるところが近いようだ。
そこでバス通り沿いで再度、優しそうな暇そうなお店で聞いてみた。
「あら、そこまっすぐ行った所の右側よ」
えっ!?バス通り沿いをまっすぐ行って、ようやく銭湯発見。周囲を見回してへなへなと力が抜けてしまった。なんと、最初に降りたバス停の目の前だった。まわりをぐるりと見渡せば目に入る場所にあったのに、そこから逆方向に走り出してしまったのだ。あー、バカだー。

動き回ったので汗だく。ようやく入れた銭湯は、期待通りのレトロなかんじに満ちていて、お湯は本当に心地よかった。夫がいうほど熱くもなかったし。井戸水を使っているせいか、温泉のようにいつまでもポカポカとあったかい、いい湯だった。その後飲んだ上質のビールは最高だった。

まぁでもさ。たまには道に迷ってもいいね。迷うのって方向音痴の特権だ。
最近はどっか行くにもまずGoogleMapで調べて確実に最短時間で行けるようにしちゃってる。迷ったらまた検索したりなんだりして情報を得てそれを元にたどりつく。そういうのに頼りすぎて、見知らぬ土地での行動の仕方を忘れていると実感した。バス通りで「この通りじゃない、もっとさびしげな通りだった」という思い込みがまず間違っていた。ミスは、最初のバス停で周囲を見回さなかっただけではない。後になって考えたら、道を教えてくれた人は皆、私を銭湯のすぐ近くに誘導してくれていた。周囲を注意深く観察して、兆候をとらえられていれば、皆さんのアドバイスでもっと早くたどりつけた筈なのだ。

見知らぬ町で目標にたどり着くにはどうすべきか。ITに頼るなら「検索」それだけ。そうじゃない場合は、周囲を注意深く観察し、町内案内図を探し、町名表示は確認し、そして教えてくれそうな親切そうな人に尋ねる。そういう「迷い方」。たまには思い出してみようと思った。