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仙台広瀬川ワイルド系ワーキングマザー社長

ビールと温泉と面白いものが好きな46歳、高校生男子の母。

ユングフラウの月

この本、私が生まれた年の本なんですよ。
私が好きで見ているブログに紹介されていたんで、例によって仙台市図書館で借りました。
当然、書庫から出してもらいましたよ。貸出カードが裏内表紙にはさまっていて、本当に昭和40年代の日付が入っている。私が赤ちゃんだったころ、この本を借りた人は元気かなぁ。どうしているだろう。

どうやら山の雑誌に連載されていたらしい、不思議な味わいの短篇集。
山好きの人には、たまらないよなぁ、文章から、ひんやりした空気が漂ってくる。アウトドアという言葉がない頃、大人も子供も当たり前のように山に行って、山の空気を吸っていた。山の生き物との不思議な邂逅もあったりします。山はたしかに身近だったけど、そこは異界でもあったのだよね。
私の父は、山男だったそうだ。こんなかんじに出かけていたのかなぁ、と思いを馳せる。

面白いなと思ったのは、ある翻訳者が、大量に翻訳をするために山に篭り、自分で家を立てて、仕事が終わるまで1年ほどそこに暮らすという話。集中して仕事するために場所を変えるというのは、ノマドなんていう言葉が出るより、もっともっと昔の、40年も前にも、あったことなのだよなぁ。ネットが繋がらなくていい分、昔の方が場所の自由度は高かったのだろう。気が散ることもないだろうね。それでも、山は異界であり修行の場所でもあるのだから、単なる「場所を変える」以上の覚悟を持っていただろうし、集中もしただろう。面白いよね。

私は川のそばに転居してから、朝、散歩にでかけて、河原に座ってぼーっとすることが多い。そしてよく本も持っていく。(パケホーダイじゃないのでスマホはいじらなくて済んでいる)
この本の中の1つの話を、河原で読んだ。
ある都会のサラリーマンが、田舎に家を別宅を借りて、週末は子供を連れてそこで過ごすという話。子供は山に入り虫を捕まえ、川で泳ぐ。子供の友達も一緒になってあそぶ。ずっと夢だった山の生活を子供に体験させることができて、主人公は満足気だ。
家族揃ってこういうのを楽しめるのって、いいなぁ。私はこういう自然が好きだけど、夫はそうでもない。
だから私は一人で散歩する。時々、無理矢理息子を引っ張りだす。息子はどうしても、夫の意見に引きずられてしまうから、なかなかつきあってくれないんだけどね。子供の視線はたくさんの新しい発見をもたらしてくれる。


男に生まれたかったなぁ。
一人で山にこもったりキャンプに行ったり野垂れ死にしても変じゃないし、子供をぐいぐい川や山に連れていくのにも、そんなに不安はない。
来世があるなら、絶対男に生まれて、そんで、結婚なんてしないで一人で生きたいなぁ。