仙台広瀬川ワイルド系ワーキングマザー社長

ビールと温泉と面白いものが好きな大学生男子の母。

本嫌いの私が本を読んだ「地図に仕える者たち」「孤高の人(上)」「孤高の人」

全部図書館で借りました。

この本は小波秀雄先生におすすめいただいた。不思議な面白い短篇集だった。
「科学」に、人はいろいろなきっかけで惹かれる。惹かれてその道を目指し歩き始める人、極めた人が出てくる。
今だってそうだけど、異端だったんだな。昔はもっと。
1つ1つの話が、いきなり終わるので「あれっ?」って感じなんだけど、いろんな人の人生の一部を切り取ったということなのだろう。いきなり終わりはするけど、絶望より希望がほのかに見える。

こちらは安達さんにおすすめいただいた本。
ぐいぐい引き込まれて一気に読んだ。一人でアウトドアを旅した経験があるので、いろんなところでぐっと来た。山の夜明けや夕暮れの描写が、息を詰めてその光景を見つめているような気分になるほど、美しい。

なんだか、今の自分の置かれている状況と重なって、主人公の気持ちとシンクロして仕方がなかった。
主人公はオタクでキモメン。山しか興味がない変人。人と関わればトラブルに巻き込まれてしまう。孤独がいい、一人になりたい。一人のほうがいい。でも、それなのに誰かを求めてしまう。人の気配を感じたいと思う。そんな自分と孤独を求める自分とで葛藤が生まれる。そして、惰性で群れている連中を突き放し、一人の道を行けば行くほど、主人公の驚異的な能力に惹かれる人もぽつぽつ出てくる。しかし主人公はそんな人達さえ寄せ付けない。
上巻を読み終わり、下巻を借りようと思った。しかし。

間違って、同じタイトルの別の本を借りてしまった。わはははは。わざわざ図書館で書庫から持ってきてもらったので、ひっこみがつかず、受け取った。
でも、こういう出会いで本を読むのも、面白いかもなぁ。
パラっと見てつまらなかったらすぐ返却しようと思ったけど、数ページで止められなくなった。
この本も一気に読んでしまった。
かつて、知的に秀でた女性たちに同性愛の傾向があったなんて。こういう世界、あったんだ…。描かれている湯浅芳子さんの痛烈で滅茶苦茶な性格は、もし実際関わったら二度と会いたくないだろうと想像できるくらい酷いものだけど、読むだけだとすっきりする。
料理も人も文章も、気に入らないとずばっと文句を言う。文句がネチネチしてない。
もちろん、湯浅さんが「孤高」でいられたのは、経済力と能力もあるからだろうね。「百合子、ダスヴィダーニヤ」も読みたくなった。