仙台広瀬川ワイルド系ワーキングマザー社長

ビールと温泉と面白いものが好きな46歳、高校生男子の母。

絶版が惜しい…「月刊佐藤純子」(追記あり)


4/4追記:
なんとこのブログを書いた直後、ジュンク堂仙台店で「佐藤純子書店」がオープン!月刊佐藤純子も手に入れることができました。弟にも送りました!このブログを読んだ複数の方から情報いただきました。本当にありがとうございます。
月刊佐藤純子はコワーキングスペース「ノラヤ」に置いてあります。



マチオモイ帖を見に行ったとき弟(出版社勤務)と会って、本屋事情の話になった。とにかく厳しい出版業界。本屋もどんどん少なくなっていく。
「仙台は大学が多く住民の知的レベルが高い。多様なジャンルの書籍を擁する書店が存在していける、数少ない地方都市の一つなんだよ。他の地方都市の本屋に行って並べてある本を見てみろ。悲しくなるぞ」と、弟。厳しい言い方だが本を売らなきゃいけない弟の立場からして、現実認識は大事だ。
しかし、前から言ってるけど、そもそも私は、本嫌い。本屋の存在意義を熱く語られても、いまいちピンと来ない。同じ本が豊富な家庭で育ったというのに、この違いはなんでしょうね。
ところで、仙台の本屋といえば、思い出す人がいた。マチオモイ帖番外編トークイベントでお会いした書店員、佐藤純子さん。
「そういえば仙台には佐藤純子さんがいるね」と言うと、弟の目の色が変わった。
「なにっ!その人知ってるのか。知り合いなのか?!ほほう。あの人はこの業界(本業界?)では知らない人はいないよ」
「あ、う、ううん。まぁね」
一度ご挨拶しただけなのに知り合いのふりをしてしまった。
「本を手に入れたいが、東京では売ってないんだよなあ」と、悔しげに弟は言う。
月刊佐藤純子、である。

月刊佐藤純子 (仙台文庫)

月刊佐藤純子 (仙台文庫)

佐藤純子さんが月刊佐藤純子で有名な人だとは知っていた。しかし、私は読んだことがない。だって、私はそもそも本嫌いで。本好きな書店員さんの書いた本というからには本の話がメインだろうから、多分内容についていけないじゃん、と思っていた。
しかし知りあいのふりをしてしまったので読まないわけにはいかないと思ったのと、弟を羨ましがらせたかったので、仙台市図書館で「月刊佐藤純子」を借りたのだった。在庫は豊富ですぐ借りられる。

読んで、びっくり。
すごく、面白かった。いや、楽しかった。
文章というよりマンガなんですけど。身構えていたように本とか文学の話ばかりでは全然なくて(多少は出てくるけど)、佐藤さんの日常がメインだった。
本でもマンガでも、読みながら「うははっ」とか「ふふっ」とか、声が漏れるぐらい楽しい本って、最近、あっただろうか。(いや、ない。)久しくそんな本に出会えてなかった。
ページをめくるたびに、意表を突かれて、えっそんなことしますか、と、とんでもないところに着地するかとおもいきや、しないで放り出される。

そして、柿崎さんのイベントで会った方々が出てきた。桃生さんがどういう方なのか、はじめてわかった。正子さんの写真を時々Facebookで拝見するけど、お祖母様と二人暮らしだとは。素敵だ。
そしてその2人ぐらしの家に、震災直後は佐藤さんをはじめたくさんの人が来て共同生活する。
そう、震災直後からも佐藤さんは「ゆらゆら日記」を書き続けていた。とにかく身近な人達で身を寄せあって生活して、近所にもらい風呂にいって、手分けして買い出しして。不自由だったけど、みんなで食べるご飯がおいしかった。
そして電気や郵便や、いろんなインフラやサービスが復活していくにつれ、その裏でがんばっている人に思いを馳せ、しみじみと感謝したものだった。
あの時期の、だんだん戻っていくにつれ人々に笑顔が戻っていったのをはっきり実感したのは、ほんと、忘れられない。
そういう空気が佐藤さんの日記調まんがで、ふわーっと思い出した。ああいう日々があって、今があるんだっけ、と。

とても楽しい読書体験だった。先入観持ってて今まで読んでなかったのが悔やまれる。
これは是非とも手元に置きたい。そんで、風呂で読みたいし、ノラヤにも常備したい。と思ったんだけど、版元でも絶版と書いててAmazonの中古でもプレミア付いてる
プレミアついてても、買おうかなぁ。
弟に「図書館で借りて読んだ」とメールしたら、悔しがられた。本業界のつてを駆使して東京で探す、と言っていたけど、どうなんだろ。
再販ないかなぁ。ほんとに。