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仙台広瀬川ワイルド系ワーキングマザー社長

ビールと温泉と面白いものが好きな46歳、中学生男子の母。

役に立たない本を読め「入浴の女王」

人がなにか「したい」って思うのは、なにかしらの快楽が伴うから、に他ならない。
食事、勉強、酒、その他もろもろ行動。

てやんでいべらんめい。
本ってなぁ、何かの役に立つから読むのかい?
勉強ってなぁ、就職してから役に立つからするのかい?
本当に楽しいことは、役に立つとかこういう結果を生むとか、なんらかの期待にまったくつながらないものがほとんどじゃないだろうか。

この本は、杉浦日向子氏が、担当編集者の女性とともに、東京を中心に様々な銭湯に入り、入浴する女性(にょしょう、と読む)の体格、肌、髪型、仕草、会話をつぶさに観察し、その地を愛する(ときどき、これに?がつくが)男性と語り、時に(といっても頻度は多いが)飲み食いする。というエッセイ。

というわけで、役に立たない。
失われゆく貴重な銭湯情緒と、町への愛を…とか能書きをたれることも可能だが、それは野暮だろう。だって書いているのが杉浦日向子さんですよ。
いいお風呂に入って、茹でられているにょたいを愛でて、いい男に会って、うまいものを食べて、よっぱっらって。
役に立たないけど、読んでいるといいかんじに快楽が体に満ちていく本です。

そして、身近な極楽に行きたくなる。
銭湯、温泉、美味しい酒が飲める店。
社会勉強ですか?地域活性化ですか?つながりですか?ストレス解消ですか?能書きなんざぁ、どうだっていいよ。自分自身が、気持ちがいいから、行くんだよ。
そういう素直さ、たまには思い出したいよね。

早逝した杉浦さんだからこそ、本からにじみ出てくるメッセージが、強い。生きているうちに、楽しいことしよう。