仙台広瀬川ワイルド系ワーキングマザー社長

ビールと温泉と面白いものが好きな46歳、高校生男子の母。

小商いのはじめかた

伊藤洋志さん監修の新刊。もうね、伊藤さん大好きなんで。

小商いのはじめかた:身の丈にあった小さな商いを自分ではじめるための本

小商いのはじめかた:身の丈にあった小さな商いを自分ではじめるための本

伊藤さんといえば最近このような記事が。
http://www.lifehacker.jp/2014/08/140810nariwai.html
内容は「フルサトをつくる」に関連しているかも。(そっちのレビューはこちら


さてこの本の内容は、さまざまな小商いをしている方々に話を聞いて、どうしてその仕事をしようと思ったのか?どうしたらできるのか?売上は?一日のスケジュールは?などなど、商いだけではなく生活や人生観にも一部触れながら明らかにしてもらったもの。
まともな起業本みたいにニーズを調査して事業計画書を書いて資金をどっかから借りてという、そういう内容ではない。そっちの起業本とくらべて、登場する人たちの人間性が伝わってくる。


第一章「自分がほしいものをおすそわけ」の冒頭、伊藤さんのこの文章。

 何か仕事を起そうというときに、まず部外者の友人知人に聞かれがちなのが「ターゲットは?」「ニーズ調査は?」「本当に大丈夫?」などなどです。
「ちゃんとリサーチしなきゃいけませんよね、大人なら」という無言の圧力で行動を起こせず、消えていくアイデアは無数にあります。


 この章には、そんなまどろっこしい人が登場しません。
 なぜなら皆、自分自身があったら使いたいと思えるサービスをやっているからです。少なくとも世界で1名だけは、それを喉から手が出るほど欲しい、と思っている人がいる(自分自身です)ところからスタートしています。

うわーっと思った。
ここ、まさに私と「ノラヤ」のケースと同じで、びっくりした。
コワーキングスペースをやりたいと言ったときに「ターゲットは?」ではなく「ターゲットを絞らなきゃダメ(女性に特化した場所にすべきとか)」、「ニーズ調査は?」ではなく「ニーズは仙台にない(10人が10人そう言った)」、「本当に大丈夫?」ではなく「うまくいく筈がない!もっと考えなさい(全然親しくない人からわざわざfbメッセージで)」、と、言われたものです。
そう言われてまでやっている理由は「自分が欲しかった」から。聞かれたら即答できる。
「仲間のため」とか「世の中のために」とか「社会的ニーズがあるから」などとは絶対に言わない。だってニーズがない(らしい)し、誰の役にも立たないかもしれないけど、自分が欲しいんだもの。

しかし、小商いとノラヤの違いは、費用のかけかた、なんだよなー。ノラヤは物件を借りているため固定費がかかってしまい、毎月赤字である。これでは小商いどころか微小商いにもなってない。
まぁそれはしょうがないとして。


伊藤さんがこの本作ったのって「伊藤さんは京大卒だから……」「phaさんは京大卒だから……」という意見が少なからずあったからじゃないだろうか。私の回りでも実際そういう声は多く聞いた。普通の人にはできない、特別な頭のいい人じゃないとねぇ、と。
私も、頭はともかく、独身男性だからできるんだろうなぁと思ってしまった。
だから、この本で、いろんな立場の人が小商いしているということを見せたかったのだろうと思う。登場する人はさまざま。独身の人、男性、女性、子持ち、ファミリー。年齢にも20代から50代と幅がある。経歴もさまざま。
そういう身分だから、立場だから、できることなんでしょ、という先入観は消さなければならない。持ったって自分の足かせになるだけでなんもいいことない。

ただ、生活の基板として、ある程度金銭的にも精神的にも余裕がある人が多いかなというのが正直な感想。実家暮らしで家賃の心配がなかったり、田舎で家賃がやすかったり、仕事につかずにフラフラしている時期があったり、別の仕事でしっかり収入は得ていたり。
小商いを試すには余裕が必要なんだよね。試せる、動ける自由。その手段の一つに田舎移住があるのだろう。そして、動くと、「偶然」が味方してものごとがうまくいきはじめる。面白いなと、思う。

そうだ、若者が親から養ってもらっているうちに、小商いを体験するの、いいかもしれん。衣食たりていられるの、わずかな時間だもの。息子にはそういう体験をさせよう。

今の私は、生活コストのかかりすぎる仙台ぐらしだし、仕事も減ったし、配偶者と子どもがいるのでコスト下げるために移住もできない(夫は田舎嫌い都会大好き)。正直、余裕がない。バイトで収入は得ているけど、以前に比べると半分以下だ。

それでも、そういうせっぱつまった状態の自分に、ノラヤの存在はいっそうすごく優しくて、ありがたい。「ここは、いいわー」と、心底思えるようになった。余裕がないのに「まぁ、いいか」という気持ちになってしまう。(いいのか?)やっぱりノラヤは続けたい。私が、欲しい。改めて思う。
だから、小商いのみなさんのチャレンジ精神を見習っていこうと思う。本に出てくる人たちは、一本の道ではなく、柔軟にいろいろためして、複数の小商いを次々考えている。ポイントだなと思うのは、人に教えられること、そしてモノやサービスそのものだけでなく、体験を盛り込むこと。それならばまさにコワーキングスペースで得意なことだ。
考えなければ。
せっかくある頭、使わなきゃね。京大レベルには程遠いけど、とりあえず東北大レベルはあったから(過去形)。