Scrivenerいいよっていう話
先にこういうブログを書きましたが。
この時使用したのが、ScrivenerというMac用のアプリケーション。45ドル。(30日試用可、後述)
たいへん役に立ったのだけど、日本語での解説記事で新しいものがあまりなくって、周囲でも使っている人が見当たらないので、自己流での使い方を書いてみます。
Scrivenerのよいところ
いちばん良いのは、いろんな段階のアイデアを書き出して突っ込めて資料も放り込めるところだと思います。Corkboard(コルクボード)なんか、ほんと付箋のイメージです。
思いつきでも言葉の断片でもヒントでも文章になっててもOK。PDFも画像もリンク集もぜんぶ一個のアプリで済みます。
ストリエ連載での使い方
具体的にどう作っていったかをストリエの「コワーキングスペース『CHERRY』運営奮闘記」の最終話のケースで追ってみます。中身晒すの恥ずかしいけど。
ファイルは「プロジェクト」単位。このコワーキングスペース運営奮闘記全体で一つのプロジェクトにしていました。(が、途中で間違ったので5話以降で1個のファイル)
各ストーリーを「第○話」というフォルダに入れて作ってました。
プロジェクトを新規作成するときはDraftの下に各ストーリーのフォルダの他、Researchに参考になる資料、画像、「エピソード集」フォルダ。「エピソード集」の中に「多分没」フォルダを作っていました。
あらすじを考え思いついたのをテキストに
実は最終話は6話の予定だったのだけど入り切らなくて7話になってしまった。ので最終話(7話)を考えはじめた時点でいくつかエピソードはできてました。
左側のBinderで、フォルダまたは別のテキストを選択した状態でEnterを押すと、新規のテキストがすぐ下にできます。そのまま入力すればテキストのタイトルになるので、それでタイトルだけのテキストをいくつか作って流れを考えます。
ささいなエピソードでもおもいついたらタイトルだけの新規テキストにしてしまって(一行だけのエピソードもあったり)、迷ったら即、没フォルダに移動しました。
同じエピソードだけど別のキャラ登場させたいなどの場合は複製して別バージョン作って片方を没フォルダに。
気が向いたら順番は無視して本文を詳細に書きたいものから書きはじめてしまいます。ストリエなので、本文は会話。
フォルダでもテキストでも、Binderの画面では階層構造にできるので、必要に思ったら親エピソードの下に子を配置したりもしてました。
エピソードを配置する
で、また煮詰まったらViewをCorkboardにして、付箋を並べるように並べかえてみます。
なお、デフォルトでは自由に付箋状態のテキストが動かせないので、ここをクリックして、自由に並べられるように変えます。
といってもタイトルだけではなんのことやらわからないので、Synopsisを書いてみることもあります。Synopsis書いてるうちにもっと書きたくなってまた本文書きはじめたりします。
テキストを分ける
本文を編集している時、勢い余って書き続けて、あ、ここから別なエピソードにしたほうがいいかなという時は、分けたい場所で右クリックして「Split at selection」にするとテキストが分かれます。
Label
Labelっていうのがあるんですが、Corkboardの画面で、エピソードの右上の四角、赤や青の色で見分けられます。私はエピソードの属性としていて、静かな話が青、動きがあるのが赤、にしてて、同じ色が続かないように考えたりしてました。
もちろんこのラベルはカスタマイズしていろいろ作れます。あとStatusっていうのもあるけど使わなかったです。
キャラクター管理
煮詰まったらキャラクターの設定とか見直してました。
こんな感じで画像と、右側のDocument Notesにキャラクターのいろんな設定を書いておいて、本編に出て来ない裏事情とか過去の出来事とか設定してました。
ちなみにDocument NotesとSynopsisには各話ごとにこんなのも書いてましたが、なぜか時々表示されない。いじっているうちに表示されるけど。
本当は、一人称や登場人物の呼び方呼ばれ方の管理、癖なんかもキャラクターごとフォルダにまとめておいたほうがいいのかもしれない。あとモデルになった人の画像とかウェブとかエピソードとかも。
キャラクタの他に資料フォルダには、ネタ元になったメールやメッセージ、文章なんかも置いときました。
エピソード入れ替え、最終形態に
そうこうしているうちに、歯抜けでも話がだいたい出来て来るんですけど、ここからここに展開するのにどうしよう?ってうんうん悩むときはまたCorkboardに戻って、「こんなエピソードあったらどうだろ」というのを作って(タイトルだけ、または中身も)並べては没、作って並べて並び替えてまた没。
最終的にうまく話がひらめいて、これで出来たと思ったら通しで眺めます。第七話フォルダを選択して、ViewをScriveningにするとエピソード全部繋がって読むことができます。Viewはcommand+1がScrivening, command+2でCorkboardで切り替えられます。
長さの管理
Scrivenerの便利な機能の一つで文字数カウントがあります。テキスト選択すると長さがここに出て来ます。フォルダを選択してScriveningで見るとここに全体の文字数が出て書きます。
だから最後にここも見て、たいてい書き過ぎなので、余分な会話とかどうでもいいエピソード削ったりしました。
文字数目標の設定
実は目標文字数(単語数)設定という機能があって、こんだけ書くまであとどれぐらいって棒グラフで見ることができるんですよ。これ前は使ってたんだけどどうしても書きすぎるから使わなくなってしまった。これ、「第○話」をフォルダじゃなくて、テキストの親子で階層にして作るとできます。
そんなかんじで一応Scrivenerの側の作業は終わりです。
ストリエでインポート
ちなみにストリエではテキストインポート機能があり、「」つきのは台詞、素のテキストはテキストとして流し込むことができます。
あまり長いとちょっと心配なのでエピソード毎にインポートしました。最終的にストリエ側でちょこちょこ調整しました。
ブログ原稿でも使える
ストリエでの創作でやったのは以上ですが、私はブログを書くのでも長くなりそうな時はScrivenerを使っています。話題ごとに区切って全体を見通すことができるといいです。実はこのブログも。
で、今気付いたんですけどリッチテキストの状態でそのまま貼付けられますね、はてなブログだと。これは便利。
まとめ
Scrivenerはもっともっと機能が豊富らしく、使ってない機能ばっかりでもったいないので、もっとちゃんと活用してみたいです。
試用できます
で、使ってみたいという方はApp Storeからでなくサイトからダウンロードして試用がいいです。
30日間試用できますが、「起動した日数」でカウントする太っ腹な仕組みなので、けっこうじっくり使えるんですよ。気に入って買うとき自分の名前に日本語入れてはまりかけましたのでローマ字のほうがいいです、注意してください。
いろんな使い道があると思うので、ぜひ使ってみてください。文章書く人におすすめ。