仙台広瀬川ワイルド系ワーキングマザー社長

ビールと温泉と面白いものが好きな大学生男子の母。

拡張家族 ― 内田樹・岡田斗司夫「評価と贈与の経済学」

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※1/12追記:参加しているFacebookグループへのリンクを追記しました。

この本は、新鮮な体験とともに読んだ本。わたくし、岡村靖幸MLつながりでのお友達、堺さん(id:hito-kan)が関わっているコミュニティ関連Facebookグループ「コミュニティマネージャーズコミュニティ(CMC)」に参加しておりまして。そこでのオンライン読書会の課題本だったのだ。これについてどう思う?自分のコミュニティではどう?などと、深く考えながら何度も読みなおすことができて、非常に深い読書体験だった。
そもそも、内田樹先生も岡田斗司夫さんも好きだし、楽しく読みました。

イワシ化」「拡張家族」っていうキーワードがあって。
イワシ化って今なら食物の異物混入でわーっと騒いでるみたいなもんかな。最初は「異物混入けしからーん、ここでもここでもあった」でわーっとみんなイワシの群れのように流れて。そのうち「そんなに騒ぐことじゃないでしょー」ってクールダウンする意見の方にわーっと群れたり、異物混入をネタにしたおもしろ系にわーっと群れたり。多分、あと数日で「異物混入」をテーマにした群れは解散するでしょう。そんなかんじ。
人の群れではあるけど、このイワシ化は「コミュニティ」ではないな、って私は思ってる。
この本の中で内田先生も岡田斗司夫さんも、持続可能性をもった新たなコミュニティに希望を託している。「拡張家族」。会社や学校の集まりでもなく、家族でもなく、友達とか仲間とか強すぎる言葉を用いては語られない。もっと束縛しないゆるいかんじ。
かつて家族が担っていたことを家族が背負いきれなくなって、会社や学校で担っていたものも背負いきれなくなって、なんかちがう、そうじゃなくて、もっといろんなことを共有できるまとまりがあったらいいよね。そういう意見は、ここんとこ頻繁に目にします。みんな、そんなまとまりを求めている。


読みながらずっと、ノラヤが拡張家族になり得たらいいのに、と思っていた。そのためにはどうしたらいいだろうと考えていた。拡張家族を目指す、なんて固い言い方をすればそれこそ拡張家族らしくないのかもしれないので、なったらいいなぁ、ぐらいで。
ある特定の志向に基づいたコミュニティは弱い、と私は常々思っている。そのテーマが色あせたり自分と関係なくなったりしたら抜けざるをえない。それに構成員の志向が同じだと長所も短所も似通ってしまって、困ったときに助け合えない可能性がある。ノラヤは仙台のコワーキングスペースの中でも類を見ないくらいバラエティ豊かな人たちがが来てくれてるので、会うと刺激になるし、今まで自分の居た「IT開発者」のような世界がいかに狭かったかがわかる。
私にとってノラヤにくる人たちは既によりどころになっているし、困ったときに困ったと声をあげるとすごい高確率で助けてもらえるし、一人でメリットを享受してしまっているようなので、もっともっといろんな人がそう思えればいいなと思う。
そのためにはどうしたらいいのか。それが「コミュニティマネージャ」たる、コワーキングスペース運営者の手腕なんでしょうね。

うまくまとまらない。本を図書館にかえしてしまったので。