仙台広瀬川ワイルド系ワーキングマザー社長

ビールと温泉と面白いものが好きな46歳、高校生男子の母。

「世界の経営学者はいま何を考えているのか」入山章栄

この本とっても面白かったので、自営業やってる人や起業したい人やコワーキングスペースやってる人は読むといいと思う。実はだいぶ前に借りて感銘を受けてレビュー書こうと思ってうまくまとまんなくてまた借りて、またまとまんないまま返して、ブログも保留してたけど、最近この本の内容にあるようなことがけっこう周囲で話題になってるように思うのでまとまらないまま公開してみる。
今本が手元にないので一部内容が心もとないです、ご容赦ください。

世界の経営学者はいま何を考えているのか――知られざるビジネスの知のフロンティア

世界の経営学者はいま何を考えているのか――知られざるビジネスの知のフロンティア

「経済学」じゃなくて「経営学」。日本では圧倒的に経営学の研究者は少ないのだそうだ。なので馴染みがないかも。著者は現在早稲田大学ビジネススクールに在籍している入山章栄氏。この本を書いた時は海外のビジネススクールのアシスタントプロフェッサーだった。

なんでこの本を読んだかというと「地域再生の失敗学」で入山章栄氏の言っていることが面白かったので著書を読んでみたくなったから。
monyakata.hatenadiary.jp

この本ではがっちり統計に基づいた「経営学」の知見を、わかりやすく、時折著者の「所感ですが」のコメント付きで具体例を出しながら解説してくれている。人気のドラッカーとか、特定の会社・ケースの例だけで「こうすれば儲かる!」みたいなのとはかなり違う。自前で事業をやっている人には、ヒントになりそうなネタがたくさん入ってると思います。
「トランザクティブ・メモリー」の存在とか、なんかワクワクしますね。
「弱いつながり」の方が情報伝達が効率的だ、なんていう話も、非常に興味深いです。

さて、コワーキングスペース運営者として特にピンときたポイント。
1つは、「ストラクチュアルホール」。
これは何かというと、いわゆる「人間ハブ」のはなしだ。 
例えば、AさんとBさんが居て、お互い知り合いじゃない。でも共通の知り合いであるCさんがいる。
Aさんがあることで困っている。それを助けられるBさんという人がいることを、Cさんだけが知っている。この時、CさんはAさんとBさんを仲介することでビジネスになる。このAさんとBさんの隙間のある状態をストラクチュアルホールというそうだ。
まぁ、よく、ありますよね。そうやって人をつなげられ役に立つと、嬉しくなりますよね。
CさんはAさんBさんのような繋がっていない人たち(またはつながっていないグループ)をたくさん知っていれば知ってるほど、利益を得られる。
で、Cさんが恐れることは、AさんとBさんが知り合いになり、ストラクチュアルホールがなくなること。そうすればCさんは仲介する必要がなくなるからビジネスがもうできなくなる。
……えっ。
ここで私は、えっと思ったわけです。
なぜなら、自分を含む、コワーキングスペース(の、運営者)というのは、自分がCさん的立場であるにもかかわらず、ストラクチュアルホールを埋める行為ばっかりしているから。「あ、こんな人いるよー、直接連絡してみて」と。仲介者の利益はドロップイン利用料くらいだろうか。
なんと、私のやっていることは間違いなのか。いや、私じゃなくてもみんなやってると思うが。
そしてなんとなく思い当たる。私の知らないところで利用者さんどうし一緒にいろいろやっている事例があって、それはいいことだなぁと思っていたんだけど、そこにノラヤはもう必要ないんですよね。
もしここが東京ならば。人は嫌になるほどたくさんいるし次から次へとやってくる。人同士をつなげる場所を求め、コワーキングスペースに行く。つなげる場所として安定の地位を築くコワーキングスペースは、継続的に利益を得ることができる。
だけど、地方は人が少ない。仙台では、知り合いの知り合いはたいてい知り合いだ。つながり尽くした状態に簡単に至ってしまわないだろうか。
「私がBさんと知り合いになれたのがここだから」という情緒的理由でコワーキングスペースを利用してくれるほど、みんな余裕ないよね。そう、地方の人は疲弊していて余裕がない。というか、交流に重きをおかない。クローズドなネットワークができてしまったら、あ、もうその中で回してしまえばいいやと思ってしまう。
こういうことに気づいたからといって、じゃぁどうしたらいいかはすぐ思いつかないけど、なんというかハッとしたキーワードだった、「ストラクチュアルホール」。

ピンと来た点2つ目は、企業買収の効果。ある企業が他の企業を買収したあと、その企業は成長したのか?買収はその企業にとって良かったのか?というのを調べたところ、業種によって差が出たのだ。
イノベーションを重視する最先端の業種のほうが、他企業を買収することでより大きく成長できるそうだ。
それはつまり、イノベーションを起こすには多様な視点が必要である。一つの大きい企業としてある程度やってきていると、中だけで完結しちゃって見方考え方が均一になってしまう。そこで、新しい風を入れることで新たな視点や考え方が生まれ、化学反応が起きイノベーションが起き、結果的に企業の成長につながるということだ。
なんか、聞いた事のある話だ。コワーキングについて、似たようなメリットが語られる。
今、いろいろな企業が社内コワーキングスペースを作って、それを一般にも公開している。Yahoo!とかワコールとか、英和システムマネジメントとか。無料で使えるところもある。これは、買収しなくても、コワーキングスペースを作ることによって、多様な人に来てもらって、社内の人とも交流してもらうことによって、イノベーションの種を蒔いてほしいからではないだろうか。ハッカソンでもLT大会でも勉強会でもいいし、会場となるコワーキングスペースの運営企業の人とコワーカーが混ざってなにか考えたりともに学んだり、なにか解決しようとしたら、社内だけで同じ事をするより絶対面白いものができると思う。
まーでも、オープンなスペースを運営すると来る人は玉石混交でそれなりに大変なので、ぜひとも運営にあたっては既存コワーキングスペース運営者にアドバイスをもらうとかスーパバイザーになってもらうとか、既存コワーキングスペースで店番修行するとかしてくれたら、もっと面白いのにな、と思う。

まとまらないまま投げてしまいますが、他にも面白い話題がたくさんなので、ぜひ読んでみてください!