仙台広瀬川ワイルド系ワーキングマザー社長

ビールと温泉と面白いものが好きな47歳、高校生男子の母。

「昨夜のカレー、明日のパン」木皿泉

寒くなってきました。そんな時はちょっとあったかくなるお話が読みたくなりませんかね。というわけであったかくなる本。
図書館で本棚で見かけて借りて来た本。背表紙を見たとたん、この本を新聞か雑誌で見た記憶が蘇った。著者はご夫婦。脚本家をしている。


最初の1ページで、もう、これはやられた。絶対、好き、と思った。

「ほう、笑いましたか」
その日の夕方、焼売とビールをやりながらテツコは、その話をギフにした。ギフとは、義父のことである。

焼売とビールを「やりながら」、ですよ。
おわあああ!焼売とビールをやりてぇ!と、猛烈に思いました。といっても飲んだくれグルメ小説ではない。

テツコとギフを中心に、ちょっとはみ出した人たちがちょっとだけ変わったことを考えてちょっとだけ変わったことをして、なんだかおかしくもかなしくも、いろんなことが起きる。そんな日々が綴られる。
テツコさんもギフも、大事な人を亡くしている。生活に悲しみが一本、消せない強い線が通っているのに、それをなぞりつつ、二人は楽しそうにじっくり暮らしている。古い平屋の一戸建てで。庭の大きなイチョウとともに季節がめぐる。
テツコさんは可愛げがあまりないタイプの女性で、私はこういう人がとても好きだ。そしてギフはおっさんのくせに妙に可愛げがある。このギフも好きだ。テツコさんの彼氏の岩井さんも間抜けでちょっとばかな人だ。
登場人物が全員、一緒に飲んだら楽しそうだなこの人たち、という愛すべきキャラなのだ。素敵だ。
いろんな時代に生きたいろんな人たちが出てくる。それぞれの人生が私の過去を思いだすし、私の未来を予想させる。

私も父と家でビールを飲みたかったなぁ、と、思う。テツコとギフみたいに。そして、私も家で息子とビールを飲みたいなぁ、それまで死ぬわけにはいかないなぁ、と思う。でも、死ぬ時は、死ぬんだよね。避けられない。

で、これが映像化されていた。
著者が脚本家なので、映像化された脚本も木皿泉さんによるものだった。
ツタヤにないからNHKオンデマンドで見たんだけど。これがまた、よかったです。まだ一話しか見てない。でも、パンの描写がさあ。たまらなかったですよ。もちろん、ビールと焼売も。
これから二日に一回ぐらいのペースで見ようと思う。
www.nhk.or.jp