仙台広瀬川ワイルド系ワーキングマザー社長

ビールと温泉と面白いものが好きな47歳、高校生男子の母。

「生涯未婚時代」永田夏来、と「逃げるは恥だが役に立つ」海野つなみ

phaさんと永田さんの対談を読んだ。とても面白かった。phaさんは言わずと知れたニートの人。私も本を持ってる。寮出身だからphaさんの感覚、すごくわかる。永田さんも「家族は基本しんどい」とか、内心思ってたことをストレートに言っちゃうので、興味がわいた。
www.gentosha.jp

で、この本も読んでみることにした。

生涯未婚時代 (イースト新書)

生涯未婚時代 (イースト新書)

生涯未婚時代。うん、そのとおりだと思う。未婚の30代40代は私の周りにたくさんいる。子供がいない夫婦も多い。だから私みたいに結婚して子供がいるほうが少ないように思う。そして私はそういう人たちにいちいち「結婚しろ」とか「子供産め」とか言わない。逆に「結婚したい!」という人にはなんでそんなに結婚したいんだろうと思う。ちなみに妊娠先行型結婚(できちゃった結婚)は周囲にとても少ない。

私は前から、宮城県のこのプロジェクトにすごく違和感を抱いていた。
結婚・出産・子育てってほんとは楽しい!を調べるプロジェクト - 宮城県公式ウェブサイト
大学生たちに「結婚・出産・子育ては楽しいことを体験して伝えてもらう」って、そもそも、なんでその3つが楽しいと決めつけられんの?楽しいかどうかって個人の感情じゃない。 現実としてさあ、楽しいことばかりではなくて辛くてしょうがないこといっぱいだよ?だから悲しい事件がいっぱい起きてんだから、楽しくなくても子供できちゃった場合ちゃんと育てられるようにしてあけるのがお役所のすることじゃないのか!?
このページの末尾のPDFとか、ポジティブなことしか書いてなくて逆に恐ろしい。こんなん読んでみんな結婚出産すると思ってんだろうか。
なんというかお上はいつまでたっても頭がお花畑である。だから多分年配の方からすれば、この「生涯未婚時代」に書いてあることにも反感を持つだろうし、けしからんとか言う人もいるだろう。

本書では「昭和の人生すごろく」という言葉が出てくるのだけど、すごろくのようにしかるべきイベントをひとつひとつこなしていって(就職、結婚、自宅購入、子供つくる、出世…)それでみんなしかるべき人生を生きるものだという価値観のことだ。イベントを越えられなければ「休み」でコマを進められない……それが当たり前だからみんな結婚したがった。
でも、もう昭和じゃない。

仕事、価値観、育児のしやすさ。なにもかも、違う。
結婚、出産、育児によって得られる「メリット」が、「デメリット」を上回る、と先に紹介した宮城県の事業のPDFにも書いてあるけど、必ずしもすべての人がそうではない。

いまや仕事なんてだまってりゃいつまでも給料上がって昇進して勤められるわけじゃない。別にぜーたく言ってるわけじゃない。いつ、ぷつんと切れるかわからない。
転職は私のまわりでも当たり前だし、フリーになるのも当たり前だし、会社が潰れるのも当たり前。持ち家なんてあったらフットワーク軽く別の場所で働くこともできない。家族も一緒に連れ回せるのはごく限られた層ではないか。

私は、自分が結婚して出産して育児した上で、本当に「わざわざ、結婚、出産、育児の人生を選ぶのは相当大変だから覚悟したほうがいい」と思う。昭和の人生すごろくは、一度乗ってしまったら、ルートを外れたら失格。この道は間違ってた、と思って外れた道は藪。特に女性はねぇ。

相変わらず「昭和の人生すごろく」を進むべき道と信じて、「結婚したい」って焦っている中年、いるんだよね。なんで結婚したいのか聞くと「嫁さんがいると部屋が綺麗になる、飯が自動的に出てくる」って、なんだよ、ようは生活のめんどくさいことを配偶者に押し付けて仕事だけできるから結婚したいってんだろー、昭和かよ!と思う。

とにかくだ。今はこういう世の中なのであり「君はまだ独身なのかね」「なんで子供作らないのかね」「二人目はなんで作らないのかね」とか失礼なことを言って無駄に人を鬱に追いやらないでいただきたい。あなたの時代とは違うんです。
ちなみに私になんで一人っ子なのとか言う人はこの流産体験記を読みやがれ。

ところで、この本の中で逃げ恥が紹介されていたので、興味を持った。逃げ恥は星野源が歌って新垣結衣が踊るやつ、ぐらいしか認識がなく、私はあまのじゃくなので流行ってるものには手を出さないのである。でも興味深いテーマを扱ったマンガだということを知って、マンガだけレンタルで読みました。ドラマを見るのは時間がかかるので、余裕ができたときに、と思って。

永田さんが言及していたように、やっぱり私も百合ちゃんが気になった。「生涯未婚時代」では百合ちゃんをドラマに準じて説明していたのだけど、まんがの百合ちゃんはもっと年上で52才なので、風見さんとの年の差はさらにすごいことになっている。すごいな……私も27才の人と恋愛できるかもしれない、と、まんがであることを忘れてどうでもいい希望がわいた。
ドラマでも原作でもあった百合ちゃんの決め台詞「呪い」は、やっぱり「よくぞ言ってくれた!」っていう気分になるね。嬉しい。年を取ってしまったことを恥じる必要は何もない。あのセリフは百合ちゃんの覚悟も含まれていると思うけど、たとえ誰からも愛されなくても、自分の歩いてきた道は20年若い奴よりも輝いていると思いたい。