仙台広瀬川ワイルド系ワーキングマザー社長

ビールと温泉と面白いものが好きな48歳、高校生男子の母。

「BORN TO RUN」クリストファー・マクドゥーガル

ランナー必読書らしい。ノラヤに置いてあったのに分厚い本に拒否感を感じて読まずにいた。弟からこの本の出版の裏話を聞き、興味を持って読み始めたら、面白くて止まらない。

BORN TO RUN 走るために生まれた ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族

BORN TO RUN 走るために生まれた ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族"

 

走るのに適した民族がいて、そのひとたちがすごいっていう話なんじゃないの?と勝手に思い込んでいたが、全然違った。我々一人一人が「BORN TO RUN」であるという話だった。

多くのランナーは距離の長短に関わらず、体が故障する。足とか膝とか。私も経験がある。そうなると走るのを休まざるをえない。

著者は足のトラブルを抱え複数の医師にかかり、「足によくない」「走るな」と言われ落胆する。

走ることは足に負担だ、体にも負担だ、そういうもんだと思っていた。トラブルと向き合いながら、直したり鍛えたりしてみんななんとかやっているんだろうなと思ってた。 

ところが、メキシコの奥地にひっそり暮らす「タラウマラ族」は、走ることが日常だという。体を壊すこともなく、足が痛くなることもなく、ものすごい距離を走る。子供も年寄りも男も女も…とにかく走る、飛ぶように走る。舗装もされてない上り降りの山道を。

「ララムリ(走る民族の意)」とも呼ばれる彼らの存在を知った著者は、その秘密を知りたくて会いに行く。外界との接触を避けて来た彼らと外の世界との接点となる謎の人物、カバーヨを探しあてる。カバーヨと会った著者は、カバーヨの考える世界最強レースの開催に協力することになるのだった。世界のウルトラランナー達をはるばるこの秘境に呼んで、タラウマラ族たちと競うのだ。果たして彼らは来てくれるのか?そしてレースの結末は。

出てくるウルトラランナーたちがとても魅力的に描写されている。はっきり言ってみんな変わり者だ。特に「パーティー・キッズ」の若い男女ランナーの繰り広げるドタバタが面白い。一瞬なんの本だっけ?と思ってしまうぐらいに。

またやはり驚いてしまうのが、走ること、とりわけシューズについての研究解説の部分だ。ざっくり言うと「高価なランニングシューズは足のトラブルを招く、裸足で走るべき」。タラウマラ族がほぼ裸足で驚異的なスピードと距離を走ってトラブルがない理由の一つはこれではないかということだ。

人間こそが他の動物に比べて走るのに最適化されている生物だ、というのも驚き。人間なんて哺乳動物の中では運動能力で劣る方だと思ってたのに。

まぁ、この本だけで判断するのはどうかと思うし、BORN TO RUN以降もハイテクな高級ランニングシューズが次々生まれていることからすると、多分シューズはある程度は必要なのだろう。

最強のレースがどうなったのか、そしてその後ウルトラランナーたちは、カバーヨは、タラウマラ族はどうしているのか。それは本を読んだあとググっていただきたい。

とにかく全世界に衝撃を与えた本らしい。

これを読むと、いっそう走りたくなる。だって希望が出るじゃないか、「BORN TO RUN」だなんで。長距離を走れるのは、能力を持った人だけの特権だと思ってたのに。

そしてやっぱり、いつかは、裸足かそれに近い状態で走るのを試してみたい。平坦な舗装道路じゃなくて、トレイルランニングも体験してみたい。ワラーチのランナーを見かけたことがある。あれは上級者でないと無理で、初心者はダメなんじゃないか、と思い込んでいたけど、そういうわけではないのかも。

この本を読んで以降、走るたびに、着地の仕方とか、歩幅とか、人間の呼吸が走るのに特化してるとか、この本で出て来たことが断片となって頭をよぎる。それで実際前よりちょっぴり速くなってしまったので驚いた。足の使い方が変わったかな。

まぁ、そんな特別速くならなくてもいいから、笑いながら、軽々と、飛ぶように、走れるようになってみたいものだ、私も。

 

走ることについての本としてもう一冊、有名なやつを今読んでいる。

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)