登米市長沼でキャンプしてきた
8/31-9/1、まだ暑さが残る中、ツーリングキャンプしてきた思い出を記しておきます。
キャンプ地は宮城県登米市長沼。東北風土マラソンの会場としてこの場所を知った。湖畔にキャンプ場があって、温泉もある。マラソン後この温泉に入って気に入ったので、いつかキャンプで来てゆっくりしたいと思っていたんです。
んで、いつもなら下道を走って温泉めぐりしながらのんびり行くけど、どうもそそる温泉もあまりない。お金はかかっちゃうけど、今回は高速で行くことにした。4号線走るの疲れるし。明るいうちにテント張って、キャンプ地の夕暮れと夜をじっくり楽しもうと思った。
念のため前日に予約もしておいた。いつもならいきなり行って「泊まれますか?」なんだけど、受け付ける側の立場からすれば前もってわかったほうがありがたいしね。(ということを、客商売するようになって実感した)
それにしても前日、バイト先で「sato_kawaさんバイクで高速乗るんですか?私、目の前でバイクの単独死亡事故見たことがありますよ。気をつけてくださいね」と言われたばかり。気が進まないけど……
というわけでバイクに荷物をくくりつけて、宮城インターから高速に乗った。あおり運転が問題になった直後なのでパトランプを回した車が走っていて、無茶な運転は少なめに感じられた。でもバイク乗ってるとウィンカー出さずに横をすりぬける車は一度は遭遇するのでほんと怖い。
SA・PAの雰囲気は大好き。必ず寄ってなんか食べたくなる。バイク用の駐輪場が建物の近くにあってしかも屋根付き、というバイク優遇されてる感も大好き。鶴巣で「鶴巣プレミアムあんパン」を食べた。クリームとあんの組み合わせという絶対おいしいやつだったけど、これデイリーで売ってるあんパンと同じ系列ではなかろうか…
築館インターで降り、しばらく迷ったけど想定より早く長沼に着いた。開けた景色、大きな風車が懐かしい!そして長沼を見て驚いた。びっしりとハスが水面を覆っている。はす祭りなんてのも開催されていたらしい。盛りはすぎていて、ちらほらとしか花は見れなかった。なるほど。マラソンの時は枯れてるもんなぁ。マラソンでその地を訪れて知ったつもりになっていても、季節によってまったく違う楽しみ方がある。寒い長沼の印象しかなかったので嬉しい。
長沼キャンプ場は、テント一張り500、入園料300で計800円。まあ安い方だろう。
バイクは一般テントサイトまで乗り入れを許可してもらえた。
ファミリーが何組かいて、設営の真っ最中。私はほどほどにトイレと炊事場に近い場所を選んだ。
テントを張ったら、コンビニに買い出し。そしてビールと氷調達。
氷は、ビールを冷やすために使う。ジッパーつき袋に氷と水を入れ、そこにビールをつっこんだ。
と、急に日が暮れてきた。
美しい眺めに見とれてしまいそうだが、急いで風呂だ。大好きな、ヴィーナスの湯!
ヴィーナスの湯駐車場にバイクを止めると、驚きの光景が目に入った。なんとすぐ横でキャンプをしている人が2、3人。えっ、ここ、キャンプ場だったの?
温泉の人に聞いてみると、ここは兵粮山公園といって、元キャンプ場の公園。みんな勝手にキャンプしているだけらしい。べつに禁止もされていないらしい。
って、つまり、兵粮山公園は温泉に隣接していて無料でキャンプできるってことですか!?トイレもあるし、水道まである。私のようなこじんまりキャンプなら十分。ぐはあ、こっちのほうがよかった!
かつてはここに地ビール工場もあったようだ。北緯39度ビール。震災前につぶれてしまった。やたらでかい建物2つが残され異彩を放っている。
だんだん日が暮れてきて、ちょっとあせりつつ、でもしっかり温泉は満喫した。これから多分夜は冷える、あったまっておかないとね。
風呂からあがった頃ちょうど綺麗に夕焼けになってきた。湖を臨む光景が徐々に赤く染まっていく。ああ、この光景を早くテントサイトで見よう。そしてビールを……
そのとき。
実家から、電話がかかってきたのだ。
私は温泉の休憩所からどんどん暮れていく夕焼けを見ながら、45分も母と喋る羽目になった。なんで1人でキャンプしてるの?の説明から、母の近況報告、さまざまなおしゃべり。母は最近いろいろあって不安定だったので、無下に切るわけにもいかず……
電話が終わった頃にはすっかり体も冷え、夕焼けは終わって世界は真っ暗だった。
…………
ああ、夕焼けを見ながらビールが飲みたかったのに!!!
どこにもぶつけようもない悔しさとともに、バイクにまたがり、テントに戻った。
焚き火をしたかったが、綺麗に掃除されていて、たきぎになるような枝が落ちていない。しかも、「焚き火は20:30で終了してください」と張り紙がある。
ううむ、だらだら焚き火してあったまりながら本読んだりぼんやりしたりして遅くまで過ごすのが好きなのに……
とにかくビールだ。氷水からつかみ出し、カシャプシュ。
ぐびぐび。
ひとり、キャンプで飲むビールは格別だ。
何度経験してもこの瞬間は幸せ。
誰にも邪魔されない。
そのあとは恒例でサッポロ一番みそらーめん。卵と、缶詰の焼き鳥を入れた。
まだ時間が早いので、酔っ払い気分と満腹感をおともに、キャンプ場内を散歩した。遠くから電車の音が響いてくる。フクロウの声らしいものも聞こえた。
トイレにシャワーがあって、ファミリーが使っているようだった。温泉いきゃーいいのに。
長沼公園のいろんなとこにあるオリジナルの張り紙がユニーク。手間かけてんなぁと思う。これ女子トイレだけど男子トイレは別バージョンなんだよ。
さらにふらふら歩いて、気になっていたキャンプ場入り口付近にあった謎の建物「長沼ロッジ」の方に行くと、ネコが一匹寄ってきた。かなり人に慣れているようで「にゃーん」と、目の前でゴロゴロ転がって腹を見せた。にゃーんと言われてもなにもあげられないのだが。ちなみに長沼ロッジは食堂らしい。
ビール二本で散歩したら、酔いが回って眠くなったのでテントに入って寝た。高速は怖いし体も疲れてるしね……
寒くないキャンプの夜は、信じられないほどぐっすり眠れる。すっきり目覚めて、6時前に散歩に行った。開けた眼下に広がる長沼を眺め、山々を眺め、だれもいない爽やかな空気を満喫した。
朝焼け。わずかに湖面に浮かんだ船が見えるでしょうか。「はすまつり」で、はすの間をこの船でめぐるらしいです。
これが長沼のシンボル、風車。
風車のある高台からの眺め。湖面を覆ったハス、ボート用のなんか?が見えます。
朝はごはんを炊いた。ふりかけとインスタント味噌汁。
さて、朝風呂はどうしよう。テントを撤収してまずは風呂。ヴィーナスの湯は10時からなので朝風呂には遅い。Google mapで「たかもりの湯」という見慣れない温泉をみつけた。よし、ここに行ってみるか。
迷いに迷って、やっと着いたのは、こんな細い道の奥にこんなに新しい温泉が?とびっくりするくらいの、綺麗な温泉。700円。
館内は売店もあり食堂もあり、かなり充実している。知る人ぞ知る、ってかんじなのかな。
お風呂も新しく、そんなに広くないが気持ちのいい湯だった。
残念だったのは、露天風呂が高い塀に囲まれた小さな浴槽だったこと。正直、開放感はまったくなかった。
たかもりの湯をあがったあとは、古川から高速に上がって帰ってきた。そこそこ気温の高い中、高速でも暑くて、途中食べたソフトクリームがほんとうにうまかった。PA・SAで食べるカップのコーヒーやソフトクリームって、なんであんなにうまいんだろう。
今回は高速を利用して温泉めぐりも少なめでさくっと行ってきたけど、長沼でけっこう長く滞在できたのでよかった。温泉近い方の無料のキャンプ場にもぜひ行って見たい!