仙台広瀬川ワイルド系ワーキングマザー社長

ビールと温泉と面白いものが好きな大学生男子の母。

ピアスが刺さらない!

先日、たいへん焦る出来事があった。ピアスが刺さらなくなったのだ。

出がけに化粧して着替えて、最後にピアス……しかしうまく刺さらない、この焦り、ピアス人(?)ならわかっていただけるだろう。

 

ピアスはいつも、左からつける。

30年愛用しているピアスがある。これ、ちょっと太いので入りづらいんだ。それが、入らなかった。

あれっ。なんどか刺し直す。おかしい。穴じゃないとこに刺した?そうではなさそう。でも、貫通しない。

まあこのレベルのことはよくある。

気を取り直して、一旦、右の耳にピアスをつける。すんなり入った。そして最後左にチャレンジ……またダメだ!

姿見の前でちゃちゃっとやるつもりだったのを、改めて化粧用の鏡をセットし、座って、よーく見てみる。耳たぶの表も裏も、穴がある。ちゃんと見ながら刺してみる。やっぱりだめ。

穴が塞がった?そんなことはないだろう、5日前にも同じピアスをつけて出かけたんだし。私は2週間くらいしない日もある。

ためしに、耳たぶの裏から刺してみる。すんなり通った。なぜだ。じゃあ、表から。うーんこっちからは入らない!

なんでなんで。気ばかり焦る。早く出かけたいのに。

じゃ、このピアスは諦めよう。

ちょっと細めのパールのピアスでやってみることにした。こっちなら刺さりやすい。

……ええええ!?こっちのピアスも、入らない!

鏡に、耳たぶの裏側を写してみた。あと、0.3mmくらいの位置にピアスの先端が透けて見える。皮一枚向こう側に手で触れられる。これを、ちょっと、ずらせばいいだけなのに?全然貫通しない。ダメだ!いっそ、ここで穴をあけてしまうか?いやそれは痛いだろ。やめとこう。だって裏からは刺さるんだし。新たに穴をあける必要はない。

いろいろやっているうちに血が滲んできた。だめだ。いじくりまわすのは限界。そして、この状態でピアスを刺さずに放っておいたら、穴が塞がってしまうだろう。

再度、裏からピアスを刺してみた。またすんなり通った。そこで、表側にピアスキャッチをはめて固定。とりあえず貫通している状態をキープ。これでやっと出かけられた。

髪で隠れるから、耳の裏側にパールがある間抜け状態はよっぽど注意深い人でないと気づかないだろう。

 

耳を出さないようにしつつ外出を終えて帰宅。今度はパールでなく、小さなカラーストーンのピアスを入れてみる。しばらく貫通した状態にあったせいか、今度は表からもすんなり入った。

安定させるために、そのピアスを数日つけたままにしておくことにした。

ピアスを日常つけないと、こういうことになってしまうのだよなぁ。

あー、参った。焦った。

 

 

ピアスは就職して1年目か2年目に両耳に空けた。

しかし、会社員をやめて仕事が変わり移動手段が主にバイクになると、ピアスはなかなかつけないものになった。ヘルメットをかぶるからだ。ヘルメットにひっかかって耳がちぎれそうになったり、実際ちょっと切れて血が出たりしたのは1度や2度ではない。

だが、ヘルメットをかぶらなくていい日は、ピアスを楽しんだ。飲みに行く時、デートに行く時、お買い物に行く時。それでも普通のピアス人に比べると着ける頻度は低いと思う。そもそも化粧もあまりしないし。

 

やがて私も歳を取り、30半ばを過ぎた頃。異変が起き始めた。ピアスが刺さりにくくなってきたのだ。

私の耳たぶは厚い方だ。刺す時、けっこう距離がある。

歳をとって皮膚、肉体、全体的に「ハリ」がなくなり、ピアスホールにも強度がなくなってきたのだ。だいたい、おっぱいが垂れ始める頃だ。

想像してほしい。トンネルの内壁がふにゃっとなって、全体が重力に負けてたるんでいる中を、突き進まなければならない状況を。

前は「すかっ」と入っていたのが、「うむむむ」と結構な抵抗を感じながら刺さなければならなくなった。耳たぶが薄い人はそんな苦労もないのかもしれない。

こういうたるみ状態だと、ときどき、「ん?貫通しない?」ということが起きる。そういう時は無理に貫通させようとすると傷をつけてしまうので、なんどか刺し直してみる。それでだいたいなんとかなった。

ただ、針のように細めのピアスでは本当に内壁にささってしまうようになった。繊細なデザインのピアスが好きだったのに、ほとんど使わなくなってしまった。

 

あまり放置しておくと、ピアスホールがなくなってしまうという。それは困る。なにが困るわけでもないけど。

ピアスをつけるっていう選択肢がなくなるのが、つまらない。

あくまで自分の場合だけど、化粧は他人のためにして、ピアスとマニキュアは自分のためにしてる。


ピアスをしない人からすれば、理解できないだろう。おしゃれなんてそんなもん。