仙台広瀬川ワイルド系ワーキングマザー社長

ビールと温泉と面白いものが好きな大学生男子の母。

ゆとりの法則ー誰も書かなかったプロジェクト管理の誤解―

前回の「ピープルウェア」から10数年後に出版された「ゆとりの法則」(原題:Slack)。
冒頭から「ピープルウェア」とは全然緊張感が違う。「そうそうなのよ!」とうなずいてしまいました。プレッシャーを与えたり、期限を早めたり。早く仕事をするために有効と思われてきた、これらの「ゆとり」をなくすことで起る様々な弊害の指摘。効率化の名のもとに行われてきたことが実は効率を下げていたり。
やっぱそうだよなぁ、と思ったのは残業について。残業すると、効率が下がる。結果的に人にも企業にも無駄なコストがかかる。なのにふつーの人は残業を通常の就業時間のように考えている。実は今の私の生活、どんなに仕事の切りが悪くとも17時半で母親モードに切り替わり保育所ダッシュ、というのは極めて良いんじゃないかと思えた。私も時々「時間を気にせず仕事し続けたい!」と思い、そして稀に可能になる。が!それはそれで楽しいけど!効率は落ちているのを自覚する。それは私が怠け者だからだろうと思っていたが、残業とはそういう風になってしまうものだとこの本で知って、かなりほっとした。
最後の方に、リスクについての章がありますが、私はこれを読む前に、後に出た熊とワルツを - リスクを愉しむプロジェクト管理
を読んでしまっていたのでした。熊ワルツはこの部分をさらに広げ詳細に解説したものと言えます。おすすめです。「リスクのない仕事は受ける意味がない」。ぎょっとしますが、リスクを前もって認識していなければ怖くない。納期に遅れそうになったら気合いで徹夜すればいいとかいう、リスクを見ないふりをして仕事を進めるほうがよっぽど怖いことだとわかります。