からだで考える
この本を前に読んだときはあまりに難解で頭に入ってこなかった。「なんだか強烈な本を読んだなぁ」という印象が残った。
今、読みかえして、かなり腑に落ちるようになった。私の中のごまかしに、たくさん気づいた後だからだ。
私の口からはすらすらと世間語が出てくる。まるでからだの言葉のように語るすべも身につけている。「いいこと」をしている、考えている、ふりをしたい。だがやはり、自分自身は欺けない。心の底ですきま風が吹くような気がしたら、胃のあたりがつかえる気がしたら、笑っていても、幸せそうな顔をしていても、多分何かが違う。
まさかこの本で、爽快な読後感が得られるとは思わなかった。中島先生の本はもっと読んでみたほうがよさそうだ。いろいろ強烈なのを書かれているらしいので。