仙台広瀬川ワイルド系ワーキングマザー社長

ビールと温泉と面白いものが好きな大学生男子の母。

鉛筆が好きだ、カッターで削るのが好きだ

私は鉛筆が好きだ。もともと漫画家志望だったのもあり、常にガシガシ絵が描ける状態でいたいという思いもあって、鉛筆は常備している。そんなに絵を描く機会はないけど、筆圧が強い私には鉛筆がいい。シャープペンシルでは穴があいたり折れたりしちゃう。
で、鉛筆削りよりカッターで削るのが好きだ。
カッターさえ筆箱に入っていれば、いつでも削れる。場所もとらずにとっても便利。
私の鉛筆削りの師匠は祖母だ。祖母はカミソリで鉛筆を削ってくれた。祖母はいらない広告紙を広げると、顔剃り用の、貝印の濃いピンクのかみそりで、しわしわとなめらかに削っていった。一周目、六角の角のところを削る。二周目は一周目でできた角を落としていく。最後に芯の先端を広告紙に接して、しゃかしゃかしゃか………と、とがらせた。鉛筆削りより味のある削りたての鉛筆が、かっこよかったし嬉しかった。こういう経験が「手仕事」的なものを好きになった根底にあるのかもしれない。
小学生の頃からたまに自分でカッターで削っていたような気がする。祖母のやり方を真似て、でも最後の「しゃかしゃかしゃか」はだいたい省略した。太い線で描きたかったから。先端だけでくるくる回す鉛筆削りもあるけど、あれでは削った面がなめらかで美しくないし、よく途中で芯がべきっと折れてしまう。
鉛筆削りが上達したら本当に鉛筆削り器は使わなくなっていった。そしておとなになるにつれ、鉛筆ユーザは周囲からいなくなっていった。ましてや、カッターで削る人なんてみたことない。
でも私は鉛筆が好きだ。大事な文章は鉛筆で書きたい。気合入れてメモするときも鉛筆がいい。そして、カッターで削るのが好きだ。さくさくした感触が好きだ。カッターで鉛筆を削る行為ってものづくりの一端みたいで楽しい。
知人の大学の先生が「学生にカッターで厚紙を切らせようとしたら、まったくカッターを使えなかった。どう持って、どれぐらいくり出して、どう力を入れればいいのか知らないようだった」と嘆いていた。たしかにカッターなんて使えなくても生きていけるし、小学校でも使わせていないみたいだ。でもカッターってものづくり的に、はさみやのりやセロテープとは一線を画す、一歩を踏み出す道具だと思うんだけどな。
ところで、補助軸を使うと、鉛筆削り機を使用するよりも、ギリギリまで削れるのだ。息子は私より筆圧が強く、ざくざく絵を描くので、すごい勢いで鉛筆が減っていく。補助軸も動員する。で、補助軸につけた状態で、カッターで削ると、こんなになるまで使えるんですよ。エコですよエコ!