仙台広瀬川ワイルド系ワーキングマザー社長

ビールと温泉と面白いものが好きな大学生男子の母。

ぬいぐるみを愛せますか?

新聞の読者欄に「3歳の息子がかわいい、今が一番幸せ、このまま時間が止まって欲しい」というような投稿があった。この手の「育児は大変だけど幸せアピール」な投稿は時々載っているので、少子化を食い止めようという新聞社側の魂胆があるのだろう。*1で、そういうのが載ると、私は「そうかなぁ。私は今の息子(11歳)が一番かわいいと思うけどな。成長するにつれ、かわいくなってきているけどな。むしろ、乳幼児の頃は今ほど、かわいいと思わなかった」と、心の中でつぶやく。
しかし、世間一般的には幼児ってそんなにかわいいものなんだろうか。
成長した子供を知っている今となっては、乳幼児のぷにゃぷにゃした不完全生物のときが、よだれが出そうにかわいいと思う。しかし、リアルタイムに乳幼児を育てていた当時は、ほんとに、つらくて、余裕なくて、育児のやりがいってなんなんだろうと思っていた。世間の育児書や育児雑誌を見ると、みんなご立派に母親になった喜びを語っている。我が子の成長はたしかに面白いけど、どう考えてもめんどくさくて、手間がかかりすぎて、圧倒的に辛かった。私は母親になってからできなくなったことを頭の中で1つ1つ数え上げては、そのデメリットを打ち消すほど子供ってかわいいものなのか?育児って楽しいものなのか?嘘だろう?え?……と、誰へともなく、毒づいていた。
息子に対して今のようにかわいいと思うようになったのは、言葉が通じて、ちゃんと話し相手になりはじめてから、である。
わけのわからん生物だった息子が、会話できるようになって、一緒にいるのがとても面白く思えてきてからだ。いろんな刺激にガンガン触れさせて、相手の反応と自分自身も一緒に楽しめる、そういうことができるようになってからだ。ちゃんと育成する楽しみがフィードバックされるというかなんというか。
うーん、でも、普通のお母さんの「かわいい」の感覚と、違うんだろうな。


そして、ふと「あっ」と思い当たった。
そういえば、私は、ぬいぐるみやお人形で遊ぶということが、一切できない子供だった。
女の子はもれなく、お人形遊びをするものらしい。でも、あんな目だけ巨大で外見が異様で、自分から動きも喋りもしないものを、「◯◯ちゃーん」と擬人化してままごとしたり抱っこしたり一緒に寝たりして愛着を持つということは、私は全然理解できなかった。
大人になってからも、ぬいぐるみを「キャーカワイイー」と喜んで集めて部屋一杯にしている女性がいるけど、なにが楽しいのかわからない。
そういえば、◯◯というキャラにはまるという感情も、理解できない。イヌやネコはかわいいとおもうけど、擬人化したとたん、かわいくなくなってしまう。
あれは、自分から動きも喋りもしない不完全生物たる乳幼児を育てるのに、実は必須な感情で、普通の女性には備わっているけど私には欠けていた、ということだったのか!?


もしかするとですね。これ、一つの指標になるんじゃないかな。
ぬいぐるみを愛せない女性は、赤ちゃんを育てるのに、苦痛を感じやすい。そんな仮説をたててみた。誰か検証してみてください。
もしこの仮説が正しいとしたら。
昔、同僚が結婚するとき新婦が「相手の好きなところ」を「ぷーちゃん(あざらしのぬいぐるみ)を大事にしてくれるところ♡」と紹介していて「こいつ馬鹿じゃねぇの」と思ったことがあった。あれは、バカなんじゃなくて、赤ちゃんをちゃんと愛情持って育てる能力がありますアピールだったのか!

おそらく圧倒的少数派であろうが、私のように、ぬいぐるみを愛せないのに赤ちゃんを産んでしまった人には
「4,5歳になるまで辛抱するのだ!その時こそ、報われるから!」と、言いたい。


というわけで、小学生男子は本当にかわいいです。かわいくてかわいくて、たまらない………

*1:金のない最近ではちょっと解釈が違っていて。育児幸せアピール投稿は子供を育てていれば書けるから、薄謝を狙って書くには楽な題材かもしれないね。そして新聞社側ではそういう記事をたまに載せたいから、需要と供給が一致してるわけですね