仙台広瀬川ワイルド系ワーキングマザー社長

ビールと温泉と面白いものが好きな大学生男子の母。

あした会社がなくなっても生きていく12の知恵

この本はタイトルや内容で惹かれたわけではない。

著者の「大宮冬洋」さん。一度目にしたら忘れられない、素敵な名前。NHK出版のテキスト「趣味の園芸 やさいの時間」の「農女に会いたい!」っていうコーナーの著者として知りました。素敵な農女(農業やってる女子)の魅力にドキドキしつつ農業への真摯な姿勢も詳細にレポートするという、毎回読みやすく楽しい元気になる文章なんです。
末尾のライター紹介のところで、この本のタイトルがあったので、意外に思って仙台市図書館で借りようと思いました。だって、こんな軽妙な文章を書く人が、新しい生き方推進系のビジネス書を書くように思えなかったから……(失礼)。そうしたら、けっこうたくさんの人が予約していたので、読めるようになるまで数ヶ月かかりました。

著者も含めて、「フリーランサー(我々が通常使うフリーランスとは、多少意味合いが違う)」の方々10数名の事例紹介です。基本的には。会社を辞めて一旦落伍者側に落ちてから、どうやって今のように生き生きと働く人になっていったか。フリーランサーと会社員との違い、働き方の姿勢は。などなど。さらっと読めます。
まぁ、既にフリーランスになっている私からすれば、ああ、まぁ、そうだよね。うん。でも、そんなにうまくいく人ばかりじゃないんだよー、と、言いたくなるような、そんな内容でした。著者も、そういう働き方を強く勧めるわけではない、と言っています。
必要以上にかせぐ生き方から、必要最低限しか稼がない生き方へ……というのは、共感はするのだけど、やはり「子供がいたらそういうことできないよね」「独身だったら、ねぇ」とか「私の年収100万もいかないんで必要最低限も稼げないんですけど」などと、つっこみを入れたくなるんです、底辺のフリーランスとしては。
ま、私が駄目な例ってことで、周囲のフリーランスを見ても私の年収が月収の人とかざらだし……きっとうまくやれるんだろうね……どうせ俺なんて……。

しかし、そんな斜め下から眺めていた私の目は、「おわりに」を読んだとたん、カッと見開くことになる。
大宮冬洋さんが大卒で勤めボロボロになって辞めるに至った会社が、あの、今をときめくグローバル企業、年収100万円発言の会社だとわかったから。
そうか、その会社にいたのか。
なんだか、「おわりに」を読んだら、いきなり全体が色彩を帯びた(笑)。

これからブラック企業は増えるだろうから、辞める人も増えて、フリーランスも厳しいだろうな。その時に自分しかない武器って、なんだろう。考えちゃうよ、ほんと。