仙台広瀬川ワイルド系ワーキングマザー社長

ビールと温泉と面白いものが好きな大学生男子の母。

まちに、ひとびとに、祝福を

前置き:前回のブログが呪詛だったので、今回のブログで祝福しようというわけさ。


内田樹先生の本読んでると、震災以前からそして震災以降は一層、「国褒め」という形での祝福を推奨している。

現に目前の山や野がどのようであり、森がどのようであり、川がどう流れており、人々はどのように日々の営みをなしているかを、とにかく価値判断抜きで列挙してゆくことです。

呪いの時代」より。
実例としてユーミンの曲の歌詞が挙げられている。最近は、サザンオールスターズの新曲広告にも、「サザンの曲の歌詞も国褒め」と文を寄せていた。

この、国褒めにあたるような、価値判断抜きでの目の前の光景の報告ってのは、けっこうtwitterFacebookでやってる人いるのよね。
あたしも広瀬川とか周辺のいろいろ、ちょくちょく載せてる。あ、そういえば「ひろせがわつうしん」をシリーズでやると言ってるくせに結局Facebookに投げて満足しちゃってるなぁ。



で、突然なんで「国褒め」の話かというと。
先日、こういうイベントに行ってきたんですね。
柿崎慎也バイオグラフィー
すっごい楽しかったし、面白かったです。TRUNKの元スタッフさんで秋田出身仲間、ぐらいのお知り合いである柿崎さん、でも前からすごく気になってて、面白い人なんだろうななと思ったら、トークも面白いしライブもすごい面白いし、なまはげの話もおもしろかった。終わったあとの懇親会も秋田ゆかりのお店で酒はうまいし料理もおいしいし出会ったいろんな人達とのお話も半端無くおもしろくて、もう最高に楽しませていただきました。あ、あと念願の佐藤純子さんの実物にご挨拶できたのも嬉しかった!
それで、このイベントはそもそも、「『わたしのマチオモイ帖』勝手に番外編」となってまして、私恥ずかしながらマチオモイ帖ってなんなのか良く知らなかった。
これがマチオモイ帖です。
http://machiomoi.net/
この懇親会の場で柿崎さんに説明していただいた時に「宗形さんのやろうとしている、コワーキングスペースを作ろうということは、マチオモイ帖と同じなんです」と、おっしゃったので、ええっそうなのかな!?…と思って恐縮してしまった。しかし後から考えると、実は近いかも……と思えてきた。

マチオモイ帖とは全国のクリエイター達が自分の住む町、思い入れのある町について小冊子を作って紹介するというプロジェクト。仙台では柿崎さんが実行委員長となって、東北6県のクリエイターが作ったマチオモイ帖を展示したそうです。「おおてまち」「かみすぎ」「南三陸」地域の区分は、自由。同じ仙台のことでも、住まないと詳しいことなんてわからない。ああなんと、見たかった。見に行けばよかった。

で、マチオモイ帖を見てもいないのに想像で言うのもなんだけど、マチオモイ帖って「国褒め」じゃないかな。
雑誌とかウェブとかに取り上げるためには、派手なイベントやすっごい面白いネタがないと、つまらん……って、普通は思うじゃないですか。受ける、ソーシャルで広がる、人がわんさか集まる、金がじゃばじゃば入る……そういうの目的にするんじゃなくてね。
淡々と、このまちはこうです。みたいなのを、綴る。撮る。描く。広がらなくてもいい、受けなくてもいい、誰もみなくとも、そうやってこのまちを、ひとびとを、じっと見ている人がいる。しかもたくさん。
そういう事実を知っただけで、ほんわかと、いい気分にならないだろうか。その場所が愛されてるなぁってそういうことじゃないだろうか。
愛するてぇのは、価値を無理やり創りだしたり見出したりするんでなくて、淡々とありのままを「ああ、そうなんですね」と見守ること。反感持たれない町おこしのヒントはこのあたりにあるんじゃなかろうか。


私のコワーキングスペース「ノラヤ」も、自分のできる範囲で、このまちに地道に生きる人達を見守りたいという(自分を含め)思いがあるので、似てるかもしれないと思ったのでした。


それから、シャルソン(ソーシャルマラソン)も「国褒め」じゃないかと思った。シャルソンの説明はこちらに譲るとして。(自分だけど。おわっ一年前か!)
http://d.hatena.ne.jp/sendaiworkspace/20120709/1341840427
観光地とかじゃないんですよ。自分の足で出かけて、「なんだこれ」「へぇ〜」ってなるのは。地道に暮らしてる人たちの息遣いだと思う。
あーっと、そうだ。このたび、仙台シャルソンが始動しました!といっても私はなんもしてなくて、松橋穂波さんという元気な方が中心になってます。来月の広報とS-styleに載るらしいよ!10/20日(土)開催!


そんなわけでですね。
「このままじゃ駄目だ!」って言い続けると疲れ果てるでしょう。「このままじゃ駄目!」「もっと良くしよう!」は、立ち位置が否定からスタートですから。気持ちはわかるけどさ。
時々立ち止まって、国褒めしてみよう。
おいらも若いころはバリバリ「このままじゃ駄目だ!」派だったのに、変わったもんだぜ。


マチオモイ帖、第二弾あるなら、ぜひとも参加したいものです。そのためにはクリエイターにならなければ。