遠野ホップ収穫祭2018、日帰り体験とビールの旅
8/26(日)、遠野ホップ収穫祭2018に行ってきました!
※イベントのウェブサイトが見つけられず
遠野は母の出身地だ。小さい頃何度も訪れた大好きな場所。とはいっても、民話の里というより「おばあちゃんの住んでるアパートの場所」の印象が大きい。あの頃の遠野の空気、通った銭湯の湯気とせっけんのにおい、アパートのそばの川の音、夜9時の「ねんねんころりよ」のチャイム、散歩しに行った鍋倉城。私の心のふるさとだ。
そのおばあちゃん…祖母も私の父の逝去とともに秋田に住むようになり、だいぶ前に亡くなり、風呂なしトイレ共同だったアパートはとうの昔に建て替えられ、たまに墓参りに来るぐらいしか訪れる機会がなかった遠野。
しかしここのところホップの里として知られるようになってきた。さらに遠野醸造という新しいクラフトビールができたらしい。ビール好きとしてはぜひとも行かなければ!
8/25.26の遠野ホップ収穫祭は絶対行こうと思っていた。すると見学や体験もできるバスツアーがあるらしい。息子をさそったけど断られたので一人で申し込んだ。
26日、盛岡からバスで出発。まだ10時前だというのに車中ではさっそく乾杯!たまらない。
この遠足みたいな気分、久しぶり。わくわくしてきます。参加者はご夫婦や友人どうしも多いけれど、一人で参加している人もけっこういて、ほっとしました。
最初の見学・体験は、「パドロン収穫」。
パドロンとは、最近遠野で作っている野菜。なんでもスペインでは、日本での枝豆のように皿に持ってお酒のつまみとしてぱくぱく食べるんだそうです。
こちらが畑。
このししとうのようなピーマンのような小さい実がパドロンです。
こちらの収穫体験をさせてもらいました。生でも食べていいとのことなので食べてみました。ピーマンのような香りがあるけど苦味はない。かすかな甘味。
指三本幅くらいの長さがちょうどよくて、それ以上大きくなると、辛味がでてくるんだそうです。辛いのが好きな人はあえて辛いのを収穫してました。
農家の方が、真っ赤に大きくなった実も見せてくれました。こうなるとすごく辛いんだそうです。
で、こちらはありがたく持ち帰り。
次はホップ畑。
遠野ではホップ栽培の歴史が50年もあるんだそうです。そんな昔から……母や祖母からホップの話は聞いたことがなかったのに…(あとで聞いたら「近所でやってたよ」とこともなげに言われた)とれたてホップ一番搾りなどで「遠野」が知られてきたのはけっこう最近だと思う。その前はもっぱら遠野物語だった。もっとも私が子供の頃は遠野物語すら知られてなかった気がする。
とにかくビール好きとしてはホップ畑というのはわくわくするものです。本物、みたことないですから。
まずホップの加工場へ。ガイドの方から「高いところに上がります!それからけっこう騒音がします」とのことで、ヘルメットとガイド用トランシーバを渡されました。
びっくり、本当にかなり高さのある工場です!
つる状のながーいホップが、ベルトに釣り上げられ、上がって行きます。球花を落として、球花が大量にベルトコンベアではるか上の方へ……
ホップの香りが満ちています。想像したビールの香りとは違うものですね。でも、いい香り。
狭い階段を上がって行った先に、このようにホップがどんどん落ちてきます。
そしてここではマダムが虫食いや雨で傷んだものなどを取り除いています。
生のホップはしばらく乾燥します。
乾燥させたホップは、このパイプから袋詰して…
こうして袋詰めされたものは工場に運ばれ、ペレットに加工されてからビール工場でビールに使われるわけです。
ところが、ここに別送の生のホップが。
これ、今年の「とれたてホップ一番搾り」に仕込む用です。このあとすぐトラックに乗せて(横に止まっていた)車内で冷凍、キリン仙台工場へ行って使用されるんだそうです。本当にとれたてホップを使っているんだ!と、ちょっと感激です。いやー10/23の発売が楽しみだ!!
ではこのホップがどのように作られているか。ホップ畑に移動します。
これが畑!?
でかいです、ホップ。
しかも生育途中でひっぱって下げたり巻き付けたりしてやらなきゃいけないんだとか。ホップ畑は高所作業が多くて大変、というのを聞いたことがありますが、これは本当に大変、重労働だ。
でも実際働いていたのは、高齢の方ばかりでした。
これが球花がなってるところです!本物だー。
かわいい。
球花をほぐすと、黄色い粉があります。この粉が香りと苦味のもとの「ルプリン」。鮮烈なかおり。
ホップの収穫は短期間。あと10日もすればこの畑のホップもなくなります。貴重なものを見せていただきました。
さて見学・体験を堪能したので、あとはビール祭り会場へ!出発まで自由時間です。
飲むぞー食べるぞー。
ツアーにはチケットがついているのでお得です。ビールを飲み、遠野名物のジンギスカンをいただきました。
屋外のテーブルで食べていたら雨が強くなってきました。
というわけで、屋根のあるとこに行きます。念願の遠野醸造さんへ!
うわー。すっごく素敵なお店です。
仙台にこういうお店欲しい!
まずはペールエール。すっっごくおいしい!目を丸くして飲んだ。この突き抜けるような香りと味わい…ああ、語彙が足りない。
おつまみにはパドロンの素揚げ。揚げると甘みがちょうどいいですね。いっぱい食べちゃうのわかるわ。一個辛いのがあって「なるほど、これか!」とにんまり。それもまた一興。
これはESB。
苦味と甘味がありまろやか。おいしい。
見ると、カウンターにはバスツアーの一人参加のお仲間が。ああ、おともだちになりたい。
お店の方が「バスツアーに行ってきたんですか?」と話しかけてくれて、母の実家がこっちであること、クラフトビール好きな仙台の人間であることをお伝えしました。
隣の席の方は、釜石から一人でやってきたとか。もっとのんびりしてお話したかったけど、ビール祭りの会場に戻り、キリンのブースへ。
お友達の阿部さんから「麦酒大学の山本さんのビールは絶対飲んで!」とtwitter で言われましてやって来ました。
注ぎ方がたくさんあって、同じ一番搾りなのに味が全然違うのだそうです。
2、3種類飲んで比べてみたかったけど、もうキャパシティオーバー。一杯だけ。「マイルド注ぎ」をしていただきました。ビールが苦手な人向けに苦味を抑えた注ぎ方だったのですが、すでに飲み過ぎな私にはマイルドでちょうど良かったかも。
いい感じに酔っ払い、お腹も満たされて、帰りのバスに乗り込みました。
帰りの休憩に寄った道の駅「風の丘」では、いわゆるお土産品には目もくれず、ピーマンを買ってしまった。すっごく安かったんだもの。
バスでは爆睡。盛岡駅で解散しました。
あー、楽しかったー。
遠野がこんなふうに盛り上がってるなんて本当にすごいことだと思いました。
母の親戚は空き家を持て余しているし、母の生家ももう跡形もない。
でも県外からいろんな人がやってきてここの魅力を見出して住み着いている。すごいなあ。
なんか岩手っていいんだよなあ…文化的で。まあそりゃ私に岩手の血が入ってるからそう感じるだけだろうけど。どーも仙台って人疲れするんだよね…
とにかく、祖母の墓参りのほかに遠野に行く目的ができた。
今度は泊まって、ジンギスカンもしっかり食べてビールもいっぱい飲みたいものです。
(残念ながら母はビールもジンギスカンも苦手…)
来年はマラソンとセットで参加します!!