喜代乃湯が好きだよ
銭湯はいいぞ。
前に銭湯訪問記をやるって言ってタグまで作ったのにやってない。
やらなくてごめん。
でもねぇ。正直、レポートなんて疲れることやりたくないんだ。その入浴中の時間は心底その場を楽しみたいのに、後で文章に書くことを念頭に置いて、「こう書こう」「おっこれはネタになる」なんて考えたくないじゃん。
目の前のお風呂に集中したいじゃないか。風呂は全身全霊を投じて感じお湯と空気と一体化するのだ。
などとわがままを言うので、私は文章を書くのが好きだがライターなどできっこない。
まあそれでも、いいぞ、と言わずにはいられない。
なぜなら銭湯に入る人がいなくなると銭湯が仙台市から消えてしまうからだ。あっこれ前にも言った気がする。
でも混みすぎる銭湯はちょっと嫌だというわがままな気持ちもある。
みなさん、私が行かないときに行ってくださいね。
仙台市に銭湯は今、4軒しかない。スーパー銭湯とか温泉施設ではない、純然たるまちの銭湯は、ね。
・青葉区 駒の湯
・宮城野区 喜代乃湯
・青葉区 花の湯
・太白区 鶴の湯
駒の湯はいちばん街中からアクセスが良い。風呂入ってから飲みに行くならここ。
喜代乃湯は車やバイクでアクセスしやすい。
花の湯は住宅地にあり唯一ホームページがある。
鶴の湯は地下鉄・JRで行ける銭湯。
で、私が通い詰めているのが喜代乃湯である。
なんで喜代乃湯かというと。お気に入りポイントを列挙する。
お湯が熱め。
バイクで行きやすいし、駐輪スペースも広い。なお駐車場もある。
バイクで行く途中宮町を通るが、宮町の夜の風情が好き。
脱衣所が広くて他人を気にしなくてよい。
湯上りくつろぎスペースも広い。
ドライヤーが10円。(20円のところもある)
回数券があってお得に入れる。
あと、こどもの日に菖蒲湯をやってました。冬至は柚子湯なのかな。このポスターいい味出してるよね。
ここはまず、構造が面白い。マンション二階に受付と脱衣所があって、脱衣所から階段を下りた一階がお風呂なのだ。
カランのお湯から出るのは激熱のお湯。水と同時に出して温度を調整する。
湯舟はふつうのが一つ、ぶくぶく泡風呂が一つ。で、一人用のマッサージ風呂と水風呂もある。
サウナもあるが入ったことがない。
事情によりしばらく毎日のように通ったことがあった。今でも週一は行く。バイクでだいたい15分。
夏になり水温が高いせいか、お風呂の温度もさらに熱めになってきた。
湯上りにバイクに乗るため長袖ジャケットとジーンズにならねばならない。猛暑だったある日。ふと、水風呂に入ってみようかと思った。
サウナーの人が「ととのう」ために必須という、あの水風呂。いままで決して近寄らなかったけど、入ってみましたよ。
浸かったら、数十年忘れていた記憶が蘇った。
私はたしか小学校高学年あたりから高校卒業まで、風呂上りにシャワーで水を浴びるのを習慣にしていた。ただ浴びるんじゃなくて、般若心経を唱えながら。もっとも般若心経は全部覚えていなかったので途中まで。
なにをきっかけにそんなことをはじめたのか。なんか霊験あらたかな効果があるんじゃないか、霊能力が身に着くんではないかと思ってやっていた。昔から私は変なことをするのが好きだった。うちの家族はみんなへんな人なので誰も私をとがめることもなかった。
毎日かかさずやっていたおかげで健康であったわけでもなく、シャワーからカランに戻すのを忘れて何度も冷水を母に浴びせた。得なこともなかった。
それを思い出したので、唱えました。般若心経を。途中まで。
あれっ、と思うくらい短い時間だった。ん?私、二回唱えたんだっけ?
まあいいや。
「ととのう」ではないけど、そういえばこんなかんじにすっきりしたなあ、とさわやかな気持ちで上がったのだった。
仙台市では毎月5日と25日がシルバー入浴デー。この日はお年寄りの利用で銭湯がやや混みあう。それ以外の日は、私の他に3人入っていれば多い方である。
設備の維持は大変なのに、入浴客が少なくては困ると思う。
みなさんぜひ銭湯に入っていただきたい。
いつか宮町か上杉に住んで喜代乃湯に徒歩で通う暮らしをしたいのだ。その日まで続いていて欲しい。