仙台広瀬川ワイルド系ワーキングマザー社長

ビールと温泉と面白いものが好きな大学生男子の母。

自営業(個人事業主)の家族を扶養するには

2012.12 追記:いまだにこのブログが多数参照されていますが、念のため申し上げます。私は自分が自営業で扶養されている経験をブログに書いているだけで、専門家でもなんでもありません。自分以外のケースについてもまったく詳しくありません。相談されても一切答えられませんのでご了承ください。基本は、税務署に聞く、に尽きます。

更新履歴:2008.9.3 年収の部分、所得税の扶養の記述を修正、追記。


私のブログに来る人は何で検索してくるかというと、圧倒的に多いのが、「Rails」「仙台」「ワーキングマザー」…ではなく、「自営業」「フリーランス」「扶養」「出産手当金」なのです。
その中で、自営業と扶養ということについて、ちょっと調べてまとめてみました。自営業者が被扶養者のケースです。
調べたら「自営業は扶養できない」と決められている所があると知り、びっくりしました。参考になれば幸いです。

※個人的に調べたものであり、その筋に確認したわけではありません。もし間違いがあったら、指摘してください!修正します。

はじめに。

「自営業なのに扶養されるなんて」とお思いの方もいるかもしれません。でも事業をはじめて最初からかせげる人なんてほとんどいないと思います。独立して初めて知る厳しさ。しかし簡単にやめるわけにはいかない。雇われていたときには全く感じなかった「稼げない悔しさ」を実感します。
いくら自己嫌悪しようと、日々の生活には追われ、お金は出て行きます。扶養の条件にあてはまるなら、扶養してもらったほうがいいです。活用できる制度は、活用するのです!

扶養とは

扶養と一言で言っても二種類ある、というのがまず基本。

以降、扶養する人はサラリーマンということで説明します。

自営業の年収とは何か

サラリーマン時代にはわかりにくかったのですが、収入と所得は違います。扶養する人(私の場合は夫)の会社の事務も、自営業のケースに詳しくないため間違ったことを言うことがあります。そのせいで認められるものも認められなかったら損なので注意しましょう。

2008.9.3 済みません、思いっきり違ってました。

基本的に、売上から経費を引いたものと考えます。(ただし、後述するようにそのような解釈をしない健康保険組合もありますので、そのときは健保の指示に従う。)

年収は、年間の収入金額です。経費を引く前です。青色も白色も同じです。

***白色申告の場合
収支内訳書の21番。
収支内訳書(一般用)http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/yoshiki01/shinkokusho/10.pdf

***青色申告の場合
青色申告決算書、損益計算書の43番です。
所得税青色申告決算書(一般用)http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/yoshiki01/shinkokusho/13.pdf

会社側に提出する書類

白色…収支内訳書、青色…青色申告の場合は決算書の一枚目、損益計算書
そして、確定申告書の写

所得税の扶養

2008.9.3 自分が間違ったポイントを追記します。

年末調整をする会社(私の場合夫の会社の総務)は、「奥さんの年収が103万を超えなければ」という言い方をします。
しかし、この場合の年収とは、給与所得者を前提としているので、上記に書いた年収と同じ意味にとってはいけません。

いわゆる103万の壁は、自営業には関係ありません。本当は「所得が38万の壁」なのです。給与所得者の場合、経費でこれぐらいかかってるでしょう、だからその分税金の対象からひいてあげるねってことで最低65万の給与所得控除というのをされるのです。自営業者は自分で経費もきっちり計算していますから。
扶養者(私の場合夫)の年末調整の時期に、確認しなければなりません。
年末調整の時期というとその年度の収入はまだ確定しておりませんが、見込みを概算しておきます。

配偶者控除と、配偶者特別控除にあてはまるかどうか

配偶者控除は配偶者の所得が38万をこえなければあてはまります。38万をこえた場合は、今度配偶者特別控除にあてはまるかどうかチェックします。
配偶者特別控除は、所得が76万をこえなければあてはまります。

この場合の所得って?

申告書Bの9番です。つまり、青色申告している人は65万の青色申告特別控除を引かれた後の額です。見込みで出すときも青色申告特別控除を忘れず引いておきましょう。
※もちろん事業の他に給与所得や株式の譲渡所得などある場合はそれも足すんですよ

健康保険の扶養

健康保険の扶養と、国民年金の方の3号はセットで手続きします。「130万の壁」といわれるものです。つまり年収が130万以内なら扶養になれる。また「年収」という言葉がでてきました。実は、この「年収」の解釈をはじめ、自営業者への対応が事業所によってまったく異なります。注意が必要です!!

事業所の規定を明記した企業のリンク集

検索して目についた健保のWebを調べてみました。130万というのは大体同じですが、何が130万なのか、その判断が微妙に違うようです。また、明確に自営業はダメという所もあり。

富士通健保

http://www.fjkenpo.or.jp/certificate/genkyo/letter/04.pdf
を最初に挙げる。事業所得のケースについて
「所得額の合計にてご確認ください」と書いてますね。 
http://www.fjkenpo.or.jp/certificate/authorization_02.html
こっちではさらに「所得額の合計に減価償却費、青色申告控除額を加えた金額にてご確認下さい」と書いてますね。

ソニー健保

http://www.sonykenpo.or.jp/guide/guide05.html
「自営業 〔売上金額−(売上原価+経費)+減価償却費〕+年金、不動産などのほかの収入」だそうです。
ところがなんと、こちらを見ますと
http://www.sonykenpo.or.jp/guide/pdf/tenpu_itiran.pdf
「事業をはじめたばかりの方は、ある程度、先の収入の見込みがあり、ご自分が主たる生計維持者になり得ると考えられるため、現在は扶養申請はできない」
との記述があります。すごく偏見だと思うんですけど。

JFE健保

http://www.kenpo.gr.jp/jfekenpo/qa/huyouqa.htm#06
なんと!事業主は扶養できないと明記してあります。

ダイエー健保

http://www.d-kenpo.com/family.htm
明記はしてませんが、書類の中に自営業についても書いてます。

トヨタ

http://www.toyotakenpo.jp/category/health_guide/entry.shtml
収入の額しかかいてないから、対象なのかな?

住友金属

http://www.kenpo.gr.jp/~sumikin/sinsei/huyou/hantei.htm
ここでも自営業は対象外です。

NEC

http://www.neckenpo.or.jp/insurance/procedures/docs/01.html
自営業についても記述があります。 

ホンダ

http://www.hondakenpo.or.jp/hoken/hokensho_fuyoshinse01.html
自営業についても記述あり。

新日鉄

http://www.nsckenpo.or.jp/jinsei/02_03.html
「※農業や自営業者等の事業者の収入は、当該事業遂行のための必要経費を控除した額となります(税務署で認められる必要経費とは異なります)。」
どういうことだろう?当該事業遂行のための必要経費を確定申告で出しているんだとおもうんだが。

クボタ

http://www.kenpo.gr.jp/kubota/sinsei/huyou/jirei.htm
自営業はダメではないが、経費を引かない「売上」を基準としているようです。
事例集で「当健保では、自営業の場合の収入は、売上高を基準としているため、認定されない」という記述あり。


というわけで、健保によってまったく異なりますので、扶養者の健保の決まりを確認するしかなく、「自営は扶養にできない」であった場合は残念ですねとしか言いようがありません。
でもやっぱり納得できませんよね。パートでも自営でも、働いてお金をいただくのはまったく同じだというのに。

扶養が認められた後

健保の調査の結果被扶養者と認められたとしましょう。でも、企業によっては、夏頃確認のための調査があります。そのとき、今年度の見込みを出せるようにしておかなければなりません。また、見込みで被扶養の条件を超えるとわかったらその時点ですみやかに届け出ましょう。
ちなみに国民年金の第3号被保険者になったときはハガキが来ます。しばらく来ないときは役所の窓口で確認してみましょう。

扶養手当、家族手当、ファミリーサポート

これはさらに企業によっていろいろで、所得税での扶養控除の対象になれば、とか、健保での被扶養者で年齢制限ありとか、申請すれば誰でもとか、色々みたいです。

おわりに

扶養の認定で、自営業は妙にもめます。
自分が申請して手続きできればいいものの、基本的には配偶者が多忙な合間をぬってやらなければならないのです。前例がないとか、給与所得じゃないとかで事務側が慣れてなくて間違いや無駄な書類の戻りが発生したりして本当にうんざりします。配偶者もイライラして「扶養なんてめんどくさい、あんたがろくに稼がないからこんなことに。専業主婦してるほうがましだろう」とか言い出します。そうなると家庭内に亀裂がはいります、ええ。実体験。もっと確認すれば去年から被扶養者になれたかもしれないけど、夫とのやりとりにうんざりしてあきらめた体験がこれ。id:monyakata:20070116#1168926561
そうならないためにも、いわゆる「103万の壁、130万の壁」というのは一旦頭から外して、自分でも勉強して、そして見込み所得も常に出せと言われれば出せる状態にしておいて、望みましょう。

「扶養されないなら、がんがん稼げばいい」と、給与所得者は簡単にいいますが、そんなに簡単じゃないです。身は一つだし、時間も健康も有限です。
でも、いつかは本当に扶養を抜けるくらい稼げますように。

ついでに…

今回、私は初めて「自営業というだけでどんなに所得が低くても扶養の対象外」という健保があるのを知ったのですが、やはりそれに疑問を持つ人はいるようです。こちらのページの下の方にいろいろ書いてあります。
http://bekkoame.ne.jp/~tk-o/kennpo/hihuyousha.htm