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仙台広瀬川ワイルド系ワーキングマザー社長

ビールと温泉と面白いものが好きな46歳、高校生男子の母。

アートシステムファクトリはなぜ失敗したか―自営業になって10年が経った―

気がつけば自営業になって10年が経った。

自営になって10年もやってるなんてすごいじゃん!と言われそうだけど、ぜんぜんすごくない。収入は右肩下がりで、今年はおそらく開業以来の最低収入を記録します。稼げないなら、普通は廃業して他の手段を考えますよね。それでも続けているのは、夫に養われているから、稼がなくても生きていけるから。やーいやーい負け犬。

10年目でも10の位が増えただけで淡々と過ぎる。しかし、振り返るきっかけにはなるかもしれない。そこで「アートシステムファクトリはなぜ失敗したか」を考えてみた。
理由1:そもそも、自営になった動機がたいしたことない
 きっかけはお客様から「助けて欲しい」と言われたから。志もなにもなく。
理由2:子持ち&母子家庭状態のため仕事とコミュニティ活動をセーブした
 とにかく全然動けなかったのでいろいろ諦めた。
理由3:自分に向かないことにばかり手をだしている
 RailsRuby、ウェブデザイン、FlexAdobe AIR……どれもこれも挫折。
理由4:養われているため、なにがなんでも稼がなければという気合が足らない
 そのまんま。
理由5:これをやりたい!なしとげたい!というものが、特にない
 コワーキングスペース運営はやりたいけど、夢とか、そういう位置づけではないんです。

……この理由1〜5について、実は、各項目については長々と文章で説明したものを用意したんですが、書いてるうちに言い訳だらけで読むのも嫌だと思って公開するのをやめた。


ところが。
……嫌になりつつ読んでいて、「あれっ」と、気づいた。
「迷惑」って文字ばっかり出現している、と。

お客様に迷惑になると思ったので、やめた。
他のメンバーの迷惑になるので、やめた。
家族に迷惑がかかるので、諦めた。

…もしかして、「迷惑」を気にしていると、自営業はアウトなのか?という考えが頭をよぎった。
私は人に迷惑をかけたくない。
なにか新しくて立派そうなことを初めた人が、周囲を振り回して、私も迷惑をかけられると、滅茶苦茶腹が立つし、こんなことは自分は絶対しないようにしなければ、と思う。場合によっては、その人と関わらないようにする。

金を払わない、約束を守らない、連絡しない、ルールを守らない、繰り返すドタキャン。そういう人達への怒りは、やっぱりどうしても忘れられない。顔で笑っていても心の底で「人間としては信用できねぇな」と思ってしまう。

だけど、こんなにも「迷惑になるから」が自分の足かせになっていたとしたら、もうちょっと迷惑を気にしないことも、私には必要なんだろうか……?
思い起こせば、私が無茶苦茶腹を立てた人達についても、怒っているのは私だけで、みんな普通につきあってたりする。実は「ここから迷惑」というレベルが私は低すぎるのかもしれない。
うむむ。

というわけで、11年目は、「迷惑になるから」とさっさと諦めるのではなく、実はそんなに迷惑じゃないかもしれないから、ちょっとずつやってみて、迷惑レベルを上げていったほうがいいと思ったのだった。自分が迷惑をかければ他人に対しての不寛容も徐々に変わってくるかもしれないしね。
それで光明は見えてくるのだろうか。
やっぱり収入が下がる一方ならば。同じ時間、パートやアルバイトしたほうが稼げる、そうなったなら。自営をそろそろやめるのも、ありかもしれない。
それこそ、お客様とかノラヤの利用者に迷惑、なんて思うより自分のことを優先して考えないとね。
なにしろもうすぐ45歳。体の自由がきくの、あと10年?20年?という年なんだし。


ちなみに。10年間自営していた中で一番あぜんとした出来事は「子どもを認可保育園に入れたいが夫婦の収入が多く待機児童になりそうだ。もっと収入を減らしたい。ついては、副業の経費を増やしたいので、仕事をしたことにして領収書だけくれないか」と依頼されたことです。犯罪ですよね。もちろん即断りました。