仙台広瀬川ワイルド系ワーキングマザー社長

ビールと温泉と面白いものが好きな大学生男子の母。

酒には真摯に向き合いたい

日本酒の話。普段生活していると、酒が減らない。
(主に夫が)一升瓶とか買ってくる。で、いっこうに減らなくて、冷蔵庫の中に3,4ヶ月居るわけですよ。本当はもっとはやく飲むべきなのに。もったいないしスペース取っちゃって困る。
夫がいうわけです。
「なんで飲まないの?」
私は答えます。
「飲むような状況にならないからです」
だいたい、夕方以降の時間は怒涛の家事消化時間であり、日本酒をコップ一杯でも飲もうものならやるべきことがなにもできなくなる。夕食時いただくのも、せいぜい、さかづきに一杯である。ならば家事が終了し息子が寝たあとじっくりと飲めばいいではないか、という意見もあろう。実際そうやっている人もいるらしい。が、私の場合、家事が終了すると疲れ果てて、自分も一刻も早く寝たくなるのでとても酒飲みどころではない。
すると夫が言う。
「寝る前に飲めばいいじゃない」
私が「は?」と言うと
ナイトキャップ。飲んですぐ寝ればいいじゃない」
はぁ?そんな飲み方したら、酒が味わえないじゃないですか。そのまますぐにでも寝たい状態で酒を飲んで、酒の味もへったくれもわからないまま寝て、なんの意味があるのか。ただ体内に無駄にアルコールを摂取しただけではないか。
「酒を飲むからにはねぇ、じっくり味わいたいわけですよ。ちゃんと起きていて、他に邪魔するものもなくて、ちょっとしたおいしいつまみを用意して、のんびり、じっくりと。そういうシチュエーションがないと、さあ飲むかっていう気にならないじゃないですか」
と言ったら夫はあきれてしまった。


それで思い出した。私が妊娠中のことだ。
当時まだ妊婦のアルコール摂取にはそんなに厳しい風潮ではなかった。それでも私はいろいろなノンアルコールビールをためし、結局ホッピーが一番おいしいということがわかり、妊娠中はホッピーを飲んでいた。ホッピーを知らない人のために解説すると、本当は焼酎を混ぜて飲むものである。(実は、ホッピーはノンアルコールではない。でも当時は知らなかった)。
ある日。夫が用意したホッピーを飲んでいたら
「ちょっとおいしいでしょ」
と言うので
「なにが?」と答えた。特に変わりばえのない味だった。
「実はね、あなたが喜ぶと思って、すこしだけ焼酎入れてあげたんだよ」
と、さもいいことをしたような顔で言う。
唖然とした。そして逆上した。
「なんでそんなことをしたの!?まったく意味がない!」
妊娠中はアルコールが摂取できないから焼酎なしで飲んでいるというのに、焼酎を入れられて、しかも味もなにも変わらない程度で、何の意味があるというのだろうか。私にとって何一つ嬉しいことはない。飲むんだったら、ちゃんと飲んでいい状態になってから思い切り飲みたい。胎児の影響を気にしなくていい状態になって、心から酒を楽しめる状況で飲みたい。それが、当たり前の感情じゃないのか!?
しかし夫は私の反論を理解できず「喜ぶと思ってしたのに……」と不満顔でぶつぶつ繰り返した。


そのことを思い出して、そうか!と気づいた。酒飲みには二種類ある。
酒を飲むということはちゃんと味わうことだ、味わえる体制で飲みたい。そうじゃないときは飲まなくてもいい。というのが私の場合。
体内にアルコールを投入すればそれが酒を飲むことだ、そして味わったりしなくてもどういう状況でも飲みさえすれば嬉しいことなのだ。というのが夫の場合。
だから後者の人は酒の消費が多い。いつでも飲めるから。前者は少ない。

…と、いうわけで、相変わらず私は酒を減らすことができず、日々の生活に追われている。週一ぐらいは、夜、じっくり飲みながら一人の時間を楽しみたいと思うのだけど、毎日バタンキューだ。よふかしするには昼寝しないと駄目なのよね。
なお、ビールはよく飲んでます。あれはあまり体制を整えなくても飲めるものだと思う。ダメージが少ないから家事も継続できるしね。だからビール大好き。ください。