仙台広瀬川ワイルド系ワーキングマザー社長

ビールと温泉と面白いものが好きな大学生男子の母。

腕時計を無くした

腕時計をなくした。

もう、失恋とおなじぐらい、強烈な落ち込み。胸の奥をえぐられてエネルギー全て持ってかれたような。もう一度立ち上がれる力があたしに戻る日がくるんだろうか。
すみません、たかが腕時計。以下、ぐだぐだしてるんで見たくない人はみないでください。


泉IC近くの、竜泉寺の湯に朝風呂に行こうと思いたち、バイクに乗って、開店の朝6時から満喫し、帰ってきて、朝食作って、昼寝した。目が覚めたとき、左腕に時計がないのに気づいた。
びっくりした。
なんで!?と頭が混乱した。どこに置いてきたかというと絶対竜泉寺の湯の脱衣所のロッカーだ。扉内側の物入れに置いて、忘れないようにと目立つようにして、そして帰る時にそれを腕に巻いた記憶がない。
竜泉寺の湯に電話して、見つかっていないことを知り、とにかく現地にもう一度行く準備をしながら、引き続き「なんで?なんで?」と脳内で繰り返した。


腕時計の存在がないと落ち着かない。
腕時計がないと不便でしょうがない。
6年くらい相棒だった、私のVICTORINIX。
そんな私が、こんなにも長い時間、腕時計がないことに気づかないことなんてありうるんだろうか?確かに帰路は急いでいた。早く家に帰って朝ごはんをつくらなければと。そして朝ごはんを作っている間も、まったく気づかなかったようだ。しかもそのあと昼寝までして。本当は家のどこかにあるんじゃないのか。でもおもいつくところみんな探したけど、ない。
今にも雨が降りそうな流れの悪い4号を、泉に向かって焦りつつ走った。
竜泉寺の湯に行って、スタッフの方に事情を話し、中に入らせてもらい、脱衣場に行った。私の使っていたロッカーは覚えていたが、使用中。
ひたすら待つこと一時間。
やっとそのロッカーを使っている人が来た。事情を話すと親切にも中を全部開けてくれたが、時計は、どこにもなかった…。

なんてこった。
誰かに持っていかれてしまった。
あんなに毎日一緒にいたのに。
日焼けのあとがついたって気にせず、ずっとずっと腕に巻いてたのに。
私の人生のいちばんいろんなことがあった時期を、ともに過ごしたのに。

フロントでお礼を言い、連絡先などを伝え、とぼとぼと外に出ると、雨。
バイクのそばでへたり込んで、しばらく立てなかった。

完全な、私の過失だ。馬鹿だ。でも、自分を責めたってしょうがない。既に充分、ダメージは受けた。
持っていった誰かを責める気にもならない。
竜泉寺の湯も悪くない。そこそこ、いいとこだったし。

バイクに乗って帰る。こんな気分でひどい雨の中、ウェアから雨が染みて最悪のコンディション、なんか事故りそうだな、私。ぼんやりと周囲の感覚がなくて、一枚覆いがかかってるようだ。宮城野区あたりでようやく車の流れが良くなり、ちくしょう!とアクセル開け気味で来たけど、事故らずに家まで着いた。


なんかの身代わりになってくれたんだと思うことにする。
あんなに長い時間、私が腕時計がないことに気づかなかったのが不思議でしょうがない。そういうことなんだろうな。
お別れです。長い間、本当にありがとうございました。

夫が「新しい時計を買ってあげるよ」と言ったがそんなものいらない。全然違う。自分で買った時計だから、思い入れもあったのに。

願わくは、あの、ブルーの文字盤のVICTORINOXのダイバー時計を持っていったどこかの女性が、大事に使ってくれますように。電池交換だって、ヨドバシに頼んで二週間もかかってしまう、手間のかかる奴なので。電池なくなったぐらいで、捨てないでよ。