仙台広瀬川ワイルド系ワーキングマザー社長

ビールと温泉と面白いものが好きな48歳、高校生男子の母。

東北風土マラソン&フェスティバル2019でハーフ走ってきた!

3月のマラソンなのに、レポートを書くのをすっかり忘れてました。今更ですが、ちゃんと記録に残すためにも書きます!!

 

はじめに

…てなわけで、改めて。

今年も行ってまいりました。

tohokumarathon.com

 

東北風土マラソン&フェスティバルって何?という方へ。
このイベントは、仙台から北の方にある、宮城県登米市の長沼というところの美麗な湖畔公園を会場に、沼の周りを東北の名物を食べながら走るマラソンと、日本酒や東北のうまいものを飲んだり食べたりできるお祭りが一緒になったものです。

毎年サンプラザ中野くんさんがいらっしゃって、「ランナー」をなんどもなんども歌ってランナーを応援してくれます。なのでランナーを聞くと自動的に長沼の光景を思い出しちゃうわけですね、私は。

出発ー!

二日間にわたって開催するお祭りですがハーフマラソンは二日目なので仙台の私はシャトルバスで日帰りなのでした。3/24(日)、早朝に出発するシャトルバスに仙台駅東口から乗り込みました。(車中より、ホテルメトロポリタン仙台Eastを眺めてる)

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もぞもぞと朝食を車中で食べ、あとは爆睡。

ふと車中で目が醒めると高速道路を走行中。車窓から眺める田舎の風景が…白い。雪が積もっている!嘘でしょ。窓の外は吹雪いている!3月下旬なのに!

「うわあ……吹雪の中を走るのかぁ」

ある程度の寒さは覚悟していた。なにしろこの時期のマラソンだから寒いに決まっている。去年も雨がぱらついたっけ。寒いの見越して装備もいろいろ考えてきたんだし。でもこの時の私はまだ寒さを舐めていた。

会場についてから

会場の長沼フートピア公園についたころには雪は止み、しかし当然地面はぐしゃぐしゃ。湖面を渡る風が容赦無く吹き付ける。

寒い。なにもかも寒い。

時間があるので会場をふらふらし、 着替えテントで着替えた。

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そうこうしているうちにまた吹雪いてきた。

うう、なんだこの天気。

そんな中、オープニングイベントが行われ、恒例の準備体操「ランナー体操」がはじまる。爆風スランプのランナーとともに体を動かすのだ。とにかく寒いので積極的に参加した。ちょっと恥ずかしい体操なんだけどね。


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会場にはこんなにテントが並んでいます。すでに販売開始しているところも。去年あまり食べなかったから、今年はがっちり食べる!走り終わったあとに狙いたい食べ物をチェック。ウエストバッグにも、小さいお財布を入れておきました。


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ステージではサンプラザ中野くんさん(この呼び名でいいんでしょうか)が「ランナー」を。黙って待っていると寒いので、このライブにも積極的に参加し、ノリまくります……といっても靖幸ちゃんライブじゃないので、ちょっとはずかしい。
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スタート!マラソン開始!

やがてスタートしました。

寒い。


f:id:monyakata:20190515225705j:imageちなみに今年の仮装のテーマは「キャラクター」だそうです。

がっちり仮装している人、けっこういて、そういう人ほど速い。

寿司ネタの仮装をしている50〜60代のグループの後ろを走ってたんだけど、この方々もしっかり速くて、ぼーっとしてるとどんどん置いてかれてしまう。すごいなぁ。マラソンしてると、お手本にしたい人生の先輩にたくさん出会える。

 

コース沿いでは並んで応援している地元の人、デイサービスの人、がんばれーって声かけてくれて嬉しいです。牛もいましたねぇ。

実は10キロくらいから、左膝の内部が痛くなって、違和感が続いてた。正直、これまでレース中トラブルがなかったのでて、かなり焦った。「ええ……このまま痛みが続いたらリタイア…?」と不安がよぎったけど、ちょっとペースを落としつつ、フォームを意識して走り続けたら、なんとか復活した。というか多分、痛みに慣れた。

ちょっとぐっときちゃったのは、三陸の漁師さんの大漁旗がずらーっと並んでいたところ。これは去年はなかった。壮観でしたねぇ。しかも風が強いのでバタバタ倒れてスタッフの人たちががんばって直してた。

去年は前半でトイレに行ったらすごい並んでて時間ロスしてしまったんで、今年はなるべく我慢した。後半で全然並んでないところでトイレ入ることができました。寒いし水は飲むし、ハーフ以上になるとトイレ戦略も大事になってくるんすね。

たしかこれ↓トイレのあとに撮った写真。

吹雪いたかと思うと、時々こんな風に綺麗に晴れたりしたんですよ。でも基本ずっと風が強くて、寒かった。晴れると微かにあったかい程度。

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エイドのうまいもの

写真は全然撮ってなかったのですが、エイドでは東北のいろんなものをいただきました。

りんご、桃のピクルス、さんまの缶詰、ソーセージ、はっと汁、玉こんにゃく、チーズケーキ…

今年も一番印象に残ったのは「はっと汁」「チーズケーキ」でした。特に登米名物のはっと汁!!!最高です。運動して汗かいた後のうまみたっぷりの汁物ってすっごくうまく感じる。松島のかき汁もそうだし。今年は一段と寒いので、あつあつのはっと汁は全身にしみわたりました。 

そういえばボランティアで参加していた木村さんにエイドであってご挨拶しました。ボランティアの方も大変だったんじゃないでしょうか。ランナーは走ってるからいいけど、基本止まっているボランティアさんはかなり寒かったはず。お疲れ様です!ありがとうございます!

完走しました

そんなこんなで、なんとか完走。いつも思うんですけどゴールまであと少しって知ってからがすごく長い。でも、完走できてよかった!

タイムはトイレの選択がよかったのか、去年よりずっと早かった。

完走賞を手渡してもらいました。はっと汁、おにぎり、日本酒試飲チケット、いろいろお土産。他の人とおなじように、ゴールちかくの芝生で座りこんでおにぎりをぱくぱく食べてたら、目の前で痴話喧嘩が繰り広げられていました。あまりに激しく叩いたり(女性が男性を)追いかけたり(男性が女性を)していたので、気にしないふりをしつつ、つい目の端で追ってしまった…

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さて、汗をかいた体が冷えていきます。早く温泉に行かねば。その前に、去年の反省を生かして屋台でしっかり食べることに。

焼きそばと「海鮮はっと」をいただきました。

はっと汁は、最初一番人気のお店を狙ったのだけど、(途中のエイドでも出していたところですね)並んでいる時に私の数人前で風でコンロの火が消えてしまい、復旧に手間取っていたので、断念して別のお店の海鮮はっとにしたのでした。変わり種ですがアサリがたくさん入っていて肝臓に良さそうでした。コンロの火が消えるだけでなく、テントやノボリ、商品名を書いた札などが飛ばされそうになり、お店の人たちはみんな大変そうでした。

ヴィーナスの湯はいいぞ

食べたので温泉へ…荷物を受け取り、シャトルバス乗り場に行こうとして、気づきました。

腕時計が止まっている。

慌ててスマホと見比べて…もう最初のバス、行っちゃったじゃん!!!

仕方がないので一旦テントで着替えて、またちょっと歩き回って時間潰して、シャトルバス乗り場には早めに行って。でも体がどんどん冷えて行ってガクガク震えてきて本当に辛かった!

ようやくたどりついたのは長沼温泉ヴィーナスの湯。

www.venus-no-yu.jp

冷え切った体がいっきにゆるみ、温まります。

ここ、温泉の名前がちょっと変わってるけど、泉質がすごくいいですよ。塩化物泉らしく、お湯がすこししょっぱい。あたたまりの湯です。

去年も思ったんですけど、キャンプしてここ入りたいですねぇ……

仙台でビール

シャトルバスで戻ったあとは、試飲チケットを2枚だけ使いました。去年はビールも飲んだけど、今年は我慢。

なぜなら、仙台に戻ってからクラフトビアマーケットのうしとらブルワリーのイベントに行くんだもん!

www.craftbeermarket.jp

で、仙台までシャトルバスで戻りました。車中はもちろん爆睡。事前に聞いていた到着予定時刻よりかなり早く着いたので、一旦家に帰って着替えてから飲みにでかけたのでした。

仙台駅から自宅までは自転車。こいでいると、走っている時痛かった左膝がまた痛み始めた!やっぱり痛めていたようだ。帰宅して速攻痛み止めの湿布を貼った。痛いのはその日だけだったが、走る前には膝を中心としたストレッチもしなければ。
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友人の大'さんを引っ張り出してうしとらを全種類制覇しようと楽しく飲んだ。

偶然にも隣のテーブルの方も東北風土マラソンで走った人だった。この方はフルマラソン。フルマラソンって長沼の周囲を2周です。すごいなぁ。わたしハーフがやっとなのに、フルマラソンってどういう世界なんだろう。あこがれます。

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これ、めちゃくちゃ美味しかった「うずらファルシー」。この日限定メニューです。
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ショックなことがひとつあった。

私の冬のランニングを支えてきた、ニットの帽子とネックウォーマーをどこかに忘れてきてしまったのだった。旅行代理店さん、シャトルバス会社や現地警察署などさんざん問い合わせたがなかった。多分、バスの座席の下に落としちゃったんだと思うんだよなぁ……

帽子はイオンで激安いのを買ってきたのでそんなに惜しくはないが、モンベルのポーラテックのネックウォーマーは使い心地も良くてレース中も首に巻いて私を寒さから守ってくれていた。10年以上使い続け冬には欠かせないものだったので、がっかりだ。でも無くしたものは仕方がない…

 

次は遠野じんぎすかんマラソン。ハーフにエントリーした。無事完走して、去年のようにまたおいしいビールが飲めたらいいな。

monyakata.hatenadiary.jp

 

腕時計

二ヶ月ほど前、腕時計が壊れた。

秒針が取れてしまったのだ。

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秒針が取れただけなら長針と短針で時刻を見るのには支障がない。と思って使い続けていたら、大問題が起きた。

外れた秒針が長針や短針の間にはさまり、気づかぬうちに止まってしまうのだ。降ったり叩いたりして秒針を振り落とせば再び動き出す。

先日、東北風土マラソンに参加したとき、まさにレース中に止まってしまった。ゴールの30分ほど前で、全然気付かなかった。

これはまずい。Swatchの分解整備は無理らしい。だから安いんだ。新しいまともな腕時計が欲しくなった。


ちなみに前に欲しいと思ったこれは、いまはそんなに欲しくない。 

monyakata.hatenadiary.jp

 

しかし、もう50代も近いんだし、安物でなく、丈夫でちゃんとしたのを買おう。修理できるやつね。

秒針の取れた腕時計は、置き時計にすれば秒針が動いて挟まることもないだろう。

台所の棚に置いて調理中見る用途に使おうと思った。

 

さて、なに買おう。

買い物においては、買おうと思いついていろんなものを物色して比較検討しているときが一番楽しいと思う。

カシオのサイトで、G-SHOCKなどを眺めた。いいなぁ、かっこいいなぁ。こういう腕時計つけたいなぁ。やっぱ丈夫でないとね、秒針とれたら嫌だし。雨の中バイクに乗りながら使うから、防水もちゃんとしていないと。でも19000円以上するのか。うわー、高いなぁ。

Baby-Gもいいなぁ。クールなデザインもある。

アナログで、文字盤に数字がなくって、秒針があって、夜光であればいい。

でも、ネットじゃなくて実物見て買おう。身に付けるものだし。お店に行ったらもっと安い型落ちがあるかもしれないし。そうだヨドバシのサイトも見よう。

 

ヨドバシのサイトを見に行ったわたしは、ショックを受けることになる。

「このG-SHOCKいいな」と思って、60%くらい買う気になったモデルがあった。まあ一応レビューみるわな。そうしたら。
「中学生の息子に入学祝いに買いました」
「子供の合格祝いに。喜んでもらってよかったです」
「高校生の息子用です」

え、なに?これ、子供用なの?19000円以上するG-SHOCKをみんなほいほい子供に買ってるの?

多くの人たちが「子供に」と買っている腕時計を、もうすぐ50になろうというおばさんが、買おうかと思っているなんて…。

 

なんだか急に冷めて、わたしはふたたび、秒針の取れたSwatchを身につけた。

そんな私を見て、息子が言った。

「俺も腕時計欲しいんだよね」

息子はスマホで時間を見るが、手帳型カバーを愛用しているので、とっさの時手間取るそうだ。そりゃそうだ。不便だよね。

「そのうちヨドバシ一緒に行って買おうよ」と言うと、

「俺は『てれびくん』付録の仮面ライダーのウォッチでいいよ…でもさ、この間、超かっこいい腕時計見つけた」

「えっ、どれどれ」

見せてもらったサイトは、日本の時計メーカーではなく、海外製。超個性的なデザインの腕時計で、絶対誰も持っていない。G-SHOCKみたいに多機能ではなくシンプルに時計の機能しかないが、余計なものを一切削いだかっこよさ。しばらくそのバリエーションに見入って、息子と「すげー」「かっこいいー!」と盛り上がった。

値段はもちろん、G-SHOCKの私が欲しかったやつよりずっと高い。

まぁ、買わないでしょ。

 

すると、息子が同級生のことを話題に出した。

「◯◯は、2桁万円の腕時計しているよ」

「ほえっ!?ふたけたまんえん?ふたけたまんえん…って、じゅ」

「そう」

「高校生で、ふたけたまんえん……」

 

ほええええええ。

いや、わたしも知ってるよ。高い腕時計は数百万とか数千万とかすることを。それに比べたら数十万なんてまだふつうだ。

◯◯くんは社長のお子さんだ。毎年海外旅行に行くし、親から買ってもらったマンションもあるらしい。

 

腕時計の会話はその場で終わった。

数日後、外出中、またわたしの腕時計の秒針が引っかかった。

「あーっ、もう!」

時計をかつかつ指先で叩き、振り、回し、ようやく秒針が外れた。ふう。

だめだ。やっぱ不便だ。買わなきゃだめだ!

 

腕時計って、やっぱり生活必需品だよなぁ。生活インフラだよなぁ。

そうだ。私は、インフラには金を惜しまないというのがスタンスではなかったか。

インフラをケチって微妙に不便な生活をすると、表向きは変わらなくても、蓄積したデメリットが確実に生活を蝕んでいくのだ。

 

帰宅して息子に言った。

「その欲しい腕時計、買おうよ」

最初は「えーいいよ」と遠慮していた息子だが、

「じゃ、かあちゃんの気が変わらないうち、今、買おう」と、URLを教えてくれた。

ぽちり。

19000円よりずっと高い金額が瞬時にカード決算され、超かっこいい腕時計は息子のものになった。

 

息子の腕に収まったそれを見ると違和感と後悔がじわじわと押し寄せてきた。

IT企業勤務エンジニアの、腕組みドヤ顔写真ならこれは似合うかもしれない。

自己啓発セミナー講師ならつけてるかもしれない。

ジャスコ(イオンじゃない)のトレーナーを着た高校生がこれを?

わたし、はやまったんじゃないだろうか。

息子のやつ、うっかり無くすんじゃないか。

ぶつけて壊すんじゃないだろうか。

通りすがりの人に騙されて、盗まれるんじゃないだろうか。

「飽きた。俺やっぱり腕時計むりだわ」と言って、部屋に埋もれさせるのではないだろうか。

 

息子もなんだか緊張した面持ちだ。仮面ライダービルドの、デラックスビルドドライバーを買って装着した時はこの150倍くらい嬉しい顔をしていた。

ああ…腕時計より、もっと別な金の使い方があったんじゃないか?…ステーキ食うとか高級な温泉泊まるとか…わたしも混乱してきた。違う違う!贅沢品ではない、インフラだ、腕時計は。でも、こんなに高くなくてもよかったんじゃ…

ものすごくたくさんの思いが押し寄せた。いろいろ言いたくなった。でも、こらえて、これだけは言った。

「大事に、しろよ」

いつか息子の腕にその時計がしっくり来る日を信じて、待つしかない。

 

そして私は、相変わらず秒針の外れていつ止まるかわからない腕時計をしている。

買いますよ、買いますとも。困るから。

でも、私には、新品のG-SHOCKは似合わないだろうな、おそらく。

修理ができて、ほどほどに高いものを買うとするか。

 

ゆらゆら・キラキラ・ひらひら

私は女性らしいファッションが苦手だ。必要に迫られそういう格好をしても居心地の悪さを感じる。ボロボロのジーンズとTシャツが一番ほっとする。

しかし、時々「ぱあーっ」となって、女らしいファッション、女らしいアイテムに熱をあげてしまうことがある。

 

少し前、私のブログのポストが元で、とある大新聞に取材をしていただいた。

その時、ネットミーティングをしたのだが、カメラ越しに見えた担当の記者さんが、すごく素敵なイヤリング(ピアスかもしれない)をしていたのだ。

話すたび、うなずくたび、縦に繋がったリングのパーツがキラキラと揺れ、光を反射した。

はああっ!素敵。

欲しい。私も、あんなかんじに、ゆらゆらキラキラしたい。

大新聞の記者の方だから、多分高価なものだろう。でも、似たようなものがあるかも。しばらく「ぱあーっ」となって、ネットで検索した。なかなか似たようなのはない。ああ、見つからないと余計に欲望が募る。

「待て、落ち着け」

と、心の中で冷静な声がする。

「あのね、あのようなピアスはバリバリ働いていてパリッとスーツも着こなすワーキングウーマンだから似合うんであってね。あなた、ろくに働いてないし、バイトはピアス禁止だし、外出するときもバイクだからピアスできないし、Tシャツと破けたジーンズで、いつキラキラしたやつつけるの」

しかし、しばらく日をおいても熱は冷めやらず。結局、仙台駅のS-PALで、輪っかがゆらゆらするピアスを買った。その記者さんのはリングがいっぱいついていたけど、これは2つしかついてない、でも充分だ。1000円ちょいしかしないし。

不思議だ。今までの自分だったら、決して選ばないデザインだ。こういうのも面白いな、と、気に入っている。せめて破けていないジーンズの時に、バイクでなく歩く時に、たまーに、つけている。

人に影響されて新しい世界が広がるのは楽しいことだ。

金が減ったし、そのピアスをつけたからといってバリバリ働けるわけでもない。相変わらずだ。

 

最近、なんとなく見つけた、「青葉家のテーブル」という動画。


『青葉家のテーブル』第1話:トモダチのつくりかた【主演・西田尚美】「北欧、暮らしの道具店」オリジナル短編ドラマ

 

これ、短めのお話なので一気に全話見てしまった。ちょっと変わったひとたちが集まって、素敵なインテリアとファッションと食べ物に包まれて暮らしている。日々ちょっとした騒動が起こるけど、穏やかに終わって後味が凄くいい。

休日の締めに、のんびりした気持ちになりたいときに、ぴったりだ。

多分「北欧、暮らしの道具店」の商品がこういうインテリアでファッションなんだろう。

私はあんまり北欧系は好きじゃないんだけど、これに出てくる西田尚美さんの着ている服が、素敵で、ちょっと「ぱあーっ」となってしまった。4話で彼女が服の仕事をしていることがわかるので、素敵なのは当たり前なのだが。

綺麗なのだ。ゆるゆる、ふわふわ、ひらひらしているのだ。

首元の空き具合。ギャザーの入りぐあい。薄くてひらりとした天然素材。体にぴったりせずふわっとなってるのとか。柄も色合いも綺麗。太陽光が似合いそう。

しかし、しかしだ。「欲しい」モードになる前に思いとどまった。

私はかつてそういうものを買っていたことがあるんだ。カタログかなんかでいいなと思って通販で書いまくった。

似合わないんだよねー、ああいうの。鏡を見るとなんだか情けなくなってくるのだ。華のある人が着るといいけど、寂しい地味顔には似合わないんだ。

そして、寒い。あの薄くて木綿だの麻だのやさしい系の素材で、首がすかすか、ひらひらした空気を孕むデザインは、寒い。体が心もとなく感じて、ダメ。着たとしても上になにかを羽織らずにはいられない。せっかくのデザインがだいなしだ。

(その上、肩がこるので保温のためのストール・スカーフなど首に巻くやつがダメなのだわたしは)

わたしは、寒がりだ。くるぶしのあいた丈のパンツははけない。素材がふわっとあったかく体をあっためてくれるものしか着れない。

その結果、ニットか、ネルシャツ(しかもチェック)ばかりになる。

かつて買ったひらひらの服は全部リサイクルショップ行きになった。

 

いいなあ、と思って、手に入れて、良かったものもあれば失敗したものもある。

いろいろ学習したし、できれば無駄遣いはしたくないものだ。

が、「ぱぁーっ」は、ときどきやってくるのだろう。目を塞いで生きているわけでないから。

 

 

「そばですよ たちそばの世界」平松洋子

そばですよ。

立ち食いそばではなく、立ちそば、という。「喰い」が入るより品がありますね。

そばですよ (立ちそばの世界)

そばですよ (立ちそばの世界)

 

平松洋子さんはおいしいものをおいしそうに表現するのにとにかく長けている。そして立ちそばも大好きなのだろう。おいしそう、が溢れている。東京あたりの、チェーン店ではなく、個人店でやっている小さな蕎麦やさんをめぐるレポートだ。そこのメニューを実際に食べて、そして店主にお話をうかがう。食べ物を表現するのに、そうかこういう表現があるのかと、にやりとしたり膝を打ったり。勉強になる。こういうことばを使えるようになりたい。

で、登場するお蕎麦屋さんがまた素敵だ。おそばやさんなのに、おそばだけじゃない。コロッケがおいしかったり、てんぷらに特徴があったり、カレーがおいしかったり。麺やそば粉やつゆや、そばそのもので味を追求しているのはもちろんだ。いやー、奥が深いもんだなぁ。

私は「そば神(そばかん)」こと、そばの神田をこよなく愛するのだが、そば神ラバーのくせに春菊天そばしか食べてこなかった。ちなみにそばの神田とは仙台を代表するB級グルメであり、仙台に来て牛タンや寿司を食べる金がないならそば神を食べるべきである。そば神はこちら。

www.sobanokanda.com

こんなに立ちそばの世界は広いならば、もっといろいろ食べて学ぶ、いや、楽しむべきだよなぁ。

この本でも、つゆ、とか、かえし、とか、だしとか、用語からして私はわからんのである。あれはただのめんつゆではないのか。しかも、冷やしと温かいのと、つゆを使い分けているとは。

ちなみに「つゆ」「かえし」「だし」は、ここに詳しく書いてあるぞ!もちろん各蕎麦屋さんは配合を変え材料を変え工夫しているのだ。

www.higeta.co.jp

 

そばを食べたくなった私は、先日さっそく東一のそば神に行ってみた。女性ひとりで立ちそばをすする人に私以外であったことがない。と思ったら、この日は私の他にも2人くらいいらっしゃった。よいことだ。

店に来た人はみな、目的を達する以外の無駄な動きはせず、占領する場所を最低限にして、すみやかにさっと食べてさっと出ていく。あの清流にも似た空気はいつ来ても気分がいい。

私はいつもの春菊天をやめて、げそ天そばにした。410円。結局あまり冒険はしない。つゆがしみる前はカリッと、やがてじわじわと柔らかくなる変化が好きだから、私はかきあげを選んでしまう。特に移行期におけるカリッとふわっと両方が味わえるときと、ほぼ溶けてそばといっしょに啜っている段階が好きだ。

カリッとしたのを味わっていると、目の前の60過ぎ男女二人連れ(かけそば)のうち、おばさんがいきなり入れ歯を外した。すばやくまた入れた。カウンター越しにそんなのを目にした程度で食欲が減る私ではない。

そば神の客は総じて無口だが、この二人はぽつぽつ喋っていた。かけそばを啜りながら、

「だからね、俺は目を皿のようにして探したんだよ。でも見つからなかった」
「ふふっ。目を皿にしたの」おばさんが笑う。

へぇ。「目を皿にする」なんて久しぶりにリアルで聞いたなぁ、と思った。おばさんが

「ねぇ、なんで『目を皿にする』なんていうんだろね」

と、疑問を口にする。
「ええっ?な…なんでだろうねぇ。目を…皿に……ううむ」
「目を、うんと細くするのかしらねぇ」
「ええっ!?」
二人は、ふふふと笑いあった。
私は食べ終わったのでささっと帰った。目をうんと見開いて皿みたいに円くする、といいう表現じゃないのかねぇ。などと考えながら。

実は久しぶりのそば神だった。普段、町中に出ない生活をしているので近くに行かないのだ。でも、バイクで駐輪場使えば無料時間内に食べ終わるし。もっとたべよう、立ちそばを。決意を新たに。

「全米最高視聴率男の『最強の伝え方』」アラン・アルダ

「パパ!見て!これ、へんなうごきになっちゃった!」

「……ふん、collisionが起きてるんだろう」

男の子が笑いながら語りかけると、大学教員だという父親は、なにが面白いのかというような口ぶりでこう答えた。

子供向けプログラミング体験会を行っていたときのことだ。はじめてのプログラミングを進めていくうちに、思いもしない動作をすることが多い。なぜこうなったのだろう、と考えることはとても大事だし、間違った動きでも子供には不思議で面白い。そんな子供のはしゃいだ気持ちに、水を浴びせるような冷たさを感じた。唖然とした。

…こりじょん…小学校低学年の子に、こりじょん…いや、日本語だったとしても、もうちょっと、なんか言い方……

 

この本を読んでいたら、この時の光景が思い出された。

サイエンスコミュニケーションの本である。

全米最高視聴率男の「最強の伝え方」

全米最高視聴率男の「最強の伝え方」

 

なんと著者は俳優なのだ。科学者ではない。大学の先生じゃない。

この変な邦題のせいで(自己啓発本じゃないんだから)本来手にとるべき科学者や大学の先生が「ふん、」とスルーしてしまいそうで悲しい。もっと読まれてほしい。

 

理系のサイエンスの専門の方々の「伝え方」「話し方」が固くて、わかりづらくて、素人をおいてけぼりにする。それは多くの人が経験し実感していることだろう。

自分たちが聞く側だった場合、そのもやもやした気持ちは自分を責める方向に向かって終わる。「だって、わたしが頭悪いんだもの。理解できなくたってしょうがないよね」

しかしいまや、アウトリーチ活動は必須だ。研究者の方々は、広く社会に研究成果をわかりやすく伝えなければならない。大変ですね……ほんとうに、おつかれさまです。

一方私は、まったくの個人的興味で大人のためのサイエンスを楽しく学ぶ場「ノラヤサイエンスバー」なんかを主催している。一応事業としてエンタテイメントとしてやってるので、いかに集客し当日いかに楽しんでもらうか、どうしたら堅苦しくないか、どうしたらつまんない思いをする人が減るか、どうしたら「面白いことをたくさん知ることができた、楽しかった!」と思って帰ってもらえるか、悩みつつやってる。だから「先生におまかせ、好きに喋ってください、テーマはなんでもいいです」なんて絶対言えない。

話が逸れたが、何度も何度も、もやもやしたりヒリヒリする体験をして、この本にも何かサイエンスバーをより良いイベントにするヒントがあるんじゃないか。そう思って手に取った。

著者は、「サイエンティフイック・アメリカン・フロンティア」という番組で、たくさんの科学者にインタビューしている。理知的な科学者の一方的な講義ではなく、なごやかな対話を通して生身の研究者に迫り、研究についての話を引き出しているそうだ。

キーワードは「即興」「共感」「ストーリー」。

通じ合っている感が生まれると、コミュニケーションが飛躍的にうまくいく。そして理解も驚くほどしやすくなる。「こんなものなんの役に立つんだ?」「くだらん」と軽視しそうなことが、実は効果的なんだなぁ、と思った。

ミラーエクササイズ、体を使ったゲーム。それらを体験した後に明らかに何かが変わる。私らも「アイスブレイク」やりますよね。見知らぬ人ばかりが集まって会場の空気が固まっているとき、アイスブレイクやると、ふわっと笑顔が広がって雰囲気が柔らかくなる。あれは場の空気を温めリラックスするだけではなく、お互いを理解する、理解してもらうのに効果的だったのだ。

専門用語を使うと、説明は楽だし、知的に見せることができる。でも、それでは幅広い人に理解してもらえない。著者は「炎って何?」を、11歳の子どもでもわかるよう説明するコンテストを科学者たちに提案し、それは実施された。実際子供が審査員になってチャンピオンが選ばれたそうだ。そのコンテストはその後子どもたちが課題を作る形で発展し開催されたという。面白そうだなぁ!

そしてなるほどと思ったのが「ストーリー」について。私達は無機質な説明より、物語を好み、より理解する。

「人となりなんて、どうでもいい。背景なんて、どうでもいい。私らは、事実を知りたいだけなのだ」と思う人は多いだろう。

でも、感情を揺さぶり、親近感を持ってもらうほうが、より理解してもらえるのだそうだ。

例えば。少し前にこの記事が掲載された。「ストーリー」の持つ力を使った文章だと思う。淡々とステロイドについての医学的情報を連ねるより、よっぽど説得力がある。書いた人の苦悩と祈りがにじみ出ている。

あの日お会いすることができなかった「脱ステ」ママへの手紙

 

おそらくニセ科学界隈は、この感情を揺さぶる技術を駆使して信者を集めているのだろう。「なんでそんなこと信じるの!?」の、答えが、このへんにあるのかも。

情報をわかりやすく伝えるために、図、動画、やさしい言葉、たとえ話、まではみんなやってるだろう。もっと人間が感情を持った生き物であることを考えて臨む必要があるかもしれない。

「共感」「ストーリー」についてはなんとかできそうだけど、即興のエクササイズについては日本人はシャイなので難しいかも。でも効果があるなら、試してもいいと思った。

老母の気分

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先日、ちょっとショックな出来事があった。

とある知人に用があって会いに行ったときのこと。

いくら待っても連絡しても待ち合わせの場所に来なくて、ようやく現れて「オンラインミーティングしてて」「携帯?出られなくて」と言うその人は、

コワーキングスペース閉めるそうですね。東京に行くんですか?」

と、妙なことを私に言う。

「へ?」

「息子さんについていくんですよね?」

「へ?」

「えっ?だって、お子さん、就職で、東京に行くって」

はああああ?

息子はまだ高校生だし、私は仙台から動く予定も何もありませんが?

そう言うと、「えっ?じゃぁ、なにをするんですか?」

とおっしゃる。

「今までも、これからも、コンビニ店員兼自営業ですけど」

声の音程が低くなってしまった。

 

もちろん、単なる勘違いだったと思うが、他のありうる勘違いより(コワーキングスペースを他の場所に移転するとか、私が母の介護で実家に帰るとか)より、はるかにショックだった。

だって、「息子について東京に行く」なんて、老母じゃないですか!!

仕事やめて、やることなくなって、じゃあって、息子の世話をしにいくような、そんなイメージ。

うえー!嫌だそんなの!まだまだ15年くらい先でしょ?60過ぎでしょそういうことするの?

今だって、私、上下防寒装備で、オフロードバイクでこのオフィスまで来ましたけど?

私がそんな、老母に見えましたか?

しかもその人、私の一つか二つ上で、同世代なんですよ。お子さんも同じ年齢だったはずなんだけどなあ…もっと年上に見えたのかなあ。

 

それ以前に!息子がたとえ就職して東京に行ったとしても!それにくっついて東京行くなんて選択肢、ないわい。息子だって迷惑でしょ!

なんなんだその、家族の付随物としての存在価値しかないみたいな。おいらそんなんなっちまったのか。

 

しかしまぁ、同時に、悔しかった。

実際、世間一般からすれば、50近い既婚子持ち女性のイメージってそんなもんしかないのだろう。悲しい。いくらバイク乗ってようが、関係ないわ。

もしも私が美魔女だったら少しは評価が違っていただろうか。

残念なことに私はそっち方向の人ではない。だが、くっっそみたいに美人でなくても、50過ぎても、家族のおまけみたいな状態ではなく、ちゃんと稼げる一個人として居られる、ロールモデルを示したい。

と、思う。思うのだが。

今でさえ人の収入に依存して生きているので、本当にだめですね……

女子ごはんより、一杯のラーメン

ワンプレートランチ、というものが嫌いだ。

洗い物が一個で住むので店側からしてみれば省力化できる。いろんな食べ物がカラフルにちまっと乗っているのは、写真にも取りやすくSNS映えする。

でも、食べづらいじゃないか。器を持って食べたいもの、あるでしょう。ごはんとか。こぼれやすいものとか。こぼれないよう顔面をテーブルに近づけて食うっていうの、嫌なんだよ。

それに量が少ない。食った気しないんだよ。なんであれで800円もするんだ。この中途半端な悲しい気持ち。

 

それにひきかえ、ラーメンってなんて素晴らしいんだろうと思う。

最初から、どんと器一つ。世界が完結。以上。置いてよし。手で持って汁をすすってもよし。食べ終わった時は間違いなく「ああ、食ったー」と平和な気分が訪れる。残念ながら胃もたれして夕飯を抜くことになることがしばしばあるけど。それは幸福と引き換えだから仕方がない。

 

ヘルシー+SNS映えと、がっつり+個人の幸福。そういえば、ワンプレートランチは女性が友人や同僚ときゃわきゃわしながら食べるイメージがあるけど、ラーメンは男性が1人でガッ!と食ってサッ!と帰るイメージがある。

 

ある休日、メディアテーク近くの春日町近辺を歩いていた時のこと。

10歳くらいの男の子と、お父さん、お母さんのナチュラルファミリーが歩いていた。荷物が少ないところを見ると、車をどこかにとめてきたのだろう。時間は13時すこし過ぎたところ。お母さんは不機嫌だった。

「ずいぶん、不便なところだわねー」

不便?そうか?

「繁華街って言ったら普通、国分町でしょう。かなり外れてるじゃない」

「ラーメン屋さん、どこにあるの?」

子供が発した言葉でこの3人の目的がわかった。

お父さんがあわててとりなすように言う。

「店の規模を考えたらね、国分町じゃ…」

「ねぇ場所わかってるの?本当にこっち?」

お母さんはどんどん不機嫌になる。

「だからね、カウンター20席だとしたら、家賃を考えたら国分町はね」

お父さんは経営目線で喋ってる。おいおい、会話が噛み合ってないよ。

いやー、聞いてておかしくなった。

このへん、うまいラーメン屋がある。麺家不忘、嘉一、えび助が同じ通り沿い。もうちょっとあるけばもっといろいろある。

きっとお父さんは、一人でとか、同僚と一緒にとか、前に来たことがあるのだ。それでおいしかったから、家族で食べに行こうと提案したのだ。名店は中心部から外れたところにこそ多い。そのためなら多少不便でも行く。家賃が安くて、カウンターだけの小さい店なら、その分味を追求できるはずだと。

でもお母さんは…そういうの求めていないんだろうなぁ。

いつのまにか3人の親子はどこかに行っていた。さてどこのお店に向かったのだろう。

 

そんな親子のやりとりを見て、少なからずお父さん側に思いを馳せてしまった私は、つくづく、脳内がおっさんだなぁと思った。