女川はなにもかも綺麗だった
先日息子が部活の合宿でいないすきに、突如思い立って女川までバイクで一泊旅行してきた。
なんだかね、金がない金がない言う割にこういうのに散財するよね、わたし。
はじめに
女川はいつか行ってみたい場所ではありました。津波で流されたあと再生した商店街の写真はよく見る。孤独のグルメに出て来たし、フリーランスを誘致しようといろいろ仕掛けてたり、元気な人が多い印象がある。私の周囲の社会貢献とか震災復興とかやっている仙台の人たちはみんな女川行ってるし。
それからコワーキングスペースもある。復興支援関係で活用されているようです。
あと、トレーラーハウスの宿があるんですよね。憧れ。アウトドアっぽくて。
でも……特に用事もないし遠いし、三陸に旅する機会があったらついでに寄れたらなぁ、としか思ってなかった。
今回行こうと思い立ったのは、私が最近クラフトビールにはまって、仙台のクラフトビール屋さんを調べていたら女川にも一軒クラフトビールの店があるらしいことを知ったから。
ビールのためなら女川も遠くない。
JRで行くか?バス?ちょっと悩んで、バイクで行くことにした。バイクで行くなら泊まるしかない。調べたら、トレーラーハウスの宿が楽天トラベルにあって、溜まっていた楽天ポイントが使えたので思い切って予約。
4/3
バイトを13時までやってから出発。テント積まないから荷造りは楽だけど、もたもたしていて結局出たのは15時すぎだろうか。
前から気になっていた利府のお蕎麦屋さん「角べえ」で天ぷらそばを食べた。立ち食いっぽいそっけない店舗でこの濃い味が、うまい。
三陸自動車道で女川へ向かった。SAが好きなので寄ろうと思っていたら、途中にあるのが春日PAだけだとあとで知った。寄れなかった。でかいテントこそ積んでいないけど、風にあおられてふらふらして怖いし寒い。軽いバイクは高速や長距離だと疲れる。400のバイク欲しい。いや大型がいいか。
高速降りてから休憩した石巻・渡波のファミマは休憩スペースも電源もあってよかった。体が冷えていたし腹へった。でも夜おいしいもの食べるんだし我慢。コーヒーだけで早々に出発した。
だんだん日が暮れてきた。石巻から女川までの道は途中不安になるくらい山で、本当にこの先に町があるの?私間違っていない?と、思い始めたところでようやく集落が見えてきた。
新しい家、看板、綺麗に舗装された道路、まだ多い空き地。
コンクリで固められた山の法面。
ああ、そうか、津波で全部流されてしまったのだ。画像でなくリアルに見ると、事実として突きつけられる。この横断幕の決意が胸に迫る。
「女川は流されたのではない。新しい女川に生まれ変わるんだ」
新しい女川にたどり着いた。
宿に着いたのが18時近く。「ホテル・エルファロ」です。
バイカー応援プランということでトレーラーハウスの前にバイクを停めさせてもらった。しかしバイカーというのはちょっと……ライダーなんだけどな、私。
今回、一応PCも持って来て多少作業はしたかったんです。でもPCでもスマホでも、Wifiが不安定すぎる。うーん、Wifiが使えないとは……息苦しい。
とにかく腹が減ったので、Wifiを諦め、計画通り温泉に行って風呂上がりにビール飲みにいくことにする。
宿からはすぐ、女川駅。こうして電車も見える。
そして駅舎の中に温泉、「ゆぽっぽ」が!!!!
とてもいい温泉だった。広いし明るい。壁画の鹿がいい。
天井もいい。
マッサージ椅子も寝るとこもあった。ここが500円かー!*1いいなぁ。女川いいなぁ。住みたいなぁ。温泉だけで住みたくなった。
バイクで冷えた体が芯まであたたまった。本当にありがたかった。
一応化粧は落とさず、ビールを飲みに商店街に向かった。
……駅前から歩くが、全然人がいない。平日夜だから仕方がないのかもしれないが、 またまた不安になる。
煌々とあかりは点っている。
そうか、綺麗なまちはできたけど、定着する人はまだまだ増やさなきゃいけないんだな。
だれもいない「シーパルピア女川」を歩いて、お店についた。ひときわ、明るい空間だった。
なぜか食べログのリンクが仕込めないけど、「ガル屋」です。仙台ビールマップにこうある。
孤独のグルメで話題になった女川町に、国内外のクラフトビール樽生が10TAP!!新しくなった女川駅前を散歩しながらビールを楽しみませんか?ブリュードッグやミッケラーなどの珍しい輸入ビールも樽生で飲めます!!人気のビールは「希望」の意味を込めた女川ホップペールです。日々変わりゆく女川町を是非見に来てください!!
わくわくしながら店に入った。
店内では若い人たちがわいわいやっていて、店主さんも会話に混じっている。
カウンター席がないので、空いていた方の大テーブルに座る。黒板のメニューを見るが……あれ?クラフトビールは……どれ?店主さんのいるカウンターへ。
「あの、こちらクラフトビールのお店だと聞いたのですが」
「いちおう女川ホップペールがこちらの地元のビールです」
「では、それを」
うん、女川のビールなら飲まなきゃね。さて、何を食べよう。再び黒板のメニューを見るが……女川っぽい食べ物が、見当たらない。うーん。とにかくお腹空いてるし、ポテトサラダを頼んだ。
あーやっとビールにありつけたー。
ビール、おいしい。
私はうまく表現するすべを知らないが、たいへんおいしい。ポテトサラダも、普通においしい。
そうこうしているうちにお店には、どやどやたくさん若い人たちがやってきた。見覚えのある起業家もいる、自分が泊まっているホテルの名前も聞こえてきた。みんな常連さんなんだな。テーブルを占領しているのが申し訳なくなってきた。
2杯目を飲みたいが……すごく度数の高いクラフトビールがあるらしいがそれは避けたい。でも、他にクラフトビールはどれ?ブリュードッグやミッケラーはないようだ。ポスターはあるのに。カウンター席だったら店主さんが近くてもっとお話できそうなものだけど、店全体が仲間内のなにかの話で盛り上がっていて、クラフトビールについて詳しく話を聞ける雰囲気ではない。
なので、女川ホップペールともう一杯と、プレッツェルを頼んだ。プレッツェルってあの8の字みたいな硬いパンみたいなやつだよね!ビールにあうし……
あれ、思ってたんと違う……
ここは、きっとハッカソンとか起業イベントとかやって、すでになんか食べたあとで、仲間とワイワイ!友達ともっと飲もうぜ!って連れ立って来るにはぴったりなんだろうな。一人でしみじみクラフトビールと女川のうまいものをいただこうと思っていたので、少々求めるものが違ったようだ。
そこで早めに切り上げ、お店を出て、しばらく海側に歩いた。……やっぱり暗くて誰もいない。海風が冷たい。でも、ファミリーマートの明かりを見つけた。
心底、ほっとした。
コンビニで欲求を満たすって旅における敗北者みたいだけど、そんなことないわ。全国どこでも同じメニューがあるコンビニって本当にありがたいと思った。
そうか、コンビニって日常を取り戻しモードリセットできる場所なんだ。コンビニバイトをしている私が、ちょっと自分の仕事を誇らしく思った瞬間だった。
ファミマでビール一缶とサラダを買って宿に戻って二次会をした。PCを開いて情報を調べようとしたが、やっぱりWifiが不安定なのでばたんきゅーと寝た。
4/4
朝、ちょっと朝食を入手しに、ファミマへ散歩した。さっさと移動して「上品の郷」に行こう。ここは知人がお湯を絶賛していたので、絶対入ろうと思っていた。ランチバイキングもいいらしい。
ところが、国道398、まったく道が進まない。工事で片側通行でもしているのかと待った。海中での潜水作業を眺めて暇を潰していたが、さすがにおかしい。
引き返してセブンイレブンで聞いた。
「あー、華夕美のあたりで事故あったらしいですよ、さっき防災無線で流れてました」
がーん。しょうがないのであんぱんを食いながら道路を眺めていた。全然動く気配がない。
しょうがない。これは……
女川でちゃんとうまいもの食べて帰れという神の声だ!
女川駅前に引き返した。昼ならいっぱい食べるところあるはず!
まずは、コワーキングスペース「女川フューチャーセンターCamass」へ。
ドロップインをお願いした。
広い窓に面するカウンター席で、PCを開いてノラヤのウェブを更新した。もちろん快適にWifiも使える。
あー!ネット依存の人間ってWifiがあると酸素吸入したみたいに生き返るわ!!Wifiありがてええええ!
コワーキングスペースってこんなにありがたいものだったとは!!(もっとみんな使え)
テーブル席、打ち合わせコーナーもあり、とても広かった。ノラヤの10倍くらい。
こちら、タイルを埋め込んだ長机が素敵です。
ふかふかのソファがある席。ちょっと寝てしまった。
Googleマップの渋滞情報を見ると、お昼になっても全然復旧はしていない。
お昼は「おかせい」へ。女川丼(小)。おいしかった。小は、ごはんの量が違うのだそうで。とにかくそれでも普段の私にとっては倍くらいの量です。
CamassにもどってさらにPC作業。居心地良いのでつい長居してしまった。
おもしろかったのが、近所の小学生たちが無料スペースに集まっていたこと。お昼になったら、ファミマでなんか買って来て、そこで食べて遊んでる。学童みたいだ。
さて、のんびりしてはいられない。
実は午後から雨の予報だったのだ。雨が降り始める前に家に着きたかった。2時すぎにCamassを出た。遅すぎる。
398の事故現場は相当酷かったらしく跡が残っていた。
走るにつれ日は暮れ、どんどん気温が下がっていった。上品の郷を目指したのに道を間違え、間違いを取り戻している間に雨が降って来た。寒い。とにかく温泉であったまらなくては。早く帰らないと息子が先に自宅に着いてしまうけど、温泉入らないと死ぬ。
こちらのお湯を見て歓声をあげそうになった。とろりと濃い、しろっぽく茶色に濁った湯。これ、本当にいい湯だ!
何時間でもつかっていたかった。しかし先を急がなければならない。私にしては早めの入浴で終わらせた。
上下をカッパで装備し、雨の中仙台を目指した。
高速に乗るべきか。下道と、どっちが安全か。悩んで、思い切って高速に乗った。
しかし、無理だった。ヘルメットのシールドは水滴ですぐ見えなくなる。しょっちゅう、片手運転でぬぐう羽目になった。怖くてスピードをあげることができない。トラックに追い抜かれると水しぶきで視界がゼロになる。
早々に、松島あたりで一般道に降りてしまった。
またまた全身寒くて死にそうな気分になった。辛くなったので靖幸ちゃんの「いじわる」のせりふを叫びながら運転。仙台の街明かりが見えてきたときは、脳内で「Super Girl」のイントロが流れ出したね。
皮肉なことに高速を降りたあたりから天気は回復したので、疲れから黒塗りの高級車に追突しないように注意して運転し、自宅に着いたのは19時すぎ。
まとめると、女川はなにもかも綺麗だった。気持ちがよかった。別荘地のような雰囲気が漂っていた。
私は津波に流される前の女川を多分知らない。これからの記憶しかない。たくさん宿もあったし、ネット環境に困ったらCamassがあるし。旅人は女川に行ったらいいと思いました。
あと上品の郷はすごくいい湯だったのでまた行きたいし、途中で見つけた芭蕉の湯も気になったので行きたい。
*1:あとで知ったのだが、100円引きクーポンがいろんなサイトにある。次回は利用しよう!
東北風土マラソンでハーフ初挑戦してきた!
3/25(日)、東北風土マラソン参加してきました!無事ハーフ完走〜!
ハーフですよハーフ。初マラソンが松島の10kmだったのに、その次にハーフって無謀じゃないですか。
でも、この東北風土マラソン、出たかったんですよー。だってメドックマラソンの真似して食べながら走るんですよ。魅力的じゃないですか!でも、10kmがない。ハーフより短いのは5km。そして沼を一周して、なるべくいっぱい食べるならハーフしかない。制限時間も3時間だし、ゆっくりでいい。なにしろ仮装推奨のマラソンです。エントリーしちゃえ!と、思い切って。
松島は弟とだったけど東北風土マラソンは一人で参加しました。
……しかし、普段長めに走っても、せいぜい10kmの私。
2週間ほど前、「よしっ今日は20km走るぞ!」と思って出発したら、13kmで足を攣ってしまった。13kmで足を攣る人が21kmなんて走れるのか!?
その後もなかなか走れない日々が続いてしまった。前日、5時起きだから早く寝ようと思ったら息子がDVDを見たいと言い出し(テレビがある部屋が私の寝室)、1時に寝床についたら今度は不安で不安で眠れなくて……
まったくもって大丈夫なのかというコンディションの中、駅に自転車で向かえば雨がぱらつく。仙台駅発着のシャトルバスを利用しました。バスの中ではちょっと眠れた。
会場に着いたら……
さ、寒い……!!!
もう意識は温泉に飛ぶ。
そう、会場の近くには温泉があって、走った後に無料シャトルバスで行けるんです!温泉!温泉!
で、一人で来るの初めてだったので勝手がわからなくて、早く着替えてしまい、居場所がなくてうろうろして寒かった。そうか、だからみんな団体で来てテント張ったりしているのか……ぼっち参加でも、シートは持ってくるべきだな。
出店を偵察したり、準備体操したり、トイレ行ったりして時間をつぶし、ようやくスタート。
走る不安より「寒い!早く走らせて!」の気持ちが強い。また雨がパラっと。
ユニクロの薄手パーカーが思いがけずすごく役に立った。
というわけでスタートした。寒かったけどだんだん体があったまってきた。
目の前に仮装の集団がいて、「それはなんですか?」みたいに会話を交わしていて楽しい。
エイドは全部食べるつもりでいたのに、アカモク(ぎばさ)が売り切れになっていた。ショック。ショックついでに、寒くてトイレ我慢できなくなって並んで20分ほど余計に時間をかけてしまった。
写真はないけど、エイドでいちばん感動したのが、はっと汁!!おいしかった……汗をかいていると、塩分のある液体がほんと嬉しい。
なにかに、フラットなコースと書いてあった気がするけど全然フラットじゃなかった。ときおり、強い風が吹いてきて、慌てて帽子が飛ばないよう頭を抑えながら走った。
景色はとても良い。
こんな場所もあったりして。
まだ春は遠く緑は少ないけど、ふきのとうが咲いているし、うぐいすの初鳴きも聞けた。牛もいた。犬もいた。応援の方が手を振ってくれて嬉しい。
私は「びーる隊長」というゼッケンを付けていたのだけど、一度だけ沿道のおっちゃんに
「がんばれー!ビール!」
と言われた。私はビールになったようだ。
うん、温泉入って、ビール、絶対、飲むんだ………
やっぱり10kmを越えるとしんどい。
「この倍かよ…」と思ってしまう。思ってしまうが、10km越えると、歩く人や、痛そうに足をひきずりながら走る人が出てくる。
「自分はまだどこも痛くないし、行けるんじゃないか!」
と、とたんにやる気が出てくる。性格が悪い。
とはいっても、13kmで足をつったことがある私なので、無理せずにのんびり走った。
スタート・ゴール地点には大きな風車があって、それが目印になるのだけど、いっこうに風車が近くならない……
それにしてもいいところだ。ここは緑深い季節に来て、キャンプしたいもんだな。
などと思いをめぐらせつつ、走ると、あと20kmの看板が出てきた。あと1km?もう大丈夫、という安心感からか、そこからがやたら長い。
そしてなんとか、ゴール!!
やった、完走できたー。するとずっしりと重い袋を「完走賞です」と手渡される。中には栄養補助食品、おにぎりと、はっと汁の2人前セットが入っていた。やった!夕食はっと汁にしよう。(しかし疲れ果てていて結局翌日の朝食になった。おいしかった)
記録証をもらい、温泉へのシャトルバスまでの時間、着替えず出店を眺めていた。みんなもうビール飲んで日本酒を試飲していたけど、私は温泉から戻るまで我慢!
で、温泉行こうとシャトルバス乗り場に行くと、なんと時間を30分勘違いしていた!がーん!バカ!!!次のバスまで30分またなきゃいけない。しょうがないので、着替えて、持ってきた食料をもそもそ食べた。あー、ビールが遠いー。
そして30分後ようやく入れた温泉はこちら、長沼温泉ビーナスの湯。
あまり広くないけど、混んでいなかったのでくつろげた。全身汗だくだったのが、すっきり!そしてまたシャトルバスで会場に戻る。
やっとビールだー!!!
もう着替えたので寒くない。でもビールは一杯だけにして、完走賞の試飲チケットを使って日本酒を3杯試飲した。ビールの続きは帰宅してから。
たこ焼きや焼きそばを食べたかったけど、もう完売していた。温泉を優先したので仕方がない。息子におみやげを、と思ったけど狙っていたものがやっぱりなくなってて、店じまいを初めている店も多い。しまったー。
長居してもしょうがないので、早めのシャトルバスに乗って帰ってきた。車中では気持ちよく熟睡。
仙台駅2階の成城石井でBrewdog PANK IPAが売ってたので小躍りしながら買いました。
さて、またなんか大会出たいです。走った後温泉に入れるのがいいな。でもハーフじゃなくて10kmでいい気がする。
東北風土マラソン、来年も開催されるならぜひ出たいです。今年の教訓を生かして、走り終わったらビールは我慢しても、食べたいものは食べて買い物もしておこう。
東北大学サイエンスカフェのお手伝いをいたしました
3/16(金)、縁あって、こちらの東北大学サイエンスカフェに、出演いたしました。
講師の志田原先生とは以前からお知り合いでして、「一方的な講演ではなく、会話の形式にしたい」というご希望があって、私がその相方役にご指名いただいたわけです。私自身も東北大学出身であり職員も経験していて、かつ自身でサイエンスイベントも主催しているわけですから、サイエンスをよりわかりやすく伝えることができ、しかも東北大学に貢献できる機会、とありがたく引き受けました。
とはいっても、人前に出て喋るような仕事は…以前大学の非常勤講師をやったとき依頼。私は司会業をやっているわけでもサイエンスコミュニケーターでもファシリテーションの訓練を受けたわけでもなく。コンビニの店員だから声は腹から出せるようになったけど、若い女性ならまだしも、アラフィフの一般人女性がぬっと出てきて、もそもそと先生とお話したら「何だおまえ帰れ!」と野次られるのではないかと。正直不安でした。
たとえば以前メディカルメガバンクのサイエンスカフェの時はサイエンスコミュニケーションのプロの方が見事な進行をされていたし、医学部主催のイベントでもプロのアナウンサーの方が出演されていたし、それに引き換え私は…ただの人。
でも「一般の人が専門家に聞きながら進行するということに意味があるんです!きっと聞いてる側もわかりやすいですよ」と、先生やスタッフの方々に励ましていただきました。とにかく「ど文系の一般人」というスタンスで、素人まるだしで行くことにしました。
もちろん内容についての準備はずっとしていました。私自身、東北大学サイエンスカフェや他のサイエンスイベントに何度も出てみました。
参加者で一番多い割合を占めるのが高年齢層の男性であること。質疑応答では内容と関係ない、単なる主張、思いつき的なものもたくさん出ること。ファシリテーションが機能していないと進行が大変になること。ディスカッションタイムで自分の意見を言えないと不満が残ること。一方、ちょっとしたことでも、手を動かす体験があると、満足感が得られること。などなど。参加しないとわからないことがたくさんありました。
これらを先生と情報共有しながら準備していきました。
直前には自分の声を録音して聴くという超恥ずかしいことをやってみたら、イントネーションに妙な癖がついていることがわかりました。それを意識して、また声を出して録音して聴くを繰り返しました。本当は動画で撮って表情や口の開き方も訓練したかったです。(あと樋田かおりさんの話し方講座もオンライン受講。)
ディスカッションタイムのファシリテータには、ノラヤのサイエンスバーの常連さんに声をかけ協力していただきました。
当日は、ノラヤの常連さん、東京の友人(!)も参加してくださいました。
本番はもういっぱいいっぱいで……
私の迷司会ぶりは、後日Youtubeにアップされるので興味があったらご覧ください。
ディスカッションタイムの後の質疑応答では、私がこれまで経験したサイエンスイベントに比べると比較的落ち着いていたように感じました。また、深い質問が多く、志田原先生の回答もわかりやすく、内容についての理解をより深める面白い時間だったと思います。
後になって、あれはこうすればよかったとか、セリフ飛ばしたとか、ディスカッションタイムは満足いただけただろうかとか、いろいろ考えてしまいます。
多分もう二度としない体験をさせていただいたので、今後のサイエンス系イベントを開催する際、この経験を生かしていこうと思いました。
サイエンスカフェは2018年度もおもしろそうな話がたくさんあるので、可能な限り行きたいです。参加者の平均年齢を下げたいですしね。
「いのまま」オカヤイヅミ
自炊エッセイまんが。
これはtwitterでフォローしているRubyistのとりいさんが言及していて、なんとなく気になって買ってしまったものです。
3月はずっといろんなことが続き、気が抜けない日々だったので、風呂に入りながら読む本を新たに仕入れたかったのですよ。
中年ひとりぐらし自営業(イラストレータ、まんが家)のオカヤイズミさんの自炊エッセイマンガ。
ゆるい自炊かとおもいきや、けっこうちゃんとしている。いやむしろ、ハードでは……
このひと、すごい。
うとうとしながら徹マンしてるのに、その途中抜けて、卵白をあわだてて作るホットケーキをみんなのために作ってしまう。ベーキングパウダーじゃなくて。しかも卵白泡立て、手でやってるのですよ。私はもうできない。電動のやつしか使わない。
夜中寝ている時に友人がフルーツサンドの話を電話してきたから、起きて、彼に(遠隔で)つきあい買い物をして、作って食べてしまう。そしてまた寝る。なんで起きられるの。
3時まで飲んで、歩いて帰宅して、そして白玉だんごを(もちろん粉から)作って、食べる。いや、服脱ぐのもままならずバタンキューでは、普通は。
すげえなぁ、とにかく私ならすべて「眠いからしない」「疲れているからしない」以外の選択肢がない状況で、オカヤさんは料理をするのだ。
これが、イラストレータさんのような自営で時間が決まっていない仕事をやり抜ける人の素質なのだろう。睡眠に勝てる力がないと。
それからきょうの料理にときどき出てくる「料理の素」みたいなのも作って冷蔵庫に常備してあるのがすごい。お弁当つくるお母さんみたいに。ゆでたじゃがいも、肉味噌。なんてこった。ちゃんとしている。
私はそういうの、少し先の未来に楽できるとわかっていても、やらないんだよね……
料理はすべて、とてもおいしそう。影響されて、私も作りたくなったものも多い。
かぼちゃマッシュと鶏肉のソテーのホットサンドなんて、すっごいおいしそうだから、何度もかぼちゃ買って、鶏肉も買って、そんで、結局作らないのだ。
しゅうまいがおいしそうだから、適当に作ったらなにもかも間違っていた。しゅうまいは玉ねぎと豚肉なのだ。合い挽きとネギじゃないのだ。息子に「変」と言われた。私、やっぱいい加減なんだよなぁ。
微妙に私の共感とずれる。ちゃんと普通の女子で、おんな友だちと楽しく飲んだり、家飲みしたりしているあたりとか。知らない世界だ。
あと私はビールの缶は潰さない。仙台市のリサイクルでは潰さないことになっているので。どうでもいいか。
こういう本は自分の料理の幅が広がるから、よいものです。ありがたく、おふろの友に、ねいりばなの友に、しています。
酒日記3/3
- おはこ(仙台市地下鉄南北線五橋(or 愛宕橋)から徒歩5分くらい)
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- 某twitterのおともだちに誘われ
- 時間
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- 17:30-20:30くらい?
- お店
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- 古いビルの地下のごくごく小さな飲食店街。提灯がならぶ階段を降りていく。この雰囲気大好き。
- 飲んだもの
- お料理
- お店を出てから
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- 酔っていたので2軒目に行きたい気分だったがやめた
- 地下鉄で帰宅。ご一緒した方はなんと残務整理に……
- 北四番丁で降り、自転車を押して徒歩で帰宅
- 幸い、薬を飲むためにお水を買ってあったので、それを飲みながら適度に酔いを覚ます
- ローソンで値引きの惣菜を衝動買いしてしまった。翌日の朝食にと思って。でも買いすぎた。やはり酔っていた。
- 帰宅後
- 酔い具合
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- 酔いざましに歩いたとはいえ、かなり飲みすぎだったかも
- 帰宅後ごろごろしてしまう時点で飲みすぎ
- 体調
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- すごく喉が渇いた。やはり飲みすぎ
- 二日酔いにはならず
- 便通
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- まぁふつう
- 体重
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- 食べ過ぎ。翌日1kg増、翌々日2kg増。
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- 体重増加は1日遅れて来る
- 反省
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- ちょっとやっぱり飲みすぎましたね
- ビールの時から水を飲むべきだと何度反省すれば
- でも水をあらかじめ買って持ち歩いていたのはよかった。今後もこの方針で
- じっくり煮込んだ系のお料理がおいしかった
- 地域の人に愛されるお店という感じも良かった。
- おまかせで定食を用意してもらうのもおいしいそうです。
日本酒を飲む人、を、やめようと思う。
最近、日本酒に惹かれなくなってきた。ので、日本酒を飲む人、日本酒が好きな人というキャラをもうやめようと思っている。
年齢とともに酒に弱くなってきているというのが一番の理由。
飲んだら、記憶なくすかな。吐くかな。明日、どうなるだろう。
日本酒を前にして、わくわくするより、その具合の悪さを想像するようになった。休日具合悪くてまるまる潰れると、もったいない。ランニングやってるのもあるのかもしれない。
飲んでいる時も、かならず同量以上の水を飲むようにしている。そうするとなんとか翌日無事なんだけど、胃が冷たい水で満たされながら、苦労して飲むのってなんか、違うんじゃないかと。
私は、日本酒の人、だった。今もそう見られているかもしれない。
20代のころ行きつけの店では一升瓶をキープしていた。「日本酒が好きだよね」というキャラだった。でも飲んで必ず記憶を無くして吐いてた。
うまい日本酒の店をチェックし、酒飲み友達とそこへ行き。日本酒のおいしい店は料理も大抵おいしい。雰囲気もいい。宮城は酒がおいしい。DATE7とか蔵元もいろいろなことやってる。日本酒を飲むことが地域を支援することになる。
でも、飲んだ後が怖い。
約一年前、飲みすぎて、転んで、スカートやコートを血まみれにして、怪我で生活に支障をきたしクリーニング代もかなりかかって、怖くなった。
私、いつか飲みすぎて家を燃やすんじゃないか。
かつて、一緒に飲んで心底楽しかった友人たちとも、疎遠になった。
では自宅で飲めばいいではないかと言われそうだが、それも難しい。
これ飲みたい!と思って日本酒を買っても、いっこうに減らないのだ。なんだか、気軽に飲めないのだ。気がつけば1,2ヶ月冷蔵庫を占領していて、最後は料理に使われてしまう。
そうだ、私はたぶん、そんなに日本酒が好きではなくて、ビールのほうが好きなのだ。
最近、そう気づいた。
そらそうだ。前から、自宅で飲むのはまずビールだ。そしてとあるきっかけで、クラフトビールの店に行くようになった。いろんなビールに目覚めてしまった。
ちびちび、味わってしみじみ飲むより、しゅわしゅわした苦いやつを、ぐびぐびっと飲みたい。あー、私はそれが、好きなんだ。(フルーツ系は苦手)
日本酒好き、というキャラは便利だった。でも、やっぱり、辛い思いをしてまで纏いたいキャラではない。
というわけで、宣言。
今後、なるべく日本酒は避けます。
今後は、ビール好きのキャラでいきます。
ちなみにお気に入りのワインバーができてからワインも飲むようになった。前はワインはほとんど飲まなかったんだけどなぁ。
3人以上になると途端に話せない
「3人以上」まで入力すると、「会話が苦手」などと候補に出てくるので、この症状がある人は多いのだろう。
私は、3人以上でまともに会話ができない。
打ち合わせ、ディスカッション、意見交換。そういうところで、自分がうまく話せたことが、一度もない。
「私はそうは思わないんだけどなぁ」
「ああ、自分の意見を、言いたい、言いたい!」
「この話題で最適な実例を知ってます、知ってます!紹介したいんです」
「あ、これ、私のことかな?言う?言う?言ういわなきゃうgy−あああああm他の話題になってしまったあああ」
などと、毎回脳内で悶え苦しんでいるのに、表面は残念な顔で薄笑いを浮かべて、その場の雰囲気を楽しんでいるかのようなように装ってしまうので、誰もわかってくれない。
長縄跳び、の怖さなんです、わかります?
あの、ぐるぐる回る中に、はいらなきゃ、はいらなきゃ、と思ってタイミングを伺っていて、もうこれ以上待てない、よしっと入ると、バシッと縄が足首を打つ。
そんなかんじで、思い切って話し出すと、ほとんど誰かと同時に喋ってしまい、「あっ……」と言葉をひっこめる。
「あれ、むなかたさん全然喋ってないですね」
「すみません自分のことばかり言っちゃって、むなかたさんどうですか」
私の沈黙に気づいた他のメンバーがこっちに振ってくれるところもあるが、その時は唐突にやってくるのでしどろもどろになってちゃんとしゃべれない。
だから、あ、べつに喋りたいことないんだなこの人、と解釈されてしまう。
これは社会人としてたいへんにまずいことである。まずいことであるが、幸い私はあまり偉くないため、3人以上で会話する機会が非常に少ない。集まりなどではひたすら我慢してきた。
インターネットの登場で、私はそんな長縄跳びの恐怖を味わうことなく、複数人の会話にダイブすることができるようになった。インターネットってすごいんですね!ところがネットが仕事やら現実の世界と密接につながってきた昨今のSNSの世界だと、リアルでも会わなきゃいけなくて、リアルでは全然喋らないんだこの人、となる。ネットの私の饒舌なイメージを持って現実でもそうだと勘違いされて、過度な期待を負われてしまうこともある。
「せっかく会えたのにむなかたさんとほとんど喋りませんでしたね!こんどはもっとお話しましょう!」
「せっかくの機会だからもっと喋ってください」
などと言われることが良くある。
もう恐ろしくて恐ろしくて。いいです、あの、現実で多人数の会話って私苦痛なだけです、ネットだけの付き合いにしましょうよ…と言いたくなる。
さて「3人以上の会話が苦手」で検索するとそれなりにみんな相談しているし解決したいみたいなんだけど。
「気にせず、聞き上手でいたらいいのでは?(この意見めちゃくちゃ多い)」→いや、じっと聞いてるのいやなんです
「どんな話題が出ているのか、上手に全体を俯瞰できていないのでは。僕との会話レッスンを」→できてるよ
「父親との関係のトラウマが。カウンセリングを受けましょう!」→めんどくさい
「広範囲発達障害です」→だから?
私、社会不安障害と診断されて薬飲んでたこともあったけどあまり意味なかったんで。
すげえな、我慢するか病院行くかどっかの商売ネタになるしかないのかよ。
もういいわもう。
私、3人以上だとしゃべれないんですー!許してねー!って言ったって誰も許してくれないし。
記憶なくすぐらい飲んだときは、めちゃくちゃ喋るらしいんです、めちゃくちゃ気分よかった記憶はあるけど話した内容は覚えてません。
しかしここではたと気づく。
私、2人でもそもそもまともに話せないじゃん。
それが3人以上だと問題となりやすいのは、それが、意思決定の場だったり、仕事上必要だったりするケースが多くて、意見を言えない自分が不利益を被ったり、後から悔しい思いをしたりするからだ。そーかそーか。
書いていると本当にめんどくさくなってきて、思い出すと辛さで胃がちくちくしてくるのでそろそろやめるけど、シラフで記憶なくすくらい酔っ払った状態になったらきっと私も喋れるようになるのだろう。
ああ、薬や酒に頼るしかない人生の人たちがとたんに身近に思えてきた。