仙台広瀬川ワイルド系ワーキングマザー社長

ビールと温泉と面白いものが好きな大学生男子の母。

仙台うみの杜水族館「おひとりさまナイト水族館」が素晴らしすぎる

「仙台うみの杜水族館」は本当に素敵な水族館です。年間パスポートを買って時々行ってます。仙台駅からは仙石線に乗って中野栄で降り、そこからてくてく歩いて20分です。


私の大好きなイベントは、夜に開催される「おひとりさまナイト水族館」。これが最高なんですよ。癒し、幸せ、雑念からの解放、日常からの脱出、なんと説明しようか。

とにかく都合のつく限り、行ってます。

www.uminomori.jp


閉館後の夜の水族館を、ひとりで、喋らず静かに鑑賞するというのが基本ルール。

見回るスタッフも無言。ソーシャルディスタンス。カップルとか家族で来ても、館内では離れてひとりで居ましょう。ひそひそ声でも、くっついてクスクス笑いも、けっこう目立つし響きます。まったく別行動が、この場所にはふさわしい。

美しい水槽の前には、かわいいライトやアロマがあって、ちょっぴり癒しの雰囲気を出しています。

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水族館や動物園って、子供のいる家族連れか、学校行事のお子様向けの施設だと勘違いしている人もいるのでは?ええ、松島に水族館があったとき私もそう思ってました。
でもそれはまったくもって誤解です。むしろ大人こそ行くべき。
人生の酸いも甘いも味わってきた大人が、普段見ない生き物を見て、説明書を読んで、癒されたり、ほほうと驚いたり、新しいことを知ったり。大人だからこそ楽しい。日常では味わえない感激と喜びとワクワクした感じに浸れる場所なのです。

 

まあしかし普段、特に休日は、家族連れやカップルが多いです。もちろんそれが悪いわけではないけど、それなりに賑やかで、なかなか大人がじっくり没頭するのは難しい。

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話は逸れるけど、個人的に私が嫌なのは、お母さんが生き物を見て「うわー、こわいね」「気持ち悪いね」と子供に話しかけるの。こわいとか気持ち悪いとかネガティブな言い方をして子供に同意を求めないでほしい。聞いているこっちも悲しくなる。せめて「私はちょっと苦手かな」程度にして欲しい。

…と、まあ、そういう他の人の喋る声も、このイベント中はまったくないわけだ。

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でも、一人でいくものなの?一人でいって面白いの?と思う人もいるかもしれない。うーん、たしかに一人で行動するのがふつうでない人には理解できないかもしれないね。それはしかたない。

おひとりさま?そんなのいくの?寂しいんだねwww などと言う人がいたら「バーカバーカ」と内心毒づいて「あ、大人の楽しみを理解できない人なんだな、かわいそうに」と思いましょう。

だって本当に楽しいし心地よいんだもの。

実際、みんな思い思いに場を楽しんでいます。椅子を持ち込んで座る人、絵を描く人。そして多いのは、写真をじっくり撮る人。(ちなみに写真撮りたい人のためのイベントも開催されている)

夜の水族館で、静か、って、それだけですごく居心地がいい。

生き物たちの夜の表情もいい。

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たとえば、イルカのプール。
ふだんはショーが開催され、たくさんの人が集まり、スタッフの掛け声やお客さんの歓声が響く場所です。水族館の中でももっとも賑やかな場所かもしれない。

それが、おひとりさまナイトの時はなにもない。ただイルカが水槽の中をいったりきたり、時にきまぐれにジャンプしたり、プールのふちにふと顔をあげてみたり。イルカの立てるランダムな水音がするだけ。なのに人がやってきては、ぽつりぽつりと座っていく。座って、ただ、イルカを見る。イルカのプールは屋外なので、真っ暗な周囲の景色も見えるし、遠い建物の照明やすぐ近くを走る自動車道の音や光は伝わってきます。それらすべての昼間と違う空気を、イルカを眺めながら感じるのが、いいんです。

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水族館に入って最初にある巨大な大水槽、ここはいつ見ても圧倒されます。おひとりさまナイトの時は、距離を置いて椅子が設置されます。みんな静かに座ってます。二階にも席があって、この二階席が私は好きなんです。イワシの群れ、エイやサメ、人気者のスナメリ。一瞬として同じ動きはなく、いつまでも見ていられる。(先日はスナメリの展示はお休み中だった)

わたしたちは乗り物に乗った時やちょっとした待ち時間に、すぐスマホをいじってしまう。
だけど、この水槽の前にたたずむひとたちに、スマホをずっといじっている人は少ない。スマホより長い時間視野を満たしたいものが目の前にあるから。そうだよな、と思って私も、写真を撮ったらスマホをしまって、ただじっと魚の動きを見続けました。青い空間を見ていると、体が透明になって水の色に満たされていくような気分。

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私がいちばん素敵だなぁと思っていること。それは、このイベントを作っているのが水族館のスタッフの皆さんだけではないということです、この素晴らしい空間のために、きちんとルールを守ってその場にいて、楽しんで、SNSで様子をシェアする。そのことで参加者もイベントを作っていることです。ひとりでしずかに、じーっといきものを好きなだけ見る。でも、他の人も見られるよう、ほどほどにして次へ。そういう、距離をとりつつ、会話は交わさなくても自然とお互いを思いやった大人のふるまい。それができるひとたちで形作られた「おひとりさまナイト水族館」というイベントが、とてもとても好きなのです。

 

あー、良かったなぁ。と思いながら中野栄駅まで歩く時間も好きです。暗くて交通量の多いバイパス沿いは決して気持ちがいい道ではないけど、頭の中は水族館での景色が次々思い浮かぶ。まあ、寒い季節はちょっとたいへんだけどね。

 

夜間用にスタッフを用意してこんな素敵なイベントを開催してくれる水族館の方々には本当に感謝です。