「発酵野郎! ー世界一のビールを野生酵母でつくるー」鈴木成宗
ビール検定を受けるうくらいビールが好きだ。
そもそも私が本格的にクラフトビールに目覚めるきっかけとなったのが、伊勢角屋麦酒のNEKO NIHIKIというビール。
飲んだ瞬間「めちゃくちゃおいしいー!」と心底感激した。その後飲み歩き買いまくるきっかけとなった。そのビールを作った会社の社長さんがこの本の著者の鈴木さんだ。
この本はずっと買いたかった。たまった楽天ポイントでようやく買ったわ…
なお私は本は図書館で借りることがほとんどなんだけど「発酵野郎!」はいっこうに仙台市図書館に入らない。けしからん。
鈴木さんは東北大学農学部出身とのことでなんか嬉しい。とんぺーの農学部出身の人って変人で楽しい人が多いので、きっと鈴木さんもそんな人だろうと思って読んだ。
いやーーーーー。期待に違わず面白くてへんな人だった。
伊勢角屋麦酒といえばクラフトビール好きなら絶対知っている会社だけど、その会社がこんな成り立ちでビールを作ることになったなんて知らなかった。
鈴木さんは酵母と戯れたくてビール造りを始めた。バリバリの野心家っぽいギラギラしたかんじが全然ない。
「酵母がかわいい」って、ビール好きや研究者がよく言う。私は実物を見たことがないのでわからないけど、本当にかわいいんだろうなぁ。
この本にビールで世界一になったクラフトビール会社の社長の成功譚を期待するならちょっと違う。研究者っぽいユーモアとオタクっぽさが炸裂して、ビールにまつわる様々な知識が楽しく手に入れられる、「へぇー!そうなんだ!」の連続だ。科学読み物を楽しめる人におすすめしたい。
(だから正直、帯の推薦がちょっと嫌)
読めばビールが飲みたくなるし、手に入れた知識を語りたくなるし、楽しい気分になれるし、酵母がいとおしくなる。
鈴木さん、古巣の仙台に来て講演してくれないだろうか…